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音の先

「何··今の音······?」

「分からねぇ。だが音がした方向からして、良いことでは無いのは確かだ。行くぞ佐斗葉さとば!」

「うん!」


ぼく達はそれぞれ持ち武器を構えながら音のした方へと走り出す。


ぼくは片刃剣を、祐葉ゆうばは二丁のサバイバルナイフを持ち、現場へと急ぐ。

正直言えば怖い····。この先に何が待っているか分からない。


「(怖い怖い怖い怖い怖い······でも耐えなきゃ····気持ちを押し殺せ······。)」

ぼくはすくみそうな足を何とか堪え、一歩一歩踏みしめながら歩いた。


ぼく達は4人のパーティーで行動しているが、先ほどまで夕飯の食料調達のために二手に分かれ、山で狩猟をしている最中だった。

そしてもう一方の班から食料調達完了の狼煙のろしが上がっていたので、そこへ向かう最中さなか、先ほどの音。嫌な予感がする····。


「見えてきたぞ!」

祐葉がクイっと首を動かしぼくに合図をする。茂みの間から土煙つちけむりが上がっているのが見える。

そして、見覚えのある2人の背中が見えた。


恵里菜えりな雪姉ゆきねぇ!」

ぼくの声かけに2人はすぐ反応するものの、視線はぼく達へ向けず、一定の方向からはらさなかった。


「何だァ? 獲物がまたやってノコノコと来てくれたのかァ?」

恵里菜と雪姉ぇの視線の先にある「それ」はくぐもった低い声でぼく達を見てニヤついた。


そこには2mはゆうに超える屈強な身体に顔全体が肉食動物の頭蓋骨で覆われた異形な姿をした怪物がいた。


間違いない····獣の姿をして人々を襲ったとされた··獣人じゅうじん······。

こいつはかつての獣人事件後のその残党······!


ぼくと祐葉は武器を構える。同じく恵里菜も雪姉ぇも戦闘態勢に入る。


「チッ、4人も揃いも揃って武器持ちかよォ、流石に分がわりィなァ。なら───!!」


獣人は拳を構えると、拳の先から赤い球体状のようなものがシュゥゥゥーッと音を立てて次第に大きくなっていく。


「佐斗葉! 祐葉! 気を付けて!! 来るわよ!!!」


ゴゥゥン!!!!


雪姉ぇの声に反応するのも束の間、獣人は赤い球体状の「それ」をぼく目掛けて放ってきた。


これだ、これこそが獣人だけが有する力――【異能】───!!!




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