女神トルティー御降臨!ところで今日の占いは?
第1天使こといっちゃんは朝から忙しく動いていた。今日は満月の日、そう主の御降臨の日だ。あの事から約300年振りにトルティー様が再び地上に接触する大イベント。序列入りしているベテラン天使達からも緊張の気配が漂っている。
本日の最大の仕事は、トルティー様に朝の占いを見せない事だ。笑顔で「1位でしたよ。ニコリ」と偽情報を伝える予定になっている。
トルティー様はなぜか占いにかなりご執心で結果次第では1日の機嫌・やる気・テンションが、ガラッと変わってしまう。オマケに肌も荒れる。
本日トルティー様が占いを見れないのは、既に決定次項です。そう今この時、序列入りしている実力派天使の数名がトルティー様のお部屋と占い映像の発信源との間で[遮断結界]と[力の行使の隠蔽]を全力でおこなっている。これは過去に何度も実施し経験豊富な者が選抜されています。ちなみにこの件に関しては、主神からの勅命を受けての作戦です、いえ、[聖戦]です!失敗は絶対に許されません。
主神からの勅命・・・・やはりトルティー様の前回の事を主神も気になって・・・・いえ、主神のお心を探るような考えは天使として不敬でした。
先ほど若い天使(200歳前後)から質問されました。根回しで占いの結果をかえてはどうでしょう?無理です。占っているのは、神です。私のような天使風情のお願いがとどく訳もなく。それに占いが生き甲斐とまでおっしゃってる神が不正などするはずもありません。なので占いを見せない選択しか残されていません。トルティー様は占いの結果が大事であって自分で見るか人から教えられるかに違いがありません。ですので見せなくてもお叱りはありません。
いっちゃんは緊張の面持ちでトルティー様のお部屋へ向かう、扉の前で深呼吸をし、自然に笑顔が出るように表情筋を両手でほぐし準備完了。
さぁー[聖戦]の始まりです!
ーコンコンー
「トルティー様、第1天使です。失礼します」
「いっちゃん大変!神具が変なの」
(チッ、もう起きてたか)
部屋に入ると床に座り映像が受信される神具を懸命に撫でているトルティー様の姿があった。ツッコミを入れて良いのか迷う。撫でて直そうとしてる?不思議な姿を目撃したが、あえてスルーでいく事を決心する。
「トルティー様、本日は御降臨の日。主神に御挨拶と衣装の準備など予定が入っております」
「おかしいな~この前これで直ったのに」
(ゴットハンドですか!?って女神様でしたね。直っても不思議ではない?う~ん)
「ワクワク!DANちゃんのハッピー神占い。朝の部!見逃しちゃったよ・・・・」
(ププッ、ワクワクDANちゃん言わないでくださいよ)
「トルティー様、早朝の部なら私見ましたよ」
「お!?天秤座はどうだったの?」
この占いは早朝と朝の2回。早起きDANちゃんがテンション高く毎日頑張っている。
よし!ここが勝負!ここで決めなくては!
「私も朝の準備をしていたので詳しくは見ておりませんが」
さぁ私の表情筋出番ですよ!
「トルティー様の天秤座は、1位でしたよ。ニコリ」
「やったー最近1位多いな~ うん。今日も良い日になりそう」
トルティーは笑顔のまま準備に取り掛かっていく。手伝ういっちゃん。その表情は何か偉大な事を成し遂げたようなとても清々しい顔をしていたとか。
朝の準備も終わり本日の最終確認の為、別室に移動。朝の挨拶に集まる天使達、その中に実力派天使達の姿も見える。皆トルティー様の笑顔を見て成功を小さく拳で表現し本日の御降臨の成功を確信する。その皆の姿を見ていた、いっちゃんの瞳にうっすら涙が・・・・
「いっちゃんどうしたの?」
「いえ、本日の久々の御降臨を考えてると自然と・・・・失礼しました」
誤魔化すいっちゃんの[久々の御降臨]という言葉に苦笑いするトルティー。
その後の準備は淡々と進んでいった。
無事に準備も終わり、主神への挨拶も終え約束の時を待つ。トルティーの姿は25ー28歳に見えるよう変化させている。
子供・大人この二つにも大きな違いがあり[自分達の信じる女神様]と言う点で、見た目での与える印象は大きく変化していく。神の見栄と言う点も少なからず存在する。女神の場合に多いが、子供と大人では一部分の大きさが変わってくる。教会では信仰する神の像が設置され信仰の対象になる。その姿も降臨した際の姿を元にして作られる。なので、「見栄は大事 女神一同」
「トルティー様、お時間です」
「では、行って来ますね」
本日は白と白銀の衣装で完璧な女神モードである。内面も女神モードに切り替わりトルティーは信徒が待つ約束の場へと降り立つ。
その日トルデリア王国に大きな光の柱が出現したのを世界中から確認された。
☆いっトルコーナー☆
いっちゃん「トルティー様、私どうしても気になる事があるのですが、聞いてもらえますか?」
トルティー「おっけー何かな?」
いっちゃん「毎朝の占いDANちゃん様は神様なのは知ってますが、どの神様なのでしょうか?」
トルティー「知ってるけど、一部を除いて秘密なんだよね。いっちゃんはその一部に入ってませーん」
いっちゃん「やはりそうでしたか。今まで正体が広まっていない理由がそれなんですね」
トルティー「う~ん。多少知られてる事なら教えても大丈夫かな」
いっちゃん「その多少も知らないので是非お教えください」
トルティー「えっと、DANちゃんは男性のDANだよ。あと3柱組だよ」
いっちゃん「ふむふむ。って気になる事が増えた気がします・・・・モヤモヤします」
トルティー「神の中でも特別に偉大なお三方ですからね」
いっちゃん(占いに必要以上の固執するトルティー様・・・・その3柱にやはり秘密が・・)
主人公もう少しで出番です。