表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/17

御降臨 


満月は闇を薄くする



どこからか親子の囁きが響いてくる。そんないつもの夜


「ママ~つきがまるいよ。つきにはなにがあるの?」

「そうね。昔旅の吟遊詩人が歌ってたのではね。月は幼い神様の遊び場って聞いた事があるよ」

「おさない?こども?」

「うん、子供だよ。でもね吟遊詩人の歌だから本当かどうかはママにもわからないなかな」

「こどものかまさまか~」

「あらー?夜更かしをしてる悪い子はどこかな?パパ帰って来たら言っちゃうかな~?」

「ミリはねてるいいこですよ~ グーグー」

「ふふ。おやすみ」


囁きは薄い闇へと消えていく





約束の刻。澄み切った空気が王都を包む中夜を忘れる程の光の柱が現れた。皆光が指す方向を呼吸を忘れ眺める。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



どの程度時間が経過したか。10分?30分?60分?  

時を意識する者はいない。

約束の場に集まった者たちは奇跡と思える時を目を瞑り思いだしていた。



沈黙破るように2人は語り始める。


「・・・・」

「陛下、陛下!」 「!」

「すまない教皇。思考が追い付かなくてな少し放心しとった」

「私も同じです。女神トルティー様のお姿を拝見出来ただけでも、私はこのまま天に召されるぐらいの感動を覚えました。ですが問題はその後の神託の方です」

「うむ。神の意思を理解出来るとは思っていないが、どうしたものかの」

「そんなの簡単ですわ!」 「「!?」」


王と教皇の話しに誰かが後ろから割り込んで来た。二人は振り返り声のした方へ顔を向ける。そこに居たのは・・・・


「ララか」 「これはララティナ様」

振り向いた先には、母親似の赤い髪で活発そうな女性が立っていた。この女性はトルデリア王国 第1王女(17歳)頬を紅く染め今も興奮しているのが見てわかる。教皇は頭を下げ軽く挨拶をする。王はさっきの発言に疑問を持った表情をしていた。王女は興奮したまま大きく両の手を拡げ思いを口にしていく。


「女神様は「これからトルデリア王国に明るい光がさしていく」とお言葉を授けてくれました。ありのままを国民に知らせるべきです」

「陛下、私も同意見です」

「ふむ。ララよ、先日も聞いたが以前の考えはもうよいのか?」

「はい!女神トルティー様は私達を見放してはいませんでした。先日の天使様、そして先ほどの女神様からの喜ばしいお言葉・・」


王女は胸を抑え気持ちの高鳴りを感じ、興奮を感じ吐き出すかの様に言葉を続けた。


「私が焦るあまり愚かでした。ですが今迷いはありません!」


こやつ天使様が姿を見るまでは、「大国の宗教を国教とし取り入れ他国との繋がりを強化するべきなのです」などと会議にまで乗り込んで来てたのにな。まぁ現在の我が国の状況を考えての事とはわかっているが。本当はララが一番トルティー様を待っていたのかも知れないな。子供の幼き頃を思い出すなど歳をとった証拠かの・・・・








~幼き頃のララティナ~


「おとうさま~」

「ララ少し待っておくれ、今手が離せなくてな」

「はーい。ここでまってるね」


ララはソファーに座り足をバタバタさせながら窓の方を向き外を見ているが早く話したくてウズウズしている。横目で見ていた王は手元のスピードを上げていった。



「お待たせララ。何かおねだりかな?」

「ううん。あのね、わたしのかみさまってどっち?」

「ふむ私の神様か、私達のトルデリア王国の神様だな」

「くにのかみさま?」

「そうだぞ、我が国の女神トルティー様だな」

「とるてぃーさま・・とるてぃーさま・・うん覚えた」

「もう1柱の女神アテーネス様と仲の良い姉妹なんだぞ」

「どっちがおねえちゃん?」

「アテーネス様だな」

「わたしのとるてぃーさまはいもうとなんだね。わかったーまたねおとうさま」

「そろそろ夕食だから一緒にいこうか」

「はーい。おかあさまにもおしえてあげるんだー」

「そうかそうか」


~幼き頃のララティナ~ 終了




あの後もトルティー様に興味をもち家族では足りずメイド達にまで色々聞いてたな・・・・

成長するにしたがって徐々に減っていったのには淋しさを感じていったの。


「・・様!お父様?」

「おぉ!すまんな。先ほどの話し我も賛成じゃ。だか言葉を選んで伝えないとな、いらぬ混乱を招いても誰も喜ばん」

「もちろんよ!国民にも分かりやすい言葉を選び、国民全てに此方の意思を理解出来る様に伝える!でしょ?」

「うむ」

「それにコレ子供の頃に習った勉強の言葉よ?私勉強は得意だったのよ?」


ーさぁー皆さんそろそろ解散しましょうー


何処からかそんな声が聞こえ皆帰り支度をし教会の出口に消えていく。



王宮に帰宅する前に女神像にもう一度祈りを捧げる王。途中王女に腕を捕まれ王も出口へ消えてく。


教会の外に出ると先ほどまで教会に一緒に居た人達が帰路につかず立ち尽くしている。どうしたのかと周りを見回してみると、満月の明るさ、家々から漏れ出る灯り。そして家から出て祈る人々。普段なら家の灯りが点いている時刻ではない。そこで理解した。いや、させられた。


王は暫し考える。何か悪巧みを思い付いたのか口角を上げ怪しげな笑みを見せていた。王女は人々の祈る姿を目にし、無意識に涙が頬をつたっていた。そんな時王女の身体を押し出す様に背中を押された。振り返り押した人を確認するとそれは王の姿だった。


「さっき予習はしただろ?皆に教えてやれ」


一瞬理解できず固まってしまうが、足に力を込め一歩国民に近づく。フーと呼吸の音が静かに響く。



「皆さん聞いて下さい。私は第1王女ララティナ・トルデリアです」


皆王女の声に反応し、期待に満ちた視線を向け続く言葉を待った。静寂の中王女は静かに語り出す。


「先ほど・・女神トルティー様が御降臨いたしました!」


大きな歓声が皆からあげられる。しばしの歓声のあと自然と静寂と視線は1人の女性に再び戻る。


「トルティー様のお言葉を一部お話します。[これからトルデリア王国に明るい光がさしていく]と。今お伝え出来るのはここまでです」


2度目の人々の歓声。笑みを浮かべ皆を見渡すララティナ。祈りを捧げる者、歓喜の声を上げる者、泣き出す者。

ララティナはタイミングを見て再度話し出していく。


「この事に関しては追って国中に詳しく伝えます。トルティー様に祈りを捧げ少しの間待っていてください」


皆教会に向かって再度祈りを捧げる。


ララティナも帰路の馬車に乗り込む。と思った瞬間振り返り。


「女神トルティー様は、私たちを1度も見放していません!愛されています!これからも私たちとずっと一緒です」


今日一番の歓声が王都中に響きわたる。

皆は酔いしれる。酒にではない、まだ見ぬ女神の祝福に期待し!





「馬鹿者!!最後の最後で余計な事いいおってー!!!」

「気持ちが抑えれな・・って拳を上にあげちゃダメだよ?ごめんなさーい!誰か助けてーー」


ララティナの助けを叫ぶ声は皆の歓喜の声の中に消えていく。







 


「ママかみさまは、つきでのあそびおわったのかな?」

「そうかもしれないわね」

「こんどはミリとあそんでくれるかな?」

「ふふ」









☆いっトルコーナー☆

いっちゃん「今回の作風いつもと違いませんでした?違和感があります。トルティー様、聞いてますか?」

トルティー「う、うん。聞こえてるよ。フォローしなきゃいけないって、声も何処からか聞こえてくる・・・・」

いっちゃん「大丈夫ですか?まぁ作風を気にするだけの技術は皆無って聞きましたし」

トルティー「いっちゃん!それ以上言ってはいけない!女神でも守れない何かが起こるかも・・・・」

いっちゃん「なんですか?凄く怖いです。((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル」

トルティー「アレだよ!盛りまくって引っ込みつかなくなった結果・・ぎゃっ・・」

いっちゃん「だ、大丈夫ですか?(自分で警告しておいて・・やっぱりトルティー様ですね)」



いっちゃん「それにしてもトルティー様の幼い部分を無意識的に感じたとは、ミリちゃん恐ろしい子」

トルティー「えぇ~月なんて10年くらい行ってないよ」

いっちゃん「いえ、最近行きましたよね?占いで月の石がどうとか言って砂だらけで戻って来ましたよね?」

トルティー「あっ」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ