第1章 03 ガラスの箱の中で
相手の男性は、自分の決めた昆虫のDNAを保存しているらしく、グラス・ウィング・バタフライという昆虫らしい。
捕まえた螳螂について他の旅人に聞いたところ、これにはオプションをつけるとよいと言うことだった。
それも黒い箱の機械はやることができるらしい。確か「生物共存」と言うオプションだが螳螂には必要ないはずだろうに……。
まあ、とにかく付けてみることにした。
「さて、そろそろ始めようか」
と言っても虫の形をした物体を動かすコントローラーを手に持つ。
「よーい、どん」
二つの虫の形を…もういいやムシで。そのムシをいっせいに放した。
放したのは大きいガラス製の箱の中。中ではこの場所の自然環境に似た草、花が咲いている。
ガラス何とかは、菊に似た大きい赤い花の花びらにとまっている。その下の葉に螳螂を動かした。
すると、ガラス蝶はひらひらと螳螂のいる葉に降りてきた。
「てふてふが飛んでくる…」
「お前さんそんなキャラでしたっけ…」
「ゲームを始めたら友達の始まりってどっかのくにの本の主人公が言ってました」
「はぁ…」
そんな話をしながらもじりじりと距離を詰める。
するとそのとき、ガラス蝶は空を飛んだのだった。いや、飛ぶのだけれど…
ただ、紫の鱗粉をまき散らしながら。
「見よ、この美しき飛び方を」
相手の男性は高々に行った。ノトが笑っていると気づかずに