プロローグ2
「占いのラッキーは、イツクルノカナ・・・・」
女神トルティーは目の前の大量な書類と格闘している。部屋にはトルティー1人そろそろ限界が近い。
「いっちゃんも全然来ないし、少しきゅうけーい!私つかれましたー」
静かな時間が流れウトウトし始めていた。ここの仕事部屋は基本無駄な家具や道具がなく、普段からサボり気味の彼女に仕事のみを行わせる作りになっている。まぁ人が訪れなきゃ絶好の昼寝ポイントとも言える。今はトルティーは1人。穏やかな空間が広がっていた。
そんな時だった!部屋の中央に不規則なエネルギー源が発生した。
「ふえぇ!?ちょっと待って?ここでそれはダメェ!!しょるい・・[ドーーン!]あっ・・・・」
「トルティー様!!!!」
扉が勢いよく開き走り寄ってくる影があるがトルティーはそれすら目に入らず部屋の中を舞っている書類を絶望の目で見ていた。
不安定なエネルギーは徐々に安定し人の形に形成されていく。数秒後眩しい光を放ち1人の人影が現れていく。
「トルティー様。何かやらかしましたか?さすがにアレはダメですよ」
「ちょっと待って、なんで私で確定?何にもしてないってーの!」
そうトルティーは何もしていなかった。そう仕事も・・・・居眠り中だった。無実だかアウトである。
現れた人はヒューマンタイプで男性に見えるが、立ったまま目を開けない。
「これってあれだよね?」
「えぇ。神や天使ではありません。死者の魂であることは確定だと思いますが、ここまでしっかりとした人の形で現れるのは・・・・」
「これってあっちのミスだよね?私はセーフだよね?」
「部屋が部屋ですからね・・・・」
この部屋は何重にも結界で処置されており、中からこのようなエネルギー体を呼び寄せる事は不可能な作りになっている。ではなぜ?と疑問が残り二人に沈黙が続く。そう、この部屋はトルティーが逃げ出さないように内部から魔法的な干渉はもちろん鍵1つ開かない仕様になっているのだ。
「あの~ここはどこでしょうか?」
「「!!」」
いきなり声が聞こえた。少し目を離している間に男性はしっかり目が開けられ意識もしっかりしているようだ。
(ヤバイ何か言ってる!どうするのよ?)
(私に言われましても・・・・)
「「「・・・・」」」
気まずい沈黙が三者の中に流れる・・・・
トルティーは女神である最高の頭脳をフル回転させ打開策を模索しだした。またいっちゃんも女神には敵わないが天使の限界を超える勢いで解決法を計算している。
人類が遠く及ばない叡智の果て、人類が誕生してから神が人類の為にここまで叡智を振り絞った事があったか?イヤない!
時間にして2秒・・・・その時トルティーは決断し動き出した!!
希望の目を向けるいっちゃん!ここまで駄目上司のトルティーに期待・救い・信仰を今日ほど向けた事があっただろうか。一言心の中で呟く・・・・「私の女神トルティー様、お任せしました」と・・・・
「た、担当者を呼んできますので別室で、お、お待ちください」
「え!?」(トルティー様?)
「あ、はい?えっと、わかりました」
「では、いっちゃ・・第1天使さん!いつもの部屋に案内してあげて。私は担当の上司を呼んできますので~」
いっちゃんが先ほど開け放った扉からそそくさと出ていくトルティー。睨み付けるいっちゃん。
(ちょ、あなたが!あなたが上司でしょ!!逃げましたね!返してくださいよ私の信仰心!2割増しで!)
「あの~」「はいっ!案内しますね。こちらです」
案内したのは[いつもの部屋]そこはトルティーが他の神にバレないように空間遮断している[逃げ部屋]だった。
☆いっトルコーナー☆
トルティー「私の愛するべき信徒よ。女神は万能ではって痛いってぇ~」
いっちゃん「なにが愛すべき信徒です?このほっぺ引き千切ってあげますよ」
トルティー「ぼめんうなふぁーい」
いっちゃん「あと忘れてるかもですが、報告書今日までなので。ニコリ」
トルティー「そ、そんなーーー」