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【第一章】第十二部分

結局、鰯司の部屋に集合することとなった。迎えた日曜日。

「昔ここに来たはずですけど、今にしてみれば、これはマッチ箱ですの?」

「鰯司のはマッチだよ。」

「いきなりひとんちのことをひどいよ。あれ?光葉さんの言い方はちょっと違うような?」

「べ、別に深い意味はないよ。鰯司のを見たのは小学校の低学年が最後だよ。」

「ツクシならワタクシも拝見したことがありますわ。」

「ふたりとも変な過去を暴露しないでよ!」

鰯司家の両親は共働きであり、合同勉強するには最適である。


写真立てに3人が並んでいた

「前は仲良く三人で遊んでましたわね。」

「こんなことがあったな。」

「いい思い出ですわ。」

 やはりふたりと鰯司では解釈が違った。

鰯司は『苦しかった。』、とは言えず、苦笑するだけだった。

「幼い頃にお医者さんゴッコをしましたですわね。」

「お医者さんゴッコかぁ。なつかしいなあ。」

ノスタルジックな気分で頬が緩むふたりに対して、鰯司は苦虫を噛みながら黙っていた。

お医者さんゴッコをする動機は一般的には遊びであるが、ふたりは病弱な鰯司のことを子供ながら案じていた。

「「鰯司のからだにどこか悪いところがあるのではないか。ついては、からだをよく調べてみないと。」」

その点で珍しく、ふたりは気が合った。

「からだを調べるということは解剖ですわ。」

「解剖するために服を脱がさないとね。」

「ひゃあ!」

鰯司は抵抗を見せるが、女の子の方が成長が早く、しかもふたりがかり。鰯司はなすすべがなかった。

「これは鰯司さんのためですのよ。じゅる。」

「わたしは鰯司のからだが弱いから心配なんだよ。たらり。」

「言葉とよだれが不一致だよ!」

「いやよ、いやよは、すきま風~。」

「意味がわからないよ!」

ふたりは鰯司を畳に押し倒して、お医者さんゴッコという凌辱プレイを開始した。


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