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魔法
毎回道を譲ってくれる。
自分が先に行っていても譲ってくれる。
何かを言うたびに「すごいねっ!!」と言っては目を見開いて驚く。
終わっていない課題に朝いそいそと取り組んでいると「がんばってるねっ!!」と声をかける。
歩いている時、ご飯を食べている時は鼻歌がお友達で、
それはこの沈黙が生んだもの?
「大変だ!」「不安だ!」「どうしよう!」
何もかにも大仰という名の魔法がかかる。
それは不安を増長させ、嫌悪までをももたらしてしまう。
あまりに優しすぎはしないか。
本音はどこにあるのか。
合うと合わないの基準は曖昧で、どうすればよいのか彷徨い歩く。
もう何年と歩いてきたけれど、解除魔法は見つからず、誤った対魔法は自分も周りも傷つけた。
残った魔法の効力は、何を生み出し 何をもたらす。




