私<血
どよーん…
ふらふらとギルドに帰ってきた。
何故かって…?
貧血だよ。貧血。
噛み跡はすぐに消えてなくなったけど。
レイナちゃん吸いすぎじゃないですかね。
そして、さすが異世界。吸血鬼とかも普通にいるんだね。
日本じゃ架空の存在だったのに。
「メイカは何でもするって言った。それと、メイカの血、美味しかった。毎日お願い」
…なんだと?
この吸血鬼さらりとんでもないこと言い出したぞ。
毎日とか、私常時貧血女になっちゃうよ。
そんなんじゃ、外出れないよ。
……いや、待てよ。
私はレイナちゃんとパーティーを組む。貧血で私は動けない。仕方なくお留守番。レイナちゃんは外で稼いでくる。その間私は家で自堕落生活。だけど、レイナちゃんのせいで動けなくなってるからちゃんとお金は貰う。
…………あれこれ結構良くね?
…まぁ、通るわけないか。
「私はそれでもいいけど?」
レイナちゃんが首をかしげる。
「…もしかして声出してた?」
「うん」
おぉう。まじですか。
ていうか良いんかい。私もビックリだよ。
自分で考えたけど、さすがに私もそこまで自堕落女じゃないから、ずっと家の中ってのは却下かな。
私はインドアよりアウトドアなのだよ!
というわけで、断っておいた。
「残念」
残念がらないで。
「レイナさん。お疲れ様です」
ルミナの所に向かうと、レイナちゃんにだけ労いの言葉をかける。
あれれ? 私は?
おーい。
私もいるよー。
ルミナの前で手をブンブンと振ってみる。
「…はぁ、メイカはお帰り」
「嬉しいけど!? お疲れ様はないの!?」
「あなた、ついてっただけでしょ?」
ぐはぁ、良いこと言いますねルミナさん。
正解ですけども!
でも、私だって疲れたんだよ!
貧血で!
「はいこれ」
そんな私の事を2人は無視する。
……泣いてもいいですか。
「はい。ありがとうございます。 報酬はこちらですね」
ジャラジャラと、数十枚のお金がテーブルに置かれる。
そういえば昨日気にしてなかったけど、これっていわゆる金貨ってやつなのかな。
あれ倒すだけで、こんなに貰えるのか。少ないのか多いのか分からないけど、私から見たら羨ましい。
「メイカはこれね」
そう言って一枚の金貨を渡される。本当に貰えた。
「ありがとー。これでプラス1泊泊まれるよ」
でも、これだけだと宿代でみんな消えちゃうから、採取依頼見つけたら、積極的に受けないと。
「…何言ってるの?」
「…え?」
私が言うと、レイナちゃんが本当に意味がわからないような顔をした。
…もしかして、昨日貰ったやつとはお金の価値違うのこれ。
見た感じ一緒だけど。
「それはお小遣い。それとメイカは今日から私の家に住むから、宿はなし」
「あ、はい」
…いつのまにか同居することになっていたようです。
…はっ!? それじゃ服買えるじゃん。
やったぜ。
「レイナちゃん! 私服買いたい!」
「その前に、メイカ用の武器」
あ、はい。
「…ん? 武器なんて使ったことないけど」
「扱えるかはおいといて、せめて護身用に何かしらの持っておかないと、危険だから」
「なるほど。わかった」
レイナちゃんがそんなに私の身を案じてくれるなんて、いつのまにそんなに好感度上がったんだろう。嬉しいからいいけど。
「死んだら血吸えなくなっちゃう」
私じゃなくて、血の方かーい。




