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気を引き締めていくぞ!

 私達カマドとサンダー、マーチャーの冒険者パーティーはこの数週間、メキメキと頭角を表し、並み居る魔物を千切って鼻毛千切って鼻毛の大活躍で、西の町のNo.2パーティーと呼ばれるまでとなった。


 手品の種はいわゆる現代知識チート、罠&スラッシュの複合戦術によるものだった。落とし穴の下に埋まる尖った枝に糞便、撒き菱、夜襲、ありとあらゆる安価な駆逐方法で魔物やその他生き物を狩っての荒稼ぎ、現代犯罪知識を利用した犯罪行為。また、それなりの装備を買い漁ってのからの狩りは更なる大荒稼ぎとなった。その勢いを止める者は居らず、山の上のオークの巣へと手を出さんとする勢いだった。


 

マーチャー「そろそろ山の上のオーク共を皆殺しにする時が来たかもしれんな」


サンダー「ああ、でもオークは捕まったが最後だからな……調子にのり過ぎるのもよくない」


カマド「じゃあ試しに西の山にいるはぐれオークってのを狩れば良いじゃない?」


サンダー「まぁ、居ても1~2体程度であればどうにかなるか。こっちにはA級魔道具“魔物縛りの鎖”もあるしな」


カマド「金貨100枚以上あるからもっと強い武器防具買っても良いんだけれどもね……。ちょっと高いけど、指輪系は嵩張らなくて良いからそろそろ手を出しても良いかもね…うふふふふ」


サンダー「カマド変わったよな」


カマド「そうかしらぁ~うふふふふ」


マーチャー「よし、とりあえずはぐれオークから倒しに行ってみるか……」


 こうしてカマドとアヒーの邂逅は果たされる事となる。


 ◇ ◇ ◇ ◇


 東の山洞窟 アヒー宅

 

サンダー「これがオークの巣……家か……。頭蓋骨に呪いの文字が書いてあるな。オークの家と言うより悪魔の家だな……」


マーチャー「中も酷いぞ、来てみろ」


カマド「私はちょっと出てくる。調査宜しくねー」


マーチャー「またこのパターンかよ……」


サンダー「面倒事を俺達がやるだけで上手くいくなら安いもんだ。これ迄それ以上に助けて貰ったからな……」


マーチャー「どうでも良いけど、今日の朝手紙が届いて…プロポーズされたんだ。この仕事が終わったら故郷に帰って幸せに暮らすんだ……」


サンダー「マジかよ。俺もそろそろ金が貯まってきたから故郷に帰って店を開こうと思ってたんだ……!」


マーチャー「奇遇だな。じゃあこの仕事が終わり次第パーティーは解散だな。お金の面では上手くいってたし、皆と別れるのは残念だが……どうにもあのクソ女の犯罪に付き合わされる事から解放されるのは幸せだな」


サンダー「よし、気を引き締めて行くぞ!」       


 サンダーとマーチャーはアヒーの家の中に入っていった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ 

サンダー「悪趣味だな。家具はほぼすべて人間の死体か……聞いていたオークとは違う奴が住んでるんじゃないか……?」


オーク「ナンやワレ」


サンダー「オーク! 死ねぇええええ!」


 サンダーは不意に現れたオークに向けて手持ちの真っ二つのショートソード(隼)で斬りかかる。が、たまたま床に転がっていた使用済みティッシュを踏みつけ転倒し、マーチャーの両腕を切り落とした。床に落ちたマーチャーの腕の付いた猟銃は暴発してサンダーの腹を撃ち抜いた。


オーク「おっ、♥。そろそろ床の敷物新調しようとしとった所にラッキーな素材やな。どれどれ……まずは味見から……かな」


(むくむくむく…)


サンダー「あっあっあ…」


オーク「いただきます。そぉい!」


 オークがサンダーのけつに異物をぶち込むと腹に空いた穴から中味が飛び出した。続いて押し出されるようにオークの体液が流れ出てきた。


オーク「お待たせ! 二人目の君!」


マーチャー「くっ……!」


 銃が暴発して僅か20秒。マーチャーは状況を整理出来る精神状態に無かった。故郷に残してきた彼女を抱き締める腕がないのだ。それどころか武器を握る腕もない。命を維持するための血液もどんどん流れ出ている。


オーク「手の無い(あん)ちゃんも失礼しますで! 2発目は1発目の1,000倍時間かかるんで、宜しくやで~」


マーチャー「ひぎぃ、あああああああああああああああ! ぅおっ! ぁっ! ぁっ! あっあっ……ん……」


オーク「気持ち良くなって来たやろ? 2発目は役得なんやで? 1発目はこっちもギンギンやから、すぐに死んでまうんや。2発目は気持ち良くなる汁でぬるぬるやし、長持ちするさかい……な?」     


マーチャー「あ……い……良い! あ……」


オーク「ん?」


マーチャー「……」 


オーク「死んどるやんけ……」


オーク「あほらし、体毛薄いし、やっぱ置いておこう。


アヒーはんはまだかいな……」     


 

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