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私の名前は迷花だ!

 壁の中に案内された私は女性に質問された。

 事前に記憶喪失だって事は言っておいた。


 いくつかの質問が終わると女性は立ち上がる。


 「ちょっと待っててくださいね」


 そういって部屋を出ていった。ものすごく簡単な質問だった。

 家はどこなのか。なんで草原にいたのか、お金はあるのか等々。

 ほとんどがわかりません。覚えてませんしかいってない。本当にこれで良いのか…。私はこの警備の雑さに驚愕です。

 まぁ、今回はその雑さに助けられたけど……


 「お待たせしました。それでは、この水晶に手を置いてください」


 帰ってきた女性の手にはメロンサイズの水晶がある。

 手を置いてってことはただの水晶じゃないのかな?

 テーブルに置かれた水晶を女性の言う通りに手を置く。…特に何も起こらない。


 「それは今まで犯罪をしたことがあるか調べる事ができる魔道具です」


 なるほど。じゃあ、何も起こらないという事は大丈夫という事でいいのかな?


 「赤く光れば犯罪者。何も起こらなければ大丈夫ってことですね」


 うんうん。それなら大丈夫だ。なんたって生まれてこの方数十年。犯罪なんてした事ないからね。


 「えっと、それでこれが身分証になるんですが…名前を刻むようなんですよね」


 …あー、名前ね…名前。

 いや、覚えてないんだけど…。

 うーん。とりあえず、思い出すまで仮にの名前をつけないとだめだよね。


 ちょっと待っててください。と言ってから考える。

 ここは異世界だけど、私は日本人だし、日本っぽい名前がいいよね。

 それに、もしかしたらこの世界に同じ日本人がいるかもしれないし、私の名前が日本人名だったら接触してくれるかもしれない。

 さらに、私の名前の良し悪しは、私のネーミングセンスで決まる。


 ……あれ? これ結構責任重大では? ……落ち着け私。ただ、名前を決めるだけだ。

 ……この気持ちがあれか。…自分の子供に名前をつけるときの気持ちかな。


 名前…なまえ……なまえ……

 ……迷花…どうかな? 迷える花と書いて迷花。今の私にピッタリの名前じゃない?

 ……え? 迷えるはわかるけど、花は誰のことだって? ……ばかね。


 ……もちろん私の事に決まっているでしょう!!?


 「迷花にします!」


 私はそう高らかに叫んだ。





 「これが仮の身分証かあぁ」


 指で叩くとカンカンと音がなる。

 いや、こんなのただの板じゃん。

 しかもこれに私の名前カタカナでメイカって刻んであるだけだよ?

 仮とはいえよくこんなのが身分証になるね。


 …さて、今私がいるのは街の中の入り口の端の方にいる。

 さっきの女性が言うには、冒険者ギルドというものがあるらしく、そこでギルドカードを作りなさい、との事。

 一応ギルドカードを作るのは、15歳以上じゃないとダメらしいのだが、私はギリギリ15歳以上に見えなくはないとの事。

 そんなに私って子供だったのか。


 そういうわけで、冒険者ギルドという所に向かうつもりなんだけど、さてさて、どこに行けばいいのやら……

 

 道は、この場所から真っ直ぐだと、大通りかな? いろんなお店があったり、出店が出ていたり、人通りもいっぱいあって賑わっている。…流されそうだな、私が。


 左右にも道はあるけれど、民家とかそこらへんようなのかな。店も出店もない。人は歩ってはいるけれど、食材とか、何か変な道具とか持ってる人だけだし。


 仕方ない。真っ直ぐ行くしかないかな。


 人混みに流されたくはないので、極力端っこの方を歩く。

 うーん、店関係がやっぱり多いなぁ。少し民家もあるみたいだけど。


 「おっ、そこのお嬢ちゃん! どうだい? 串焼きとか? うまいぞー」


 「あーいえ、私お金持ってないんですよ」


 そう言いながら木のいた…じゃなかった、仮の身分証を見せる。


 「かぁー! なるほどな! それじゃ、お嬢ちゃん。もしお金手に入ったら、是非来てくれ。なぁに、損はさせないさ」


 「はい。その時はぜひ」


 出店のおっちゃんは私の仮の身分証を見て、すぐに今の状況を察したみたいだ。

 よかった。なんだそれ、とか言われたら、あの女性にグーパンの1つでもいれるところだった。

 というか、今気づいたけど名前聞いてないや。もし、次会ったら聞いておこうかな?


 そんなことを思いながら、少しずつ前に進む。


 だいたい、10分くらいは歩いただろうか。

 今私の目の前にはある1つの建物があった。

 入り口は、酒場みたいな感じの両開きの扉があって、その上には大きめの剣と…先端が妙に丸っこい棒? みたいな飾り物がある。

 入り口横には看板みたいな物がありそこに何か書かれている。


 えーと……ふっ……まだ私には早かったようだ。


 ……ごめん。読めない。


 言葉は分かるみたいだから文字もいけるでしょ。とか、普通に思ってた。

 ちょっとー、この世界に私を連れてきた人サービス悪いよー。そんなんじゃ嫌われちゃうよ。……無許可で連れてきた時点で嫌われてるか普通。


 冒険者っていうから、きっと冒険みたいな事をするチーム? 団体? だと思うけど、剣は冒険に必要不可欠だよねきっと。ほら、街の入り口にいた鎧のおじさんも腰に剣っぽいのさしてたし。


 あの丸っこい棒は何に使うんだろう? 支え棒的な? 

 …ぷっ、剣装備しながら支え棒使って歩くとかおもしろすぎ。


 というのは置いといて。

 剣の飾り物があるってことはここが冒険者ギルドという所かもしれない。

 間違ってたらもうどこにあるのか聞いてみよう。


 キィィ…と、扉を開けると音がなる。

 そして中に入ってみると驚きの光景が……!


 ……なにこれ。超怖い。


 めっちゃいろんな人が私を見ていた。

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