バトルロイヤル
「おめでとうございますです!あなたは非常に運がいい!」
涙を流したピエロの面を被った人物が、こちらに向かって大袈裟に手を広げ、そう叫んでいる。
「ここは?」
記憶喪失というわけではなさそうだが、ここに至るまでの記憶が全く無い。
「さうですねえ。ここは、『異世界』とでもいうべきでしょうか」
アゴに手を当て、考え込むような仕草をして見せたピエロはそう答えた。
「異世界?ということは、俺は死んだのか?」
「まーーーーーったく!その通り!ですます!」
急にテンションを爆発させ、不自然な敬語を使いながらピエロは続ける。
「さうですねえ。あなた様は無事、向こうでの生を終えたわけですます。それから!この異世界への転生をかけた抽選に見事当選!!いやあ、本当についてますですよ」
「で、この異世界ってのは、そんなにいいところなのか?」
「いえいえ!いいところ、なんてものではございませんよ、はい。私なら、この世界に来るために、何度だって死んで見せますですよ!」
この世界を誉めるばかりでなかなか本題に入らないピエロは、相変わらず大きく動き回っている。
「それで、この世界はどんな世界なんだ。俺は、これからどうすればいい」
「それではーーーーー!これから、説明を始めるですます!」