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皆揃った処で

 謎の土煙が徐々に勢いを抑え祭壇付近に。それでも抑えられないのか急ブレーキを掛けるようにズザザザッと砂地が擦れるような音を出しながら寄ってくる。

 慌てて非難しようと立ち上がろうとしたが酔いが足にきていたのかもつれて転びそうに。

 瞬間的に目を閉じ転ぶ衝撃に覚悟を決めるも、ふにょんとした優しい感触が顔を覆った。


「たつ様、大丈夫ですか」


 どうやらティアナが上手く受け止めてくれたようで転ぶ事は免れた。ただ受け止めた状態がそのね・・・・・・。

 孤島に住む仙人様が好きな・・・・・・所謂パフ〇フされる形で・・・・・・ってそんな場合じゃね!


「ちょっ! 皆! なんか来るって」


 焦りながら声を掛けるも落ち着いた様子に疑問を浮かべ土煙を指差し・・・・・・指差し・・・・・・あれ? いつの間にか止まってる。変わりに凄く疲れた声が


「ハァ・ハァ・・・・・・あ・姉より優れた・ハァ・ハァ・・・・・・い・妹なんて――コヒュ~・・・・・・認めません」


 何処かで聞いた声だななんて思ってると


「ゼェ・ゼェ・・・・・・か・勝ったと思ったら・コホコホ・・・・・・・ヒフ~・・・・・・大間違いよ」


 こちらも聞いた声だ。

 だんだん土煙が収まりシルエットが濃く現れる。

 完全に晴れると胸に何やら抱えてるシェルビさんと・・・・・・緑を基調にした服装の金髪ツインの女の子が。シェルビさんは身体の大きさからか祭壇に乗らないで呼吸を整えてるようだ。

 片や祭壇に乗ってるこの小柄な女の子は・・・・・・誰だ? その疑問も二人――ゲンちゃんとラパンさんの言葉ですぐに解決した。


「お(がえ)り。ご苦労さまだったず」

「お帰り二人共。ワーゲが持ってないって事は二人で一つかな」


 なんとなく、なんとなくは解ってたさ。案の定女の子はワーゲさんの別形態だった。この人等が人間形態なると可愛いかイケメン過ぎて正直お腹いっぱいだわ。決して(ひが)みじゃないぞ・・・・・・けっ。

 帰って来た二人は呼吸を落ち着け、少し間を開け二人に言葉を返す。


「玄武様! 見て下さい、この大きさ! それに妹よりも早く持ち帰りましたよ」


 褒めて、認めてと言わんばかりに尻尾をひゅんひゅんと振り持ち帰った玄武鋼を突き出し誇る。その際目線はチラチラとラパンさんに。うむ、乙女だのぉ。

 シェルビさんの言葉に物言いとばかりに反論で噛みつくのはワーゲさん。


「ちょ・ちょっとま・・・・・・お待ち下さい、玄武様! 少し――ほんの少し先に着いたのは認めますが大きさなこの通り」


 少々薄い胸元・・・・・・失敬、そこから取り出した甲羅に手を入れて取り出すは玄武鋼。シェルビさんの大きさが赤ん坊サイズならワーゲさんのはその一回り大きい。てか、あんなのよく入ったな。

 こちらも例に漏れずラパンさんをチラチラ。トドメは


「べ・別に・・・・・・あんたの為に持ち帰った訳じゃないんだからね!」


 まさかこの世界で王道ツンデレを見れるとは。金髪ツインも高得点だが・・・・・・最後に「勘違いしないでよね!」これでそっぽを向けば百点満点だった。実に惜しい。

 と言う訳で勝者は・・・・・・俺が決めるんじゃないけどな。

 それぞれの言い分にうんうんと頷き


「そっがそっが、ほんにご苦労さまず」


 ゲンちゃんはニコニコ笑い労うだけで、その反応に戸惑う二人。「え?」「あのぉ~」と声を掛けるも


「ん? ほっかほっか、御使いの御褒美だの。その玄武鋼をあげるず。どう使うかは任せるず」

「「「・・・・・・えええぇぇぇええええぇぇ~~~~~!?」」」


 流石ゲンちゃん。上げてから落としおったわ。

 叫んで力が抜けたのか、二人はへなへなと崩れ落ち残念な顔を。

 それを見て苦笑いを浮かべるラパンさん。

 少し可哀想だとゲンちゃんにこっそり耳打ちするも


「あの丘って実はワシの甲羅なんだず。だがら御褒美に間違い(まずが)はないず。ただワシも後の事は考えてるあるず。ほれ」


 ぐんにょりしてる二人に近寄るラパンさん。それぞれ抱えてる玄武鋼をそっと取り二人にお礼を。そして


「ワーゲ、シェルビさん――いや、シェルビ。二人の力で僕を支えてくれないか」


 シェルビさんは呆気に取られ、ワーゲさんは少し悲しそうに。

 だがモテル男ラパンさん。何やらワーゲさんに耳打ちすると顔を真っ赤にし別な意味でぐんにょりとデレ――溶けた。やるぅ~。

 二人を落としてこちらに戻ってくると


「玄武鋼も手に入りましたし、明日は早速指輪を作りましょう・・・・・・ついでに僕達の分も」


 最後の方は照れながらも二人の分も用意すると堂々の宣言。それを聞いて更に真っ赤になる二人。

 なんと言ってワーゲさんの御機嫌を取りデレさせたのかは気になるが無理やり聞く程野暮じゃない。

 改めて乾杯といきたいがこちらも少々困った事が・・・・・・。


「えっと・・・・・・たつさん。私全然状況が解らないんですが・・・・・・クスン」


 土煙パニックで顕現したてのシーマが置いてけぼりになり悲しそうな表情を。むろん、全力で謝り許しを得たのは言うまでもないだろう。優しい女神で良かったよ。

 

 


 

 

 

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