恋の綱引き
アヒー「あの……。俺達……愛し合っているんだよ……な?」
カマド「死ね! 偏執者。クズ野郎! お前は妹の私には手を出せねーんだよ! 何が愛し合っているんだ? 一方的な片想いだよばーか(うん……お兄ちゃんだから結婚は出来ないけど……大好きだよ……!)」
アヒー「大好きなのは分かるんだ。俺もお前が大好きだから……。そして、今俺達は……血縁関係が無くなったから結婚しよう」
カマド「あ、あああああああああああああああ! そうだ! 妹偏愛変質者転生したんだった! (わっ、急に言われても心の準備が出来ないよぉ……)」
アヒー「返事はわかってる。今日ここで愛し合おう」
アヒーはマーチャーの下腹部をさすりながらニヤついている。ベッドの上でも嫌だけどここでってのは更に嫌だ。
カマド「おしっこ……」
アヒー「おしっこさっきしたじゃん」
カマド「ほ……ほら……お兄ちゃんが側に居るから……ちょっときゅんきゅんして///ちょっとフキフキしたいなぁ~って……(血が乾いてベドベドのカピカピだよクズ)」
アヒー「じゃあこれ着けて」
カマド「A級魔法道具の魔物縛りの鎖じゃねぇか……(こんなの嫌だよぉ)」
アヒー「大丈夫。何かこれ見た目より軽いし。何かあったら引っ張って助けるから、外にオークとか居るかも知れないし……。多分繋がれてる方が安心だよ?」
カマド「じゃあ……いいよ///優しく縛ってね? (これは人間縛ると緩くなって抜けるんだよバカめ)」
アヒー「まぁ、良いか。仮に逃げたりしたらお仕置きするかもしれないから、そうなったらごめんね?」
カマド「逃げ切ってやるよ」
カマドはギッチギチに縛られて洞窟の外に出る事を許された。
◇ ◇ ◇ ◇
カマド「くそーっ! さてどうするか……。さっきから小刻みにクイクイ引っ張ってるし、手応えがなくなったらバレるか……。ここまでするならいっそ鷲掴みにでもしておけよ……。まぁ仕方ないか。あいつバカだし……」
カマドはてくてくと歩き、先程の小便を撒き散らした場所付近まで来ていた。
オーク「お、カマドはん。どうしたんでっか?」
カマド「あ! 先程のオークさん」
オーク「オークはんです。どうかされましたか? レ○イプしますか?」
カマド「いえ……。あ、もし良かったらこの鎖のはじっこ持ってて貰えます?」
オーク「お前、縛られて捕まってるんじゃないんか?」
カマド「プレイです。でもちょっとおしっこしたいので、持ってて下さい」
オーク「うーん、まぁ! ええやろ!」
オークはするすると魔法のようにほどけた鎖を握りしめると鎖の主にクイクイと引っ張られたので、負けじとグイと引っ張った。
オーク「おっ……。おっおっお……。アヒーはん強いな~ゼィィハァアアアア! お? おっおっお……? ヤバい! 曳きづられる! うおおおお! 何故か鎖が手から離れねェエエエエエエェェ……! うわぁああああああああ!」
端から見たら釣りのそれだった。
カマド「南無、許せ」
カマド「さぁ、時間がないどうするか……。私に残された魔法道具は……。A級魔法道具の賢者の杖とB級魔法道具の偽闘気の指輪とB級グルメの香ばしい餅か……。これは詰んだかもしらんな」
カマド「取り敢えず、賢者の杖を使ってみるか……。そぉイ!」
カマドは賢者の杖をテコの原理を使って叩き折った。すると賢者っぽい妖精が出て来てこう言い放った。
妖精「何か用?」
カマド「オークに狙われてて捕まってレイプされそう。逃げたい」
妖精「もちゅもちゅもちゅ~……。ボソボソボソ」
カマド「は? そんなんでいいの?」
妖精「あいつバカで童貞だから、ってか下らない事で起こすな。じゃあ」
賢者風の容貌をした妖精はドロンパと消え去った。
カマドは早速準備をした。
自らの兄を殺すための準備を……。