表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/16

第12話 意外とスケベ

 まあ、そんな都合のいいこと、起こるはずないよな……大体、女だらけの異世界に飛ばされた時点で出来すぎって話だ。

 ……そう考えると、運の値がいいって言うのも納得だ。こんな、露出の激しい美女だらけの世界に飛ばされたんだもん。多分俺、宝くじの一等を連続当選してるくらい運がいい。



「ま、なるようになるか」

「意外と前向きですね」

「そりゃ、魔法を使いたい気持ちはありますけど、ゴネても仕方ないんで」



 へこんでも駄々を捏ねても、駄目なものは駄目だ。それより、いい事やよかった事を考えた方がいいだろ。

 オメガさんは感心したように頷くと、無言で頭を撫でた。でっかいお姉さんに撫でられるのこそばゆい。

 2人と一緒に洞窟を出て、また建物の中に戻る。冷房がないから少し暑いけど、からっとした湿度のおかげで不快感はない。



「さーて、さっぱりしたところで、まずはイブキの寝泊まりする部屋を決めないとな。つっても、隊舎には泊められないが」

「なんでですか? 雨風を防げるなら、どこでもいいですよ」

「お前……餓えた狼の群れに力もない子羊を一匹放り込むと、どうなるくらいわかるだろう」



 呆れ顔で首を振るオメガさん。ミューレンさんも深く頷いた。

 あぁ……うん。多分、ゴリゴリに襲われるね。気絶しても許してくれなさそう。



「てな訳でミューレン、お前の個宅に泊めてやれ」

「えっ、私のですか……!?」



 まさかの提案に、ミューレンさんが動揺する。俺も内心、めちゃめちゃ焦っていた。一人部屋だと思っていたのに、まさかミューレンさんの所に転がり込むなんて……!



「ああ。さっきも言ったが、お前なら性欲に惑わされることもないだろう。さっきの取り決めがある以上、お前らがまぐわらなけりゃ、誰からも襲われることはないはずだ。護衛の意味も兼ねて、頼んだぞ」

「そ、それなら、総隊長の個宅でもいいのでは……?」

「アタイの家は全部がアタイ仕様だからな。イブキじゃ生活できねーよ。それに……」



 オメガさんの目が妖しく光り、俺の頬を指先で撫でてきた。そこから鎖骨、胸、腹と下がり、更に下腹部まで手が伸び……。



「アタイは半巨人族だ。ヒューマン族の雄とも……十分、ヤりたい盛りなんだよ♡」

「ヒェッ……」



 獲物を狙う獰猛な獣のような表情。この人、ヤろうと思ったらいつでもヤれる、みんなと同じ捕食者側だ。

 恐怖と興奮で体が変な反応を示していると、オメガさんはニカッと笑ってまた俺の頭を撫でた。



「冗談だ、冗談。心配すんな、襲わねーよ。アタイはまだ発情期に入ってないし、入ったとしても自分でどうにかできる」

「そ、そう……ですか……?」

「ああ。けど、発情期に入ったアタイには近付くなよ。誰も止められなくなるからな」



 オメガさんの忠告に、何度も頷く。

 そりゃそうだ。この巨体のオメガさんが本気を出したら、誰も止められないだろう。ホント、気をつけよ。



「んじゃ、ミューレン。後は頼んだぞ。本部施設を案内ついでに、個宅に連れてってやれ」

「ッ……は、はっ。わかりました」



 今まで呆然としていたミューレンさんが敬礼をし、総隊長室を出る。俺もオメガさんにお辞儀をして、慌てて着いて行った。

 扉が閉まり、廊下を進みながらそっと息を吐く。同時にミューレンさんも息を吐いているのが見え、お互い同時に顔を見合わせた。

 思い出されるのは、馬車での未遂事件。あの時は邪魔されちゃったけど……個宅ということは、個人の家ということ。邪魔は一切入らない、2人だけの空間。

 ミューレンさんも同じことを思ったのか、もじもじと内股に自分の手を挟み、上目遣いを向けてくる。

 急激に体温が上がり、心臓がうるさく高鳴ってきた。ごめん、オメガさん。ミューレンさんって、意外とスケベなんです。



「……と、とととととりあえず、他の施設を案内しますねっ。い、いいいいい家の方はその後にお連れします……!」

「で、ですねっ。は、はは。よ、よろしくお願いします……!」



 明らかにぎこちないやり取り。

 俺、今夜我慢できるかな……?

続きが気になる方、【評価】と【ブクマ】と【いいね】をどうかお願いします!


下部の星マークで評価出来ますので!


☆☆☆☆☆→★★★★★


こうして頂くと泣いて喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ