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H工業取締役会

20xx年7月某日 H工業本社役員会議室(東京都町田市)




「それではこれより、取締役会をはじめます。今回の主な議題は、黒部陽一氏の社長退任及び会長就任と高瀬正行氏の副社長退任及び社長就任にかかるものです。異議または追加の発議がありましたら挙手願います。黒部さん、どうぞ」

「失礼する。まずは皆、これまでの15年間従業員とともに私と歩みを進めてくれたこと、深く感謝する。本当にありがとう。私は期日を過ぎれば社長を退くこと、経営に関する権限の大半は新社長含めた取締役の皆に譲ることに変わりはないが、一つ、個人的なわがままを認めてもらいたい。私は、社長退任をもって私財を原資とした独立採算の新しい部署を作りたいと思っている。まずは、私たちの退任と就任決議を採ってから話を進めてもらえるだろうか。私からは以上だ」

「では、黒部氏の提案通り、役員の退任と就任にかかる決議にかかります。反対や異議のある方は挙手をお願いします。・・・・・・いらっしゃらないということは賛成と判断してよろしいでしょうか?・・・・・・では皆様、賛成の意を表する場合は拍手をお願いします。拍手を以て、全会一致で可決とみなします」


パチパチパチパチ・・・・・・


つつがなく役員交代の決議が採られ、黒部の提案に議題が移った。



「では皆、改めて提案の発議をお願いしたい。私が作りたい部署は、わが社専属の情報機関だ。社内外関係なく様々な情報を収集し、わが社の利益向上のために利用する目的の情報を取捨選択する専門チームで、例えるならアメリカ軍のNSA、ロシア軍のGRUといったところか。CIAやKGBみたいに単独の組織としてではなく、組織内部の情報機関チームであるということを強調したい。財源は私がこれまでに受け取った役員報酬のたくわえが12億円ほどある。これを当座の資金として運用をし、新部署の運営に当てたい。質問等はあるか?」



専務が挙手をし、質問を述べた。



「では、黒部社長あらため会長。事前に話をある程度通していただいていますので、活動目的や内容は興味深く拝見いたしました。利益向上を大局の目的ということで、これも賛成の理由になりましょう。ところでお尋ねしますが、人員は会長主導で集めるということですが、規模はどのくらいで?どのような人材をお求めなのですか?私からは以上です」

「鹿ノ子くん、まずは賛成の表明ありがとう。質問の答えだが、トップ含めて10人から20人と小規模なものを想定している。求める人材は、オープンソースインテリジェンスに長けた者が3人、ハッキングなどのネット事情に明るいものが2人、労働や特許など、異なる分野の法律に強い者が3人、ヒューミントに長けた者が社内外向けに合わせて2人以上、他にも必要と思った分野があれば随時人を入れるが、今考えられるのはこのレベルの方向性と人数だ」

「回答ありがとうございます。こちらが考えている以上に具体的で明快な内容で、今後が楽しみなくらいです。ああ、すみません。もう一つ質問させてください。情報機関の組織配置はどのあたりにするお考えですか?」

「実質的な運用は役員秘書室直属で、対外的な組織図や部屋は○○○○○にその機関を据えようと思っている。警視庁公安部の資料係的なニュアンスでな」

「承知しました。私からの質問は以上です。回答ありがとうございました」


再び司会が進行を行う。


「それでは、黒部氏の提案について他に質問や異議反対などございますでしょうか?・・・・・・挙手なしということで、それでは賛成の方は拍手をお願いします。拍手を以て、情報機関設立の議題は可決とみなします」


パチパチパチパチ・・・・・・



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