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使徒の秘密 神の手


「では、まとめた物を読み上げます」

「うむ」


昨夜の女神様御降臨から夜通しで王城の会議室で話し合いが続いていた。


「若葉が芽吹く頃使徒様は現れる」

「国と教会からの接触禁止」

「使徒様が行動しやすいように周りは騒がない」

「使徒様と扱わず国民として扱う」

「使徒様が国を始め世界を明るくする」


「分かりやすく言葉は変更しておりますが注意するのはこの数点だと思います」


黒板に書かれている文字を皆が見つめる。

[使徒]この言葉はとてつもなく皆の心を揺さぶる。本来なら国と教会をあげて全力で御迎えし完璧なるバックアップの元で行動してくれる方が、上に立つ立場の人からしたら安心できる。使徒様と距離を縮める事が出来れば、使徒様の知識やお考えをわけて貰い、手を取り合い全力で同じ目標を目指していける。そう皆が思う。我らも微力ながら力を貸したい。

あと欲を言えば王族や教皇の血縁者と婚姻も結んで欲しいし皆は言葉にはしないが確かな繋がりを求めている。

女神様不在の300年間を脳裏に浮かべる者は多い。もし目の届かない所で使徒様の不興をかい他国に行ってしまうなど・・・・マイナスな思考を止める事が出来ずにいる。だが女神様の御言葉は非情にも正反対だった。


「使徒様は特別扱いを嫌うと言う意味でしょうか?」


貴族の男が自信なさげに声を上げたのに反応し他の貴族からも意見が出てくる。


「使命があるのでは?その為行動を制限されると使命に支障が出てくる。とかはどうですかな?」

「使徒様の性別・年齢・種族などすら不明ですから・・」

「ですが、こちらからの接触禁止は国としての考えや動き方に大きな影響がでます」

「先が読めぬのは問題じゃな」

「なにぶん女神様とこの世界の言葉にはズレがあります、わからない言葉など多々入ってきますと・・・・女神様に質問や尋ねる事も気軽にはできませんし」

「やはり女神様の御意志を全て知るには、まだ私達が未熟ということですか・・・・」


賛否両論の意見などが暫く会議室にて語られていく。


「我らの理解出来る範囲で受け入れ行動するしかあるまい」

王の言葉に会議に参加している者も賛同していく。最初から女神の言葉に逆らえる者などいない。王の言葉は続く。


「使徒様にはこちらからの接触は避け使徒様の行動に任せる方向で決定する。我らは存じぬを通し国民として扱うのが良かろう。積極的に使徒様の存在を探る事も禁止する。なに、すぐ知れる事じゃ」


「国民にはどのように知らせますか?」

「使徒様の事に関しては伏せる。国民が騒ぎ出すと城内での保護が必要になる程の混乱が生じるのが想像できる。国民には昨日の件と・・・・」


会議はまだまだ続いていく。





彼らは知らない。彼らが話す[使徒]の事を・・・・


そう、彼は邪神軍の兵とし世界征服を成し遂げる為にその国に降り立つ・・・・と勘違いしている事を(笑)

同行予定のいっちゃんに国の未来が全て掛かっている事を彼らは知らない・・・・





ーコンコンー

「トルティー様、第1天使です。失礼します」

「いっちゃん、おはよ~」


部屋の中に入ると、トルティーは毎朝日課の占いをニコニコしながら見ていた。


「4つ下がって5位か~ まずまずかな。そう言えば神具直ってたさ~♪今回も撫でたのがやっぱし効いたんだね」


全く疑う素振りも見せないトルティー様に安堵のため息をつく、反対に少し心配になるいっちゃんであった。

ふと、先程の言葉が気になり自然とトルティー様の手に目が向く。[今回も]とおっしゃってましたね。昨日とは別の日に撫でて直したって意味ですよね。うーん。うーん。うーん? 神様の手は撫でると物質の異常箇所を完全に修復する効果が本当にあるのですかね?冗談でゴッドハンドと言ってましたが、冗談では済まないのでしょうか?うーん。ちょっと実験してレポート書きたいですね。午後からは予定が入りましたし時間が・・・・

悩むいっちゃん。そんな事を思索しながらもトルティーの準備を普段と変わらない手捌きでおこなっていく、いっちゃんは流石である。ふと思いだし昨夜気になった事を尋ねていく。


「昨夜はお疲れさまでした。問題なく?終わりましたね」

「うん。久々で楽しかったよ。問題あった?」

「多少ではありますが、彼は使徒なのですか?存在を秘密にするのはアホだから触れないでねって意味ですよね?」

「あはは!見事な推理だよ探偵君。そう!彼あんな感じだし必要処置だよ。あと彼は使徒になるね。もしかしたら神子かな」

「あ!そうですよね。トルティー様の一部が彼に混ざっていましたね(神の髪、もし体内に入れれば下級の天使なら耐えれませんし)彼は一体何者なんですか?情報も限られた分しかこっちに来てませんし」

「邪神軍の兵さ!キリリッ!!」

「良い顔してふざけないで下さいよ。同行するの私なんですからね。不安だって少しはあるんですよ?」

「そこはいっちゃんなら大丈夫!期待してるよ。ほら舵取りマニュアルもこの前完成したし、大丈夫なはず・・だよ?」


「・・・・大丈夫って言い切ってきださいよ! あっ、そうでした本日の午後より彼に付き添う際の準備にかかります。私の代わりに第2天使が参りますので、お願いします」

「ニッキーね。おっけー よし!お仕事いこっか」

「はい」


二人は部屋の扉から仕事部屋へと向かっていく。





☆いっトルコーナー☆

いっちゃん「トルティー様、質問と確認があるのですがよろしいですか?」

トルティー「いっちゃんは知りたがりだね~ うんで何がしりたいのかな?」

いっちゃん「では質問の方から、トルティー様は他の神々に頭を撫でられた事ありますか?」

トルティー「珍しく変な質問だね。頭はたくさん撫でられてるよ。パパも撫でてくれるし」

いっちゃん「そうですか・・・・(主神クラス複数でも生命体の故障箇所は

      修復できないのですか、トルティー様・・・・)」

トルティー「うん?ううん?気のせいかな、まぁいいや。確認ってのは?」

いっちゃん「はい。例の彼ですが私が耐えきれなかったら廃棄して帰って来ていいですか?」

トルティー「耐えるって力の暴走とかじゃなく、精神的にって意味だよね?却下です!

      飼うなら最後まで面倒見るのが飼い主の義務です。ポイ捨て禁止です」

いっちゃん「そんなーー」





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