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いつかの約束

次の日鏡を見ると目が腫れていた。昨日のことが頭から離れない。仕事をしてる時もどこか上の空だった。いつもの帰り道も何故か暗く感じていた。トボトボと歩いていると公園の入口で座っている人がいた。よく見るとあの人だった。私は気付かないふりをしてその場所を通り過ぎようとした…「待って!」彼が私を呼び止めた。私は無視をしてその場から離れようとした。すると彼が私の腕を掴んだ「待ってお願いだから…」彼の声は少し震えていた。掴んだ腕が痛い…「痛いよ…」「あっ!ごめん…」彼は掴んだ腕を離した。「話したいんだ…」「話したくない…」「聞いてくれるだけでいいから…」彼の少し悲しそうな顔を見ると断れなかった。私達は公園のベンチに座った。風が少し冷たい。「このまえはごめん…からかうとかそんなんじゃないから信じてほしいんだ。」「わからない…」「え?」「信じていいのか…」彼はまっすぐ前を向いて「約束したから会いにきたんだ。探すの大変だった。あの雨の日君が僕を見つけてくれたから、会いに来れたんだ。」意味がわからない…「人違いじゃない?」「違うよ君だ!前に会った時も幸せそうに星を見上げて笑っていた。」いつの話?私は彼に前に会ってるの?「君と約束した…また会いに行くって。君が星を見上げて笑ってくれたら。しばらく君は星を見てくれなかった。いつも悲しそうな顔をしてた。僕は君の笑顔が大好きだったんだ。みんな大好きだった。君が悲しそうな顔になってからみんな元気がなくなった…だから僕はここにきたんだ。」「待って…話が全然わからない…」約束?みんなって?私はしばらく考えこんだ。ふと小さい頃のことを思い出した。「けんちゃんはどこからきたの?」「ボクは星の世界からきたんだよ。」「星の世界?」「うん。とてもいいとこだよ。」「私も行ける?行けるなら行きたい!でもパパやママと離れたくない…」「じゃあ大きくなったら行こうよ!ボク会いに来るよ。その時一緒に行こ!」「約束だよ。でもどやってけんちゃんに会えるの?」「星に願ってくれたら会いに来るよ!いつもみたいに見上げてね!」小さい時親が仕事してて帰って来るのが遅くて、いつも幼稚園で暗くなるまで遊んでた。友達もいなくて…一番星が出た時私は空に向かって話かけていた。そんなある日幼稚園の入口に男の子が立っていた「一緒に遊ぼう!」私はその男の子と遊んだ。いつもは寂しいのにその日は寂しくなかった。何日か遊んだ時私はその幼稚園から転校するのが決まった。そのことをつげると「きっとまた会えるから!」笑顔で男の子は言った。けんちゃん…私は気がつくと泣いていた。すごく大事な思い出だった。それなのに大人になった私はすべて忘れていた。「けんちゃんなの?」私はしぼりとるように聞いた。「うん。そうだよ。ずっと待ってたんだ。君が僕を呼んでくれるの。君はまったく呼んでくれなかった。だから我慢出来なくて君の近くにきたんだ。何度も君をみたのに君は気付いてくれなかった。あの雨の日君が僕を見つけてくれて嬉しかった…」けんちゃんは私の方を見た。「小さい頃の君はほんとに幸せそうだった。今は…」「小さい頃とは違う…私は変わったの。幸せなんてもういらないから。」私は目をふせた。「嘘だよ…だってあんなに怒ったじゃないか。」「あれは…」「明後日、時間とれるなら会いたい…」「明後日は仕事だから…」「君と会ったあの駅で待ってるよ。君が来るまで待ってる。日付が変わっても君が来なかったら僕は君の前から姿を消すよ。君が少しでも幸せになりたいなら来てほしい…待ってるから…。」彼はそういうと公園から出て行った。私はしばらく公園のベンチから離れることが出来なかった。

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