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箱庭の乙女は守りたい  作者: ISTORIA
第五章 新生リベレイト
16/21

05‐02:解呪の儀



 玄関先で伊緒理と清香が職場へ戻る前、虚空から巫女装束を着た少女・珠那が現れた。


「ご主人様、用意できたわよ」

「ありがとう、珠那」


 丁寧に編まれた蓋ありの籠を渡され、礼を返せばニコリと笑って消える。

 中身を確認し終えると、見送りへ向かう途中で霧島に声をかけた。


「あの、霧島隊長。もしよければ部隊の皆さんと今夜の慰労会で食べてください」

「ん? いいのか?」


 暗色の籠は丈夫な素材で編み込まれた逸品のようで、多少乱暴に扱っても壊れそうにない。一見だけで頑丈な印象を与える籠に、どこで購入したのか気になった。


「はい。珠那の作る料理は心身を癒す効果が付与されますから。籠も珠那の特別製です」


 料理だけではなく籠まで手作りだと天音は言う。

 特別製の籠の中には、護衛部隊に所属する全員分の軽食と菓子が入っている。籠は珠那の手製なので劣化せず、更に質量保存の法則を無視した量が入る優れものなのだ。


「籠は今後の仕事中に食事が難しいと思われる場面で使ってください」

「……見てもいいか?」

「どうぞ」


 籠を受け取った霧島は蓋を開ける。その瞬間、「うおっ」と声をあげた。

 中身はないが、多くの料理名がずらりと記載された目録が宙に出現したのだ。


「出したい物を目録から選べば籠の中に出てきます」


 目録は誰にでも閲覧できるようだ。

 天音はその中の一つ、「クッキーの詰め合わせ」に指先で触れる。次の瞬間、何もないはずの中に、見るだけでも楽しめる多種多様のクッキーを詰めた楕円形の器が現れた。クッション性の利いたチェック柄の布を敷いた籠編み仕様の受け皿も手作りだ。


「すげぇなこれ! いいのか?」

「はい。護衛中の食事は大変ですから、今回は特別に寄付します」

「保存機能は?」

「時間停止機能がかかっているので、温かいまま、冷たいままの料理を楽しめます。もちろんアイスクリームも大丈夫です。ただ、一気に出そうとすると重なって潰れます」

「もちろん気をつける。ありがとな!」


 心の底から大喜びで礼を言った霧島の笑顔は、いつもと違って幼く見えた。

 それだけ護衛部隊の食事事情は大変なのだと改めて理解し、珠那に胸中で感謝する。

 すると、側で見ていた清香は、ギラリと目を光らせた。


「天音、これは商品化しているか?」

「籠版は初めての作品ですし、手間がかかるので特注の枠組みに入れようかと」

「つまり見た目の選択も可能ということか」

「そうですね。籠の補強材で色の指定や、どの布を使ってほしいのか決められます」

「価格は?」

「帰宅後にお父さんと相談します。おそらく職人の鑑定を受けると思います」


 商品化には少し時間がかかりそうだが、清香はその間に購入資金を溜めようと決める。


「これほどの性能で、しかもカスタマイズが可能な特注品……最低でも十万円はするな」

「海外への輸出なら五倍の値段でもいいでしょうが、その予定は?」

「無限収納機能付きの商品は国内限定です」


 日本国内でも犯罪は日常茶飯事なのに、海外で悪用されて製作者が糾弾される――そんな理不尽な未来は阻止したい。

 輸出制限をかけている理由を知っているようで、清香は深く頷く。


「正しい判断だ。万が一密輸に使われては困る」

「なので、購入者には必ず使用者設定を行ってもらいます。あとは使用者設定が無ければ日本以外では使えないように自動ロックの条件を付けます」

「そんなことまでできるのか?」

「ええ。私が使っているウエストポーチや、家族にプレゼントした物にもあります」


 既にその技術は編み出されている。ほとんど珠那の仕事なので頼りきりになってしまうが、珠那自身も新しい技術の開発を好んでいる。

【希望の箱庭】の中でなら、天音も守護者達が持つ権能を使えるので、時間があれば手伝っているのはここだけの話。


「注文なら特設サイトからお願いします」

「商売上手で何より。では、その時を楽しみにしているよ」


 そう言って、清香と伊緒理は別々の車に乗った。

 走り去る車を見送った後、天音は凪祇達へ向く。


「私は準備が整い次第、すぐに帰宅するね」

「えっ、もう?」

「一日だけとはいえ謹慎だから」


 謹慎処分とはいえ、久々の帰宅は楽しみなのだ。

 できることなら今すぐにでも帰りたいが、多少の持ち物を無限収納機能付きのウエストポーチに入れなければいけない。

 寂しそうに眉を下げて落ち込む凪祇。

 しかし、その前に大事な仕事を忘れてはならない。


「その準備には、凪祇がある程度自炊できるようになることも含まれているの」

「……!」

「最低限でもお米は炊けるようにならないと、この先大変だからね?」


 初心者でも作れる簡単な料理以前の問題があるので、料理に関しては妥協できない。

 あからさまに嬉しそうな笑顔だが、凪祇はこの後の料理教室で頭を抱えた。



     ◇  ◆  ◇  ◆



 一通りの自炊を教えられた凪祇は、眞人のありがたみを改めて思い知りながら、炊飯器レシピや簡単な洋食を作ることに成功した。

 これなら問題ないだろうと判断して、天音はオベリオンの権能『妖精の道』を使って天ヶ崎家へ帰宅。

 携帯端末で事前に知らせたおかげで大歓迎を受け、豪勢な夕飯が用意された。

 護衛として守秘義務のため語れないが、聖帝学院での日常は話せた。

 ただ、学院の裏で起きた眞人との対立のことを天祢が把握していて少し慄いた。


 凪祇とは和解できた。眞人は頼りない同僚だが、少なくとも素質はある。

 一番の心労が片付いて、今後は良い関係を築けるはずだと少しだけ期待した。

 けれどその前に、花咲家が抱える問題を解決しなければならない。


「本日はよろしくお願いします、天音さん」


 予定の三十分前に連絡を受け取ったが、それより早く天斗の『千里眼』が未来を視た。

 のんびりする予定だった午前を返上し、桜華と珠那の協力で茶請けの用意を整えた。

 準備が整う頃に連絡が来て、いつもと違う装いに変わった。


「今日は一段と綺麗ですね」

「ありがとうございます。桜華と珠那が張り切ってしまって……」


 白を基調とした清楚なワンピースだが、よく見ると透け感のあるレース布と絹地の二重構造になっている。

 腰まで伸ばした色素の薄い直毛は、髪留めを使って三つ編みハーフアップに整えた。今年の卒業祝いで貰ったネックレスや、それに合わせた繊細なイヤーカフがよく似合う。

 化粧は苦手なので普段の美容液だけだが、普段より垢抜けて見える。


「では、庭に案内します。靴は履いた方がいいので」

「ああ、確かに……凪祇?」


 白いモカシンを履いて先導する天音。その姿を魂が抜けたような顔で見つめる凪祇。

 記録係から受け取った動画の中の凪祇を振り返り、伊緒理は察した。


「凪祇」

「……っ! 父さん?」

「もし天音さんを選ぶというのでしたら覚悟が必要ですよ」


 伊緒理の言葉にカッと顔を赤くする凪祇。だが、彼の真剣な表情は花咲家の当主としてではない重みを感じる。


「それはどういう……」

「今は当家の問題を片付けましょう。話はそれから」


 やんわりと拒まれたが、全てを片付けた後に聞いた方がいいのだとうと凪祇は気付く。

 改めて気を引き締め、天ヶ崎家の華やかな庭に踏み込んだ。


「最初に凪祇、霧島隊長。二人には大事な話があります」


 向き合った天音は、改まった態度で告げる。


「私は次期花咲家当主の護衛に就くにあたり、本来の異能を捏造しています」

「……何? じゃあ、本来は超越系じゃないってのか?」


 突然の捏造発言に眉を顰める霧島。護衛するために政府に提出する大切な異能の情報を捏造することは犯罪に値するのだから、剣呑になるのも当然の反応だ。

 しかし、そうではない。


「いえ、超越系です。創造型ではないというだけで」

「神威型か?」


 神威型なら、海外では少なくとも日本国内には一族単位で出現する。

 稀に一般家庭から生まれる事例もあるが、そちらは少数のみ。

 天ヶ崎家は特殊系複合型が生まれる血族。

 けれど天音は、その類に属さない。


「世界型です」

「……は? ま、待て。ちょっと待て。世界型? 世界記録には三人しか載っていないっていう……あの?」


 予想できるはずがない。人類史上で片手ほどしか発見されなかった世界型の異能者が天音だと言うのだから。


「世界型は本来守られるべき存在だと聞きます。希少な存在を保護という名目で収集する海外組織があるそうなので。もともと情報を秘匿していたのが幸いして、捏造が叶いました」

「秘匿……役所で異能を検証できなかったのか?」

「はい。最も優秀な心眼の魔眼型異能を持つ百目鬼先生でも文字化けするそうです」


 文字化けしたことにより異能の詳細を明かせず、不明のまま記録された。


「実の親に虐待されたのも、それが原因か?」

「……は? 虐待……?」


 天音の出自は陰惨なものだからこそ、凪祇に渡す情報の一部だけ隠されていた。

 それを初めて知った凪祇は衝撃を受けて、天音を凝視する。

 無理もない反応だが、天音は冷静に否定した。


「いえ。……あの人は結婚相手だった母を放って不倫していました。母の死に目にも、葬式にも顔を出さなかった。私が初めてあの人に会ったのは四歳の冬。再婚の知らせと、再婚後に私を引き取る相談をしに天ヶ崎家に来たときです。その頃からまともな育児はされず、私が聖人型異能者でないことを理由に暴力が加わって、虐待が悪化しました」


 淡々と出自を語る天音だが、その目には光は無く、感情を殺していた。

 どれだけ悪辣な環境にいたのか想像できなかった霧島は、実情を聞いて怒りが込み上げる。


「……四年前、だったな。児童虐待のニュースで聖人型異能者の夫婦が刑を受けたと。四歳の冬からってことは、七、八年か……? よく生きられたな」

「異能名の一部は分かっていたので、それをヒントに自力で発動しました。異能を発動できなければ、私は今頃生きてなかったでしょう」


 だろうな、と霧島は腸が煮えくり返る想いを抱えながら頷く。

 納得を得られて、ほっと天音は息を吐く。


「過去の記録は、天斗に追体験を頼めば見れます。ですが、それは後でお願いします」

「わかった」


 霧島に言ったつもりなのに、逸早く答えたのは凪祇だった。

 ギョッと目を見開く天音を見据える凪祇の横顔を見て、伊緒理は吐息をこぼす。


「すみません、天音さん。凪祇には疑似痛覚を設定しないでください。……僕や清香でさえ、軽く設定されても耐え切れませんでしたから」

「それはもちろんです。お父さんは完全再現版の後、トイレに籠りましたから」


 最初の面談後、明の希望通りに完全再現の追体験を施した。

 結果、繰り返される苦痛と怒りの感情に精神が狂い、何度も嘔吐した。桜華とアリエルの治療が無ければ花筐退魔局の総督に復帰できなかっただろう。

 後日に聞いた伊緒理は、それだけ天音が受けた虐待は酷いものだったのだと青ざめた。


「桜華、オベリオン」

「こちらに」


 天音の呼び声に気配なく出現した桜華とオベリオン。

 桜華は伊緒理の背中、オベリオンは霧島の腕に触れ、(まばた)きの間に忽然(こつぜん)と姿を消した。


「えっ?」

「私の異能の中に案内したの。これから凪祇も連れていくけど、きっと驚くと思う」


 二人がいた場所を何度も見る凪祇に右手を差し出す。

 女性らしく華奢な白い手を見て、戸惑いながらその手を取る。

 繊細な見た目なのに、思っていた以上に柔らかく、温かい。


「――【希望の箱庭】」


 天音が唱えた瞬間、景色が一変した。

 視界の端で、ごく淡い紅色の花びらが舞い、桔梗や銀色の葉が特徴のネモフィラが淡い光を放つ花畑。顔を上げれば、美しく澄んだ青空を背に聳える桜の巨木に目を奪われる。


「ここは……」

「私の異能【希望の箱庭】の神域。あの桜はこの世界の要であり核、世界樹『神桜』」


 急に天音の口調が変わった。

 改めて見れば、髪の毛が淡いプラチナブロンドに変わり、神々しい空気を纏っていた。

 超然とした雰囲気に呑まれた凪祇の表情から察して、天音は一呼吸で神気を抑える。


「ごめんね。神域では取り繕わないのに……」

「それだけ主様の神格が上がったということです」


 先に入場して、伊緒理と霧島に神域での活動許可を与えた桜華が言う。

 続いて凪祇の肩に手を置くと、体中に感じた重みが消えたことに凪祇は気付く。


「これで貴方も神域での行動が許されました。ただし、主様を傷つけるようなら――」

「もう二度とあんなことはしない」


 桜華の言葉を(さえぎ)り、凪祇は宣言する。


「今後は君達の主を……天音を傷つけないと約束する。絶対とは言い切れないけど……」


 些細なことで傷つくこともあるだろう。それでも天音を傷つけたくない意思は本物だ。

 確約できないと申し訳なく言えば、桜華は目を見開き、ふっと眦を下げた。


「この世に絶対はありません。それを理解しているのなら、これ以上は言いません」

「ありがとう。それと、今までずっとごめん」


 素直にこれまでの非を認めて低頭すると、桜華は「うふふっ」と軽やかに笑った。


「その成長ぶりに免じて謝罪を受け取りましょう。では、こちらへどうぞ」


 桜華を先頭に進んだ先は、蓮の花が凛と咲く灰色の池。

 丘を囲む蓮池に近づくにつれ、大きな円形の葉が道を作るように一列に並ぶ。

 凪祇は不思議な光景に目を見開き、隣で反応を見た天音はクスッと笑う。


「ここは神山の頂上。蓮池は、世界樹『神桜』を守る一種の結界なの。ここを通り抜けるには私達の許可がないといけないけど、許可があればこうして道を作ってくれる」


 証拠を披露するため、天音は先に蓮の葉へ足をつける。

 葉は浮き沈みせず、しっかりとした足場となって天音を支えた。

 三歩進んで振り返った天音が微笑み、凪祇は勇気を出して踏み出す。


「う、わぁ……すごいな、これ」


 蓮の葉が足場とは言え、水の上を歩いているのだ。

 不確かだが不安定感はなく、逆に言葉にできない不思議な感覚を持たせた。

 蓮池を渡りきると、蓮の葉は列を崩す。


「凪祇はそちらからでしたか」


 ほぅ、と吐息をこぼした時、伊緒理の声がかかった。


「父さん? 霧島も……丘の上からじゃなかったのか?」

「ええ。僕は神威型ですが劣化していますし、霧島は概念型。超越系以外は基本的に立ち入る資格がないと言われまして、神山の麓で資格を頂戴しました」


 神山の麓も神域内に入るので、霧島の身体に負担がかかった。それでも山頂よりは優しい。

 桜華から資格を貰い、オベリオンの権能『妖精の道』で山頂の屋敷に移動したのだ。


 なだらかな傾斜に建てられた屋敷は、麓にある屋敷より大きい。和風のようで要所には西洋風の意匠も取り込んだ、和洋折衷の外観。

 天皇家が住まう皇居と比べて半分程度の規模だが、美しさは引けを取らない。むしろ花咲家の本家に匹敵すると言っていい。


「すごく綺麗な屋敷だな」

「真幸が頑張ってくれたから」


『座敷童』でもあり『迷い家』でもある真幸の好みに反映された外観だが、天音も気に入るほど内装も美しい。


 伊緒理に続いて「お邪魔します」と告げて入り、室内履きに替えて向かった先は屋敷の最奥にある祭儀の間。

 春日大社のような朱塗りの回廊もそうだが、京都にある神社の儀式殿に匹敵する厳かな造りに圧倒される。

 ただし、儀式殿に使われる祭具どころか御神体すらない。


「主様」

「――ええ」


 桜華の一声に応じて、天音は上座へ向かう。

 神像が安置される上座へ踏み込んだ瞬間、清楚なワンピースから厳かな絹の衣装へ変わる。

 一瞬の出来事に息を呑む凪祇達へ向くと、超然とした空気を纏う表情に鳥肌が立つ。


 凛と背筋を伸ばして座ったところで、桜華が『神具召喚』で様々な祭具を整える。


「珠那」

「――こちらに」


 普段以上にめかし込んだ珠那が現れると、桜華が説明する。


「【希望の箱庭】の神は主様です。故にこうして、わたくしどもの力を高めてくださります。まずは珠那の『禊の舞』を受け、その後にわたくしの『破邪浄禊』を施します」

「……よろしくお願い致します」


 畏まった姿勢でお辞儀した伊緒理に続き、凪祇と霧島も頭を下げる。


「では、ご自由にお座りを。霧島隊長さんは対象外ですので、壁際へ」

「はい」


 無意識だった。伊緒理と接する以上に畏まった返事をしたのは。

 自分の変化に違和感を覚えながら霧島が下がり、凪祇と伊緒理が座る。


 そうして珠那は大幣と神楽鈴を出して床に置き、天音のいる上座へ恭しく平伏する。

 やがて祭壇の蝋燭に火が灯り、珠那は祭具を手にして神楽舞を行った。

 慎み深くも神々しい繊細な動きを披露するにつれ、凪祇と伊緒理は身体が軽くなっていく感覚を覚える。特に伊緒理は、体の芯に溜まった澱が浄化されていく感覚に気付く。


 花咲家の当主として魔核を消滅する責務は簡単だが、その際には少なからず瘴気に触れる。いくら『破邪』があっても、劣化版の異能では自分自身まで浄化しきれないのだ。

 だからこそ聖人型異能者の一族・御神楽家に依頼して、定期的に身を清めていた。

 珠那が行う『禊の舞』を受けるにつれ、それ以上の効果を感じた。


 シャン、最後の神楽鈴の音色が余韻を残し、珠那は上座へ深く礼をとる。

 珠那の視線で意を汲んだ桜華は場所を交代し、神楽鈴のついた錫杖を召喚。

 トンッと床を突くたびに神楽鈴が澄んだ音を奏で、桜色の光が凪祇と伊緒理を包む。

 優しい温もりにまどろみへ浸る。やがて光が消えても、二人は動かない。


「主様、お疲れ様でございます」


 桜華の労いの声に応じて、天音は上座から下りる。

 その気配に気付いた凪祇が顔を上げると、天音は最初の服装に戻っていた。


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