あの世はこの夜
いい加減にひっとらー獲て×3 ウジウジ悩む~~~う ♪~
詩化場寝朗は考えていた
そろそろ本気を出さないとまずいな
と言うのも、刑事課の部長になって三年、これといった成果も出せていない
「そろそろ」
そう言って、男は三十年ぶりに、立ち上がった
実に三十年ぶりに本気であった
詩化場 念太朗の孫 詩化場 寝太朗
あの世輪他は考えていた
本当に自分の人生は正解なのか
部屋の片隅で愛用の毛布(黒塗り)
に包まれながら考えていた
それを見ながら16、8の少女がその
部屋の奥でブツブツブツクサ言っている物体を見て
「はあ~~~」
とため息をついた
彼女は彼の幼馴染で
好々加言々名と言って
引きこもりのような学校生活をしている彼を
登校日数ギリギリになると
彼の親に言われて強制的に連れて行くが
しかしよほど暇なのかちょくちょく遊びに来る
それも言い方によれば確実にいじめに来る
嫌がらせだ
一人思想にふけっているのに
食い物を突き出して来て
拒否した瞬間、無理やり口に突っ込み
考えを木っ端みじんにした
あるときは大事な仕事で書類を見ていた時など
邪魔されたくないから、事前に来るなメールを出して
玄関の鍵も最新式の一万二千円くらいするものに変え
意気込みながら考えていたところ
奴は来た
事務所の玄関から騒音のイケイケポップな曲を鳴らしながら
僕の集中を破壊し
結局近くの公園に移動した
こちらの方があそこより数百倍空気がいい
基本僕は好きで引きこもっているわけではない
人が嫌いなのだ
それだけ
それを奴は邪魔しにくる
悪魔も同然である
そしていい感じにまとまりきったころ
奴は来る
騒音のラジオを肩に乗せ
ママと子供を蹴散らしながら
奴は僕に近ずく
もうきっと僕はこの公園に入ることはできないだろう
奴はそういうやつである
地道に周りから僕の行動を制限する
恐ろしいやつだ
好々加 言々名 好々加 減太朗の娘
あの世輪他 あの世輪太郎の親戚