SFC 重装機兵 ヴァルケン
SFCのレトロゲームをやってみた感想文です。
これ、結構面白いゲームだと思いました。
攻撃型ロボットに乗って敵の基地を粉砕していくアクションゲームということでフロンミッション・ガンハザードとテイストが似ていますが、こちらにはシュミレーションのようなパートは無く、ただひたすらアクションステージをクリアしてしていくだけのという潔いゲームとなっています。アクションステージも上下に広い複雑な作りとなっているステージが多く、感触としてはとしてはFCのロックマンシリーズに近いかと思います。ただ、このゲームのドット絵の描き込みが尋常ではないほど細密で金属面などの質感が凄く上手に描かれているため、リアル版ロックマンの世界みたいな印象です。
まぁ、これだけ細かいドット絵と派手で爽快な敵機爆発の演出を常時と言って良いほど頻出させているため、ストーリーも各ステージも単純で短く、馴れれば一時間かからずにクリア出来てしまうと思います。
ストーリーは単純なのでザッとあらすじだけ書いてみます。
ゲームは未来の話で、その頃には人類の生活に必要なエネルギー資源が地球に僅かに残っている分と月に僅かに残っている鉱物資源しか無くなっていて、それらの僅かな資源を巡って人々は戦争を繰り返していました。主人公は、とある軍に所属する兵士で、ヴァルケンという戦闘ロボを操る操縦士でもありました。主人公を含め、誰が正義でどの組織が悪なのかとかは曖昧です。皆が資源を巡って争っている訳なので。
そんなある日、主人公に出撃命令が出ます。その作戦とはヴァルケンに乗って単独で敵の基地に乗り込み、基地の最深部で造船中の巨大戦艦を破壊してくる、というものでした。
ヴァルケンがどれほど強い殺戮兵器という設定なのか、敵の基地に単独で乗り込んで戦艦を破壊するミッションって、初っ端からフロンミッションとはノリが違うイケイケな感じです。
まずアクション画面に降り立ってからもフロンミッションとは似て非なるもので、ロボットの動きも敵の壊れ方もとにかく派手で、しかもリアルに爆発して吹っ飛ぶ様は当に爽快。SFCでここまで出来たのは本当に凄いと思います。一見の価値ありだと思います。
最初のミッションで開発途中の戦艦を見事粉砕すると、その報復としてなぜか主人公の故郷の町が襲撃されているという連絡が入り、急いで故郷の村へと向かいますが、時既に遅し。町は壊滅しており、町の奥にはまだ襲撃した戦艦が停泊しています。主人公が操るヴァルケンが急いでその戦艦に向かい内部に潜入しますが、戦艦は飛び立ちます。飛び立った戦艦は主人公によって内部から攻撃され、どこかの密林に不時着しますが、その際に主人公はヴァルケンごと振り落とされ、密林に投げ出されます。その後、主人公は密林を彷徨い戦艦を見つけますが、戦艦はヴァルケンに似た赤い戦闘ロボに守られています。その赤いヴァルケンを操っているのは、かつて主人公と同じチームで活躍していた親友。その親友は主人公と同じくヴァルケン乗りの兵士でしたが、ヴァルケンの操縦技術も組織内での成績もいつも主人公が一番で、その親友が二番目という成績で、いつしかその親友である男は主人公を恨むようになり除隊して、主人公より強くなるため放浪の旅を続けている男でした。そのために主人公達と敵対する組織に加担して新型の戦艦を開発したり高スペックな赤いヴァルケンを開発したりして主人公達に敵対していました。なので主人公の主人公の故郷の町も知っていたという話をここでします。
赤いヴァルケンは高スペックでしたが、主人公の操縦技術の方が勝って戦いには勝利します。しかし最後、親友は戦艦に逃げ込み戦艦を発車させます。ヴァルケンは元来長距離は飛べないため戦艦を取り逃がし、母艦である主人公達のチームの船を呼び寄せ、戦艦にの行方を追います。親友の戦艦が逃げ込んでいった敵の基地に潜入し、その最深部でまで辿り着くと、そこには主人公の乗るヴァルケンの何十倍も大きなヴァルケンがありました。
もし、親友がこの巨大ヴァルケンを完成させていたら主人公達に勝ち目は無く、親友は、いとも簡単にこの世界を制していたでしょう。しかし、想定より早くこの巨大ヴァルケン開発計画が主人公達に見つかってしまったため、この時点で巨大ヴァルケンは上半身しか動かない未完成な状態でした。しかし、それでも主人公達に余裕で勝てると勝算した親友は、この巨大ヴァルケンに乗り込み、主人公の乗るヴァルケンに襲いかかってきます。これがラスボスです。
ストーリー展開もアツいし、ラスボスのビジュアルも上下スクロールの演出も最高。ドット絵の描き込みも異常なほど良く出来ている。ただ、ただ一点だけ、これも時代のせいなのか、ラスボスはデカすぎて画面の右側1/3くらいを上下にスクロールしてパーツごとに映すだけになってしまったのが本当に惜しい。画面を上下に跨いで動くケフカみたいな感じをイメージしてもらうと分かりやすいかも。
その他の点は、全てにいちいち感心してしまうくらい先進的な演出のオンパレードです。
アクションステージ中に『本部との通信』という形でナビが入るのですが、その通信相手の顔グラもPCEの天外魔境を越えてるんじゃないかってくらい綺麗なアニメ画ですし、ヴァルケンが背負いジェットで中途半端に飛ぶ動きなど、どうやってSFCの物理エンジンでこんなに滑らかに動くのか不思議に思うくらいです。
ストーリー的には直球で短いですが、このシステムはSFCでは本当にオーパーツ級なので、一度は体験してみて損は無いと思います。いろんな意味で面白いゲームでした。
これは凄いと思えたゲームでした。