終わりなき戦い(彼女は近未来?)
僕たちは今
青柳通りに来ていた
「何でも昔柳の幽霊に青柳と言う女がいて
ここで柳を使ったデザートを作って大繁盛させたらしい」
そんな雑学を
「フ~~ン」と鼻で受け流すイイナを無視して僕はすたすたと歩くが
所詮運動不足である すぐに追いつかれ
気が付くと道端の雑貨屋に数十メートルの差を作り入っていく
そこが例の三千円なのになぜが少ない、の店だろうか
僕は小走りに当たりの眼を気にしながら走る
ようやく店の前に来た時には奴は店を出て来ていた
どうやら何か気になったものがあるらしく
ほんの二、三十秒で買い物を済ませ
その店の不陰気をそのまま受け継いだような
アジアンテイストなおかしな絵柄の袋を片手に握り
なにつったてんだ みたいな目線を向けてすたすた又歩き出す
まったく天然キャラではない 天災キャラであった
コイツは人のことを考えない
だからこそ俺のようなもんにかまっていられるのだろう
仕方なく後を追う
それはまったくもって最新式もくそもなく
ただの手動だった
手渡し 手作業 手作り 無能
露店のある裏路地に黄色い線が人型に張り付けてあり
よほどセンスのいいガキがやったのではないとするならば
たぶん事件現場か何かだろう、そんなことを思っていると、
「何かじゃないよ、事件現場だよ!てへ」
と人の心を見透かしたようなことを言う
怖い 目の奥が一瞬闇に見えた
あれ、見間違い 僕は目をこするがその横で
「先月常連の私がここで深夜彼女にアクセサリーを恫喝、、ではなく購入していた時に聞いたのですが」そこで声色を変え、どうやらその露店の店の人のようだが
「スイマセンスイマセン許してください
「あ―――なに言ってんだショバダイもはらわねーーで
「スイマセンでも先日もあんたみたいなやつに金とられたんです
「どう言うこった
「実は一つ三万円のヤクを
そこで僕は言葉を遮った
「ちょちょっと待ってくれ、お前の家普通の一般家庭だよな」
何度とはいかないが隣にいたコイツの面倒を小さいときにはよくしたものだが
少なくともそういう家ではなかった気がするが
「ううん、違うよ」
「そっそうだよな普通の家だよな」
僕はきずかない
それが脳内に対しての答えだと
「じゃあ続けるよ」
「ああ」僕は冷や汗をぬぐいながら答えた
「実は三万円のヤクを 三十個宝石に入れてた状態で売ったんだが
なぜか十個分のヤクの金がなくなっていたらしい
「それは単純に、そいつが騙されただけだろって
何でお前がそんなこと知ってんだ 第一どこがハイテクな機械なんだ
うそだよな」
俺はまくしたてた
たぶん俺に突っ込みの才能はない
そんなことを考えながら彼女を見ると
壁によっかかりながら、僕を見返し
「だーかーらーそいつロボットだから」さもありなんという
はたして僕が引きこもっている間に何が起こったのだろう
幼馴染が地回りになり 路地裏時はロボットが薬物を売る時代
果たしてこれは信じてはいけない釣りなのだろうか
「嘘じゃないよ、ほら」
彼女は自らの腕を外すとちぎれる腕の中から青い近代的な光が暗い路地に漏れる
「なっなんなんだよ」
僕は目を覚ます
何て夢落ちにはならず
彼女は腕を元に戻すとちぎれた裂けた皮膚がつながり戻ってくる
「きっきも」
振り返ると近所の小学生みたいな少年が走りながら逃げていく
僕は必死で追いかけようとした彼女の腕を握る
残念ながら腕はちぎれない いやきたいはしていない 怖がりな僕の予防線
「ちょちょとはなしてよ」
彼女は表情さえ変えず動かず手を掴まれたまま動かない
はたから見れば手をつないでいるような考えがぼくには見えた
急いで手をはなす
「チッ」なぜか舌打ちをされた
逃げようこんなわけのわからない人間とはかかわりたくない
何か起こってからでは遅いのだ
きっと新聞に奴が載せられたとき
僕はその幼馴染として迫害の眼を世間から浴び
ついにはアマゾンのジャングルに引きこもらなければならなくなるに決まっている
いやきまっていたのだ
僕ははや風のごとくはしる
その走りは商店街の失笑を買っていることを僕は無視して走った
きっとよほどひどい走り方を酷い格好でひどい格好でひどい顔で、、、、、、
やっと家について鍵を開けて事務所に入ると
そこには人がいた
一人はイイナであり
もう一人は見知らぬ警察部部長であった