占いは当たるかも?
いっちゃんが謎の男性を別室に案内している頃・・・・
「ふぅー なんとかなった。でもどうしようかな?うーん、まずは報連相よね」
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トルティーの居る部屋の扉が勢いよく音を立てて開いた。
「トルティー様ぁぁぁ!!!何ですかあれ?私を捨てましたね?キリッ!っていい顔しながらあれですか!?」
「い、いっちゃんお、落ちついて!今パパに報告して指示を貰ったから、ほ、ほら私が報告しないとだしさ」
いっちゃんはトルティーに詰めより不満を言っていく。気迫に負けたトルティーは一歩二歩後ろに下がりなんとか逃げずにふんばっている。
一通り言って不満が少し解消されたのか、一つ深呼吸し気持ちを無理矢理落ち着かせる。
「わかってますよ!で、どうゆう指示ですか?」
「う~んと好きにしていいって、って事で転生させちゃおう!ここに残しておく事も出来ないし、あと楽しそう」
「わかりました。では準備してください」
「へ?」
「今から行くのは上司ですよね?少し肉体の年齢を上げて行くことをおすすめします」
「おっけーちょっと気合い入れてがんばる。彼面白そうだよね」
「そうですか?少し違和感を感じましたが、それと何か関係が・・・・」
「さっきはいきなりで慌てたけど、次はじっくり観察だね~」
「では、行きましょうか」
「はーい」
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俺は不思議な体験をしているのかもしれない。今は綺麗な女性に案内された部屋でソファーに座っている。部屋の様子は応接室と言う感じで、少し落ち着かない雰囲気だ。問題はここは何処なのかだ、この部屋に来る途中に外が見えたが、地球ではないと確信させられた。外では翼の生えた人が飛んでいたし、景色が幻想的過ぎた。幻想的な景色だけなら地球でも探せば似たような所はあるかもしれない、だか空を見上げても太陽かなかったのである。明るいのに眩しく光る太陽がなかった。夢?匂いや痛感など夢を否定する手段はいくらでも揃っておりどんどん思考の渦に取り込まれていく。色々思考していくと気づいた事があった。家族と知人の名前や顔が思い出せない。あと自分の名も年齢も・・・・何故か誕生日と星座だけは覚えていた。[5月19日の牡牛座]だ。不思議と学んだ知識や経験などは思い出せる。全て覚えているかは不明だが。
ーコンコンー
ノックの後先ほど案内され利用した扉がゆっくりと開く・・・・入って来たのは案内してくれた女性ともう1人!!俺は思わず膝を付き頭を下げた。もう1人の女性は黒・・否・・闇・・と言ってもいい程のロングのドレスに禍々しい杖の様な物を持って現れた。心臓がつぶれるぐらいの空気に一瞬でその場は支配された。
魔女・・魔王・・いやあれは神なのか!?って事は邪神!身体中が悲鳴をあげてる様な気がする。俺はひたすら頭を下げ続けた。思考が上手くできない、恐怖が込み上げて来て思考などする余裕がない。
「私の上司をお連れしました。どうぞ椅子にお座りください」
部屋に案内してくれた女性から声がかかる。上司に何か合図を出したのか場の空気が軽くなる。
足に力が入る事を確認しゆっくりと椅子に座り直す。
「こちらが上司のトルティー様です。そして私は、いえ、トルティー様の部下です」
部屋に案内してくれた女性は、主の視線を受け名前を言わず部下と名乗った。あの視線の意味はなんだったのか。
女性は上司の事を神とも女神とも言わなかった。どう考えても人間にあのような不可思議な現象を起こせるわけがない!
神、そう言ってくれる事をどこかで願っていた自分がいる。ではやはり・・・・
「俺の名前は・・・・」
俺も続けて名前を告げようとしたが、言葉が続かない。あの闇を纏ったような女性の印象が強烈過ぎて先程確認した部分的に記憶がない事を忘れていた。嫌な汗が流れ落ちる。
「よい。ここからでもわかる。クククッ 魂が欠損しておる」
流れ落ちる汗が増えた。とても声が静か?冷たい?いや、あの声を表現する言葉を俺は知らない。
なんて言った?魂がなんだって?
「では、私から今の状態を説明しますね・・・・」
案内してくれた女性がゆっくりと丁寧に説明をしてくれた。魂の事は気になるが、今は聞くことに専念する。ゆっくりと説明された内容を考えてみる。
そうか俺はもう死んでいるのか。さっきの場に俺が現れた理由は不明。目の前の二人が意図した現象ではないと断言された。そして2つ選択肢が提示された、消滅か、転生か・・・
消滅って?輪廻の輪どこですか?消滅=邪神に魂を食われて消滅・・・・ありえる。
転生ルートは邪神の世界って事だろう?地獄みたいなところかな、積んだな。
「クククッ」ビクッ!!!!また邪神が笑った。
いや試されてるのか良く考えろ・・・・転生は人類的なのと敵対・・・・あれ?俺そうゆう小説大好物だった。悪くない条件なのではないか?邪神が自ら声をかけてきている。あれだろ社長が「あの子いいね」っていうヘッドハンティング的なヤツだろ?これってエリートじゃね!?乗るかビックウェーブ!
再び膝を付き震える声を抑え決意を言葉にした。
「邪神様!どうか俺を邪神軍の一員に!」
邪神様は下を向き一考しているようだ。長い沈黙の末お言葉を貰えた。
「クククッ 良かろう我が手先となって世界を手に入れてみろ!」
空気が一瞬で変わった・・・・恐ろしく直視出来なかった邪神様が笑顔で俺を見ている。おぉぉなんと美しい!生涯の主を見つけたとはこの感覚の事を言うのか。全力を尽くそうまた笑顔を向けられるように。
部屋に案内してくれた女性が勢いよく部屋から出ていく、まさか邪神軍に何かあったのか!?
「お主の覚悟に対して少し【力】と言う褒美を授けよう」
「!」 (チート来たーーーー)
「それに見事我の望む世界を手に入れたら、お主は地上で覇王を名乗るが良い!地上はお主に与える」
最後の最後で爆弾発言をされ驚きがおさまる事はなかった。
その後俺は新しい肉体を創るため眠りについた。次に目覚める時は偉大なる邪神軍の1人として悪の道を極めるのだ!
☆いっトルコーナー☆
いっちゃん「トルティー様、主神からの具体的な指示って何だったのですか?」
トルティー「うんとね、面白そうなのがそっち行ったみたいだから好きにしていいって」
いっちゃん「面白そうな・・・・神的にですよね?それ危なくないですか?」
トルティー「たぶん大丈夫。占いも1位だったし、ラッキーカラーとアイテムもバッチリだよ」
いっちゃん「いやいや彼の思考がおかし過ぎます。
私最後まで堪えられませんでしたよ。ホント彼大丈夫ですか?」
トルティー「私は下向いて堪えたけど、ギリだったね。
まぁ占いのアドバイスも参考にしたから、たぶん良い方向にいくよ」
いっちゃん「だと良いですけどね。あっ!邪神ごっこは今後禁止ですからね」
トルティー「え!? もう少しいいじゃん!」
いっちゃん「ダメです。変な遊びしてると私生活でも変な影響でますよ!」
トルティー「そんな単純な人いないよ~」
彼 「邪神様の兵として俺が・・・・世界征服してみせます!!
見ててください。邪神様ぁぁー!!」
二人 「・・・・」