表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/85

【第一章】第二十一部分

静かさの理由は、至ってシンプルだった。2つの悪魔的なニラミが教室内の空気を急速冷凍したからである。

「二条院さん、魔獣だわ!「小暮さんは鬼だ!」

この直後、魔獣の湖線、鬼の光葉と渾名兼異名がふたりについていた。

 

3人の座席は教壇の真ん前で、センターが鰯司、左側に湖線、右側に光葉というシフトであったが、担任の理解の下、左右は毎日交代するというルールになっていた。

湖線は椅子の音を思いっきり立てて立ち上がった。意図的に大きな音を出して、回りの生徒を威嚇したのである。

「ワタクシが委員長に立候補しますわ。」

湖線は声高らかに宣言した。

光葉は沈黙を決めていた。

「エントリーはひとりだけですか。締め切りますよ。」

日が陰って、サングラスに自分の顔が映った。牙が生えていた。

「鬼になってる!」

『ガタッ!』

光葉も自席で立ち上がった。もちろん、現実の光葉には糸切り歯しか持っていない。

『キラッ。』再び太陽が教室に入ってきて、赤いメガネに光が差した。

「それではミスコンは2名ということでエントリー完了とします。」

担任は黙って黒板にふたりの名前を書いてから、教壇に戻った。

「それではミスコンを始めますので、教室を移動してください。」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「どこに行くの?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

再び生徒たちはざわついてきたが、とりあえず全員が担任のあとについていった。


「「「「「「「「「「「「「「「「「ここでミスコンをやるの?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

ほぼ全員が大きな声を出さざるを得なかった。まだ春先で肌寒い季節である。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「プールでミスコン!?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

再びクラスメイトたちはどよめくしかなかった。さらに、担任の発言に、クラスは色めきたつことになる。

「ミスコンは水着で行います。」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「えええ?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

驚愕する生徒たちに対して、担任は至って冷静であった。

「みなさん、ミスコンって言ったら、水着審査がメインではありませんか?」

「そりゃそうだね!」「やれやれ~!」「水着万歳!」

数人しかいない男子がヤンヤと喝采した。

『ジトっ。』

ヤンヤの歓声は無数のムスッとした女子視線により、瞬殺された。

 その始終、鰯司は当然の如く、ヤンヤ不参加であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ