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まさかの

スタートダッシュ:①走者がスタート後、スピードを上げること。また、その区間。②短距離走の練習で、スターティングブロックからダッシュする練習。

小学三年生から陸上教室に通っていた。なんで通っていたのかは自分でもわからない。走るのが好きだったから?いや得意だったからか?とにかく、陸上競技は人生半分くらいの付き合いだ。女の子に100メートルで負けるくらい足が遅い。それなのに負けず嫌いという性格だった。絶対に見返してやるという不純な気持ちで中学校も陸上競技部に所属した。

「佐藤、お前長距離に転種しないか?」

やっぱり自分には短距離は向いてなかったみたいだ。監督のアドバイスは強制と一緒だ。もちろん承諾し、一年生の秋に長距離に転種した。するとまさかの駅伝レギュラーメンバ―に選抜され駅伝を走ることになった。しかもアンカーという重要な役を任された。確かに中学は弱小校ではあるけどレギュラーに入れるなんて思わなかった。まあもちろん結果は悲惨だったけど。でも楽しかった。襷にみんなの汗が染み付き倍くらいに重かった感覚。沿道の応援。これまでに味わったことのない感覚だった。ここから俺は駅伝の魅力に取りつかれたのだ。そこからトラックレースでもそこそこの記録を出し、駅伝ももちろんレギュラーで出場した。しかし良い記録が出てなかったため推薦は諦め、受験勉強で強豪校に入学することを心に誓った。

「佐藤隼君だよね?」

中学校最後と決めていた秋季大会で見知らぬ年配女性が声をかけてきた。背の低いガマガエルみたいで色のついたサングラスをかけている女性。

「は、はい。」

「実はこういうものでして――」

名刺をポケットから直で渡してきた。『田原高校 陸上競技部顧問 最次』と書いてある。

「実は君を、――」

遠くから足早に走ってくる音が聞こえる。顧問が息を切らしながら走ってきた。

「最次先生、ご無沙汰しております。ご挨拶が遅れて申し訳ありません。」

「いえいえ、私こそ急にごめんなさいね」

知り合いか?でもなんで高校の顧問が?

「改めて佐藤君。田原高校陸上競技部顧問兼長距離駅伝顧問をしている最次さいつぐと申します。君をスカウトしに来ました。」

まさかのスカウトだった。


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