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悪の組織の求人広告  作者: Q7/喜友名トト
米国進出編~スリップノット/ソニックユース~
53/106

それでも君は、その階段を登るかい?

思ったより早く書けました。締め切り前倒しです

※※

 スリップノットのコスチュームを着たマーク・ゴードンの遺体を高々と掲げ、カメラにもしっかり映されたのを確認した寧人はマークをハドソン川に投げ捨てた。


 そしてすぐに変身を解き、通信機のスイッチを入れる。


 「新名、もう潜水艇に入っているか? 今マーク・ゴードンの遺体を川に投げ捨てた。至急回収して逃走しろ。死体は保存用のカプセルに入れるのを忘れるな」


 (りょーかいっす。さすが、先輩。俺、ちょっとびびりましたよ。どうみてもありゃ悪魔ですよ悪魔)


 新名はすばやく対応してくれた。マークの遺体はこれから利用する予定がある。死亡推定時刻もずらさなければいけない。だが、新名なら問題なくクリアしてくれるだろう。


 「なるほど。そういう手かい?」


 振り返るとソニックユースのプロテクターを装備したスリップノットが軽口を聞いてくる。


 「ああ、そうだ。わかったらお前はさっさと行け。間違ってもクリムゾンに捕えられるなよ」


 「ジョーダンだろ? あんたのおかげで包囲網が薄いところも、逃走ルートもわかってる。つかまるわけないじゃん」


 寧人は事前にクリムゾンの他の幹部に依頼して、この橋を包囲させている。不測の事態への備えのためだ。だが、スリップノットなら抜けきることが出来るだろう。


 「んじゃ、俺もう行くわ。バーイ」


 スリップノットはソニックローラーを起動させ、逃走を開始した。ソニックユースほどの巧みさはもちろんないが、直進して逃げることくらいなら出来るだろう。


 それを見送った寧人は再び通信機を手にして叫んだ。


 「ソニックユースが逃げた……。すまないが俺はスリップノットを倒したときのダメージで追うことができない!! だがこちらも備えてはいたはずだ。かならず捕えろ!! いいな必ずだ!!」


 

 寧人の一声で配置されていたクリムゾンの構成員たちや幹部は一斉に動き出す。


 だが、寧人にはわかっている。彼らに『ソニックユース』を捕えることは出来ない。事前にもっとも警戒の弱い逃走ルートを確認し、スリップノットに伝えている。そして、あの『ソニックユース』は中身はスリップノットだ。立ちふさがる者がいれば容赦なく殺してどかすだろう。


 「……俺の、勝ちだ」


 寧人は自ら川に飛び込み、逃走することにした。


 メタリカからの出向者小森 寧人は、クリムゾンの危機に際して命を張って戦い、2トップロックスの一人『スリップノット』を奇跡的に倒した。その際、『ソニックユース』は状況を不利とみて逃走、他の幹部たちは寧人が想定していた事態として包囲網を提言していたにも関わらず、その逃走を許してしまう。


 これが、表向きの筋書きだった。


 寧人は新名の助けを受けて、脱出に成功。安全圏まで離脱した。その後、医療施設で治療を受けて、帰宅。クリムゾンにとって大変な事態が起きている最中だが、すでに大仕事をやり遂げた身であり、またダメージもあることから『ソニックユース』捕獲作戦には加わっていなかった。



 自宅であるペントハウスに戻り、寧人は連絡を待った。もうすぐ全てのカタがつく。


 前かがみにソファに腰掛け、腕を組んで、無言のままときを過ごす。


 外は雨が降っていて、窓から雨音だけが聞こえる。


 待つこと1時間。連絡は来た。


 内容は聞くまでもない。『ソニックユースを取り逃がした』 想定通りだった。


 問題ない。これでいい。今ごろ『ソニックユース』が、いやスリップノットがいる場所もわかっている。


 とても眠れそうもない。だからといって酒を飲んだりするような気分ではない。寧人はそのままじっと、ソファに腰掛けていた。


 さらに時が過ぎた。まったく眠くはならなかった。体中ボロボロで疲労は大変なものだったが、ベッドにはいる気がしなかった。

 

 そのときだった。寧人の通信端末に着信があった。足のつかない特殊なそれは、普段使っているものとは違う。たった一人の相手との通信のみに使っていたものだ。


 「……きたか」


 この端末に通信を送ってくる相手は一人しかいない。スリップノットだ。


 「……はい」


 寧人は音声通話を開始した。おそらく、完了の報告なのだろう、そう思っていた。しかし、通話の声は意外なものだった。


 「やあ、ネイト。ひさしぶりだね」


 「……! ミスター…ビッグ…」


 通話の相手はクリムゾンの長にして、アニスの父親。策謀を用いて屠ろうとした相手。本当にひさしぶりだった。最後に彼の声を聞いたのは、寧人が最初にスリップノットと戦ったあと、入院していたときだ。


 寧人はあのときのことを思い返した。


 ※※


 「ミスタービッグ。申し訳ありませんが、俺と一緒に来てもらいます」


 ミスタービッグが二度目に見舞いに来てくれたとき、寧人は行動を開始していた。



 準備はしてあった。あの夜、寧人はスリップノットと通じていた。スリップノットの目的は、幹部の一部とビッグを殺すこと。それなら策は成り立つ。


 『スリップノット、お前の力をもってしてもミスタービッグを殺すのは難しいだろう?』


 ビッグは、つねに襲撃者にたいして万全の備えをしており、そもそも住居などの素性も簡単にはたどれないようになっている。だからスリップノットはクリムゾンを次々と処刑し、その間際にビッグの情報を聞きだそうとしていた。


 『俺が、殺害を助けてやる。やつを捕えて監禁してお前に場所を知らせる。俺にならそれができる』


 ビッグは隙のない人物だが、寧人に自分を倒す意志があることは知っていても、殺すとは思っていないはずだ。個人的にコンタクトをとることもできる。改造人間の自分なら、誰にも知られず連れ去ることができる。もちろん、クリムゾンの力があれば、いずれは監禁が知られることになるが短期間ならなんとかなる。


 『交換条件だ。俺はビッグを監禁して、お前に殺させてやる。お前はソニックユースと共闘しろ。そして隙をみつけてヤツを殺せ。もちろんまずはお前が行動しろ。それを確認してからしか、俺も行動しない』


 単純にミスタービッグを倒せば、クリムゾンにとっては反逆者であり、倒すべき敵となってしまう。そうなればビッグの言うように俺は虫のように殺される。ではどうすればいいのか?


 簡単だ。他の者のせいにしてしまえばいい。


 『お前にデメリットはない。俺が嘘をつく意味もな。お前にならそれがわかるはずだ』


 二人は目的の一致を認識し、そして手を組んだ。


 寧人はニュースでソニックユースとスリップノットが共闘を始めたことを確認すると、次に見舞いにきたビッグに接触した。


 邪魔になりそうな相手には『いなくなってもらった』 そもそも一人で見舞いに来たのが彼の間違いだった。


 俺と一緒に来てもらいます。そう伝えたとき、ビッグはいくつかの質問をしてきた。


 『嫌だ。と言ったら?』


 『……力づくでも、ということになってしまいます』


 病院の廊下で、二人は静かに話していた。まるで世間話でもするように。


 『なるほど。それは私を倒した上で、君は組織の敵にならず、かつクリムゾンを掌握する方法がある、とういことかい?』


 『……ええ。油断しましたね。あなたらしくない』


 ビッグは寧人が自分を倒せる状況にない、と思っている。しかしそれは変えることができるのだ。高い判断力を持っている彼とは思えない失策だった。


 『油断? 違うよ。君がそこまでの人物なら、それはそれで仕方がない。そういうことさ』

 

 『……それは、どういう意味ですか? あなたは、戦うのを諦めた、ということですか?』


 ビッグは寧人の問いかけにゆっくりと首を振った。


 『違うよ。私は君に前に言ったね。非道なことを散々してきた。だから覚悟は出来ている。どうせ倒すものが現われるなら、それは君であるのが一番いい』


 寧人には意味がわからなかった。


 『何故? あなたなら俺がこうするかもしれない、ということくらいはわかったはずです』


 『君が、そのまま歩いていくのなら、いつかわかるときがくるよ。いや、こないのならそのほうがいいがね』


 こうして、ビッグは寧人に監禁された。


 ※※


 そのビッグは今、監禁していた場所にやってきたスリップノットに処刑される直前のはずだった。そんな彼から通信が来ていた。


 寧人は予想外のことに、心が乱れた。


 対照的にビッグは穏やかな口調だった。


 「うん。スリップノットに頼んでね。使わせてもらっている。ああ、彼の正体がわかったよ。古い……知り合いだった。彼になら、殺されても仕方がない。ただ、最期の頼みを聞いてもらうくらいの仲ではあったものでね。今彼は私の目の前で銃を突きつけているよ」


 ミスタービッグはこれから間もなく死ぬ。これは動かせない事実だ。だが、彼の声からは恐怖が感じられない。どこか達観しているような、そんな響きだった。


 「ネイト。まずはお礼を言わせてくれ。君が用意したこの監禁場所はとても快適だったよ。葉巻も酒も、なんでもある。君の敬意を感じたよ」


 この状況でお礼を言うなんて、並みの人間ができることではない。寧人は通信機を握り締める手が汗ばむのを感じた。


 「……あなたは、死ぬのが怖くないのですか?」


 寧人は思わず口に出してしまい、そして後悔した。そんなことを聞く資格が自分にあるはずもない。


 「まさか。怖いよ。死ぬのは怖い。もちろん、君を恨む気持ちもないではない。でも。……そうだな。私はすこし疲れていたんだと思うよ。悪であることに、ね」


 通信から聞こえるビッグの音声は震えても、おびえてもいないようだった。ただ、すこしだけさびしげだった。



 「私は、ここまでやってきたことに後悔はない。それは覚悟があったからだ」


 「……俺も、です」 


 同じだ。その部分は寧人と同じだ。


 「こういう言葉を知っているかいネイト。悪は必ず滅びる」


 知っている。よく聞く言葉だ。悪の栄えたためしはない。悪は滅びる。


 「はい。……でも同じように、勝った者が正義だ、という言葉もあります」


 寧人は答えた。『勝った者が正義』という言葉が真実なら、『悪は滅びる』というのは当たり前のことだ。


 「はははっ。馬鹿を言いたまえ。君はそんな言葉、信じていないだろう。もちろん私もそうだ」


 ビッグはそんな寧人の言葉を笑い飛ばした。だが、彼の言うとおりだ。勝った者が正義、負けたから悪。それはある面では真実かもしれない。でも寧人の考えは、寧人の定義する悪は違う。悪は悪だ。それは勝とうが負けようが関係ない。悪とは、そういうことではない。もっと根本的なことだ。


 「いやすまない。話を戻そう。悪は滅びる。私はこれは事実だと思うよ。今のところ、ね」


 ビッグの言葉を図りかねた。負けたから悪、勝ったから正義、そういうこととは違うレベルの話で、悪は滅びる。ビッグはそう言っている。


 「……どういう、意味でしょうか?」


 「簡単だよ。悪はね。世界に認められない。だから進むのは茨の道だ。必ず磨耗していく。そして正義の手によって、あるいはさらに強い悪によって、倒される。今の私のように。だからだろうね。過去の征服者たちが、正義を名乗ったのは」


 ビッグの言葉は重かった。痛いほどに寧人に伝わってきた。茨の道を行き、磨耗していく。寧人にもわかっている。痛いほどよく、わかっている。


 ビッグは寧人の何倍もの期間を悪として戦い続けてきた男だ。なおさらだろう。


 過去の征服者、たとえば歴史の教科書に乗っているような人物は違う。そういう時代には価値観が多様であったり、あるいは民族や宗教の差によって異なる正義があったりしたのだろう。だから彼らは全面的な『悪』とはされない。


 だけど、今は違う。22世紀の現在。世界にはほぼ共通の理念と価値観がある。それに反するのは明確な『悪』だ。


 そして教科書の征服者たち、正義を名乗った者たちでさえも、歴史上誰一人として、この世界の全てを征した者はいない。悪であるならなおさらだ。


 「……わかります」


 寧人はソファから立ち上がり、搾り出すように答えた。


 「いいかいネイト。今君が登っているその階段は、過去に誰一人として登りきった者のいないものだ。誰一人として、最後まで負けなかった者はいない」


 今、わかった。ビッグは教えてくれようとしている。きっと彼が一生をかけて掴んだことを、悪というものについての見解を。



 自分を倒した男にむけて、ビッグは伝えてくれてる。



 泣くな。泣いてはいけない。一粒の涙も流すわけにはいかない。


 「それでも、君は、その階段を登るかい?」


 ビッグが言っているのは、寧人の戦い方のことだけじゃない。

 世界を変えるという思いを、そして変えたい世界のあり方も、きっとわかっている。

 彼が述べているのはすべてをこめた問いかけだ。

 

 寧人はわきあがる様々な感情を押し殺した。必死だった。すこし時間がたったが、ビッグは寧人の答えを待ってくれた。


 ビッグの言うとおりだ、うすうす気付いてはいた。この道が険しいことを。

 走ってきた。ずっと走ってきた。多くのものを壊し、多くの人を傷つけ。走ってきた。


 答えは決まっている。おりるわけにはいかない。


 寧人は答えた。強く答えた。


 「はい。俺は、負けません。最後まで走りきってみせます」


 ビッグが小さく笑ったのがわかった、どこか、満足気だった。


 「ふっ。そうか。なら、私が倒されるのも仕方ないな。ああ、一つだけ頼みがある」


 間もなく逝く男は、穏やかな口調だった。


 「俺に出来ることなら、なんでもします」


 寧人も答えた。感情は抑えた。


 「アニスには、君が私を倒したことは黙っていてくれないか?」


 意外な言葉だった。


 「ですが、それは……」


 これだけのことをしておいて、あの少女の好意をこれからも受けられるはずがない。寧人は戦いが終わったらすべてを話し、そしてどんな罰でも受け入れるつもりでいた。


 「娘を頼む、とまではいわないよ。君には目指すものがあるし、もしかしたら他に好きな娘でもいるのかも、と睨んでいるからね。ただ、可愛い娘の初恋を、残酷な結末から守ってやりたい。それだけさ。苦しみは君が背負うべきだ。そうだろう?」


 ビッグの口調は茶目っ気に満ちていたが、内容は厳しい言葉だった。


 本当はわかっていた。罪をアニスに告白するのは自分が楽になりたいからだ。父を失い、恋した男を失う彼女の気持ちを考えるなら、ビッグの言っていることのほうが正しい。そしてそうすることは、告白するよりもずっとずっと辛いことだ。


 「………わかりました。彼女がすべてを受け止められるときがくるまで、黙っています」


 ビッグは寧人の言葉をきいて、また、わらった。


 「ありがとうネイト。じゃあ、これで」


 最後の会話になるのがわかった。寧人は震えそうな声を律して、笑って答えた。


 「はい。メロン、旨かったです。ありがとう、ござい、ました」


 言い終わると、通信機からはローラー音と銃声が聞こえた。それを最後に、通信は途絶えた。


 終わった。

 終わった。


 あの人は死んだ。


 


 寧人は通信機を置くと、バルコニーに出た。外は雨だ。だからこそ出た。


 しとどに降り注ぐ雨が、寧人をぬらす。頭も、体も、そして顔も瞳も、雨が伝わる。


 だから、もし、今誰かが自分を見たとしても、きっと、誰にも、気付かれない。

 だから、寧人は雨のなか、ずっとそこにいた。



 ※※

 翌日、クリムゾンのトップであるミスタービッグは遺体で発見された。遺体の首筋には傷があり、その傷口はソニックローラーによるものであることが判明。


 有識者は以下のような結論をつけた。


 クリムゾンの怪人と戦い仲間のスリップノットを倒されたソニックユースは行方をくらませていたビッグを探し出し殺害した。結果として、スリップノットとクリムゾンは相打ちともいえる結果になった。



 ※※

 ビッグがソニックユースに殺されたことはクリムゾンを揺るがせた。

 監禁を行っていたのは2トップロックスに間違いはない、と判断された。


 ビッグ亡き後、幹部たちは混乱した、カリスマのある強力なトップが死んだのだから当たり前だ。それも自分たちの失策で取り逃がしたソニックユースの手によるものであることも明らかで、ファミリーの意識が強いクリムゾンのものたちのなかには自責の念にかられるものもいた。


 裏社会を牛耳り、全米にその名を轟かせていたクリムゾンの弱体化は必至に思われた。他の組織が攻勢にでることも考えられた。このままでは瓦解すらも懸念されるなか、幹部たちは行動を起こすのに迷いがあった。トップが有能すぎたことによる弊害だったのだろう。


 その混乱のなか、一人の男が立ち上がった。昨日には命をかけて大金星をあげた彼は戦いの傷跡が残るボロボロの体で、幹部たちを叱咤した。


 仇を取るんだ。それがファミリーの掟だ。

 俺はビッグの信頼に応えたい。応えなくてはならない。

 いいのか? クリムゾンはボスをやられて引き下がる組織なのか? 

 裏社会での力を失うぞ。


 今こそ立て、立って戦え。ビッグが築いたこのクリムゾンを守るのは俺たちしかいない。たとえ形が変わったとしても、絶対に潰させはしない。それがビッグへの弔いだ。 


 組織では新参である男が統率をとることに違和感を覚えるものもいた。しかし男は命をかけてソニックユースを倒し、仇を取る、それが出来なければ腹を切り、ビッグの供をするとまで宣言した。


 クリムゾンは男に賭けた。


 男は指揮を執りつつ、自らも出陣、独自の情報網で行方不明だったソニックユースの居場所を掴み、そして即日、ソニックユースであった英雄、マーク・ゴードンの遺体を持ち帰った。


 宣言通り、仇の首級をあげた男の功績に、もはや誰も異を唱えなかった。


 この一件があり、クリムゾンの実質的な統率者は、その男となった。


 なぜなら、その男は、2トップを倒すほど強く、ビッグの忘れ形見である愛娘と親しく、そして協力関係にある大組織メタリカとのパイプを太くするのにふさわしい人物だったからだ。


 彼はビッグ亡き後のクリムゾンにとって欠かせない存在だった。


 この流れを不信に思うものもあるいはいたのかもしれない。だが、これが計画的に行われたことだとしたら、そのほうが恐ろしいことで、現在トップにいる男は、悪魔のような強さと狡猾さを兼ね備えた魔人ということになる。誰も逆らえはしなかったのだろう。


 弱体化が懸念されるクリムゾンを建て直すためにはこれ以上の人物はいなかった。


 ビッグが残したクリムゾンはより強くなるために、メタリカとのつながりを深くし、実質的には吸収される形となった。クリムゾンのトップがメタリカの者になったことを考えると、必然的なことだった。


 こうして、世界的な悪の大組織、クリムゾンはメタリカの、さらにいえばメタリカの一員である男に掌握され、そしてより強くなった。


 その男の名は小森 寧人。

これで米国進出は終わりですが、スリップノットとアニスの反応は次になりました。すいません


次の章は

組織頂点編~シンプル・プラン~

です。


日本では大変なことが起こる直前です

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