朝。
電車の巡回をみる、この時間。
通学電車まではまだ時間があり、朝から暖かい日差しがさしている。
春には丁度いい心地で、いつもの青いベンチに腰掛ける。
なんでこんなに早く家を出たのか、自分でもわからないけど。
電車の巡回をみると、いっぱい...いろんな人がいるんだ。
それが面白くて、ついいつも早く【飛鳥駅】にたどり着いてしまう。
「飛鳥駅~ 飛鳥駅~ 」
アナウンスの声がきこえて、電車の扉が目の前で開いた。
泊りがけの仕事から帰ったのか、疲れ切った顔をしてるOLさんとか...。
太い首をハンカチでぬぐって今から仕事に出るサラリーマン。
それに、私立校に通っているのか慣れたように電車から出てきた小学生。
キャーキャー言いながら降りてきた、今から遊園地か何か行くのか、楽しそうな女子大生。
毎回違う人が、
毎回同じ人が とかそんなんじゃなくて。
単に、一人ひとりの〔個性〕ってものをみるのがあたし好きなんだと思う。
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電車から降りた。
去年買ったスマホの画面を開くと、熊の待ち受けの上に 8:23 と書かれている。
学校につくべき時間は 9:00~9:30 だし。
時間は余裕。 あたしの通う高校は飛鳥駅から3駅乗り継いで降りた 【安土駅】から徒歩20分。
なにかしようと思っても、カフェにいくほどの時間はないし
この駅は古いから店が少なくて買い物もできない。
門開きは運動部の朝練で開いてるはずだから、
入ることはできるけど生憎....本というあたしの味方を忘れた。
仕方ない、あいつに頼るしかない。
そう思った末、あたしはスマホを取り出し可愛い熊の待ち受けをスライドして
連絡先のアプリを立ち上げる。
《富永 章》
そう書かれたところをタップして、電話。
章はすぐに電話は出る人、暇人、そしてあたしの...幼馴染でありお隣さんである。
「もしもし? 玲奈か」
いつも通りの声だ。
暇だし、章と話をしていると楽しい。だから、暇なときは章に迷わず連絡をとる。
同じ学校ではないけど、飛鳥まんしょん の住人であるあたしと章は
回覧板で知り合い、お互い一人暮らしで親近感とかそんなんで出会ったんだけど、
幼いときから知っていた相手_
そう知ったのはつい最近。 だから 幼馴染 っていうのはなんか変な感じなんだ。
「章?..暇」
この一言から、あたしたちの会話ははじまるんだ、そう思ってた。
「ごめん、そんな用かよ? 今いそが,,,しい」
後ろで女の人の声がする、デート中か。
謝るのが章だ。こんな時でもいつも電話だけは出るんだからさ。
「ううん、こっちもごめん。 ばいばい」
仕方ない、章でも駄目か。
あたしには友達はいるけど、その友達は来るのが遅い。
学校に家が近いから って言って、ぎりぎりで登校するから
朝話す相手がいない。
スマホを鞄にしまって、
とりあえず 徒歩20分 という距離をゆっくり歩くことにした。




