小さい
依り代の事を聞くべく、りゅうを呼び出す為に携帯を。
取り出した物が珍しいのか、物造りの血なのかラパンさんが食いつき気味に覗いてくる。
クロも「なになに」とでも言いたいのか、きらきらした目で見てくる。
携帯一つでこの様子ならりゅうが出てきたら・・・・・・ちょっと面白そう。
若干イタズラっぽい顔しながら「よ~く見てろよ」注目を促す。
二人は無言でこくこく頷く。それを確認してりゅうを呼び出すと
「な・な・・・・・・え? え」
「ちょ? え? 可愛いし」
ラパンさんは思った通りの反応だがクロは案外な結果。
りゅうが丁寧に挨拶をすると驚きながらも丁寧に返すラパンさん。
クロはフレンドリーな感じで返しながら触れようとするも触れない事に驚いた。
「父さん――僕を使って驚かせようとしないで下さい。鈴鹿さんに言いつけますよ」
直ぐに謝り「それだけは勘弁」と懇願。その様子がおかしいのか二人に笑われてしまった・・・・・・ぐぬぬっ・・・・・・驚かせるつもりがこれか。
気を取り直してゲンちゃんから聞いた事、嫁ズに聞いた事を伝えると考え込み始めるりゅう。
暫くすると口を開き皆を集めてくれと頼まれた。とは言ってもそんなに離れている訳ではないので少し声を張り呼び掛けた。
直ぐに反応してくれたのは鈴鹿とシロさん。側に寄るなりクロと同じ事をして驚くシロさんにちょっと可愛いと感じてしまった。本人は少し恥ずかしそうだがそのギャップがまた・・・・・・。
そんなやり取りをしているとティアナとゲンちゃんが何かコソコソと話しながら戻って来た。
「いい! 絶対内緒よ」
「解ったず。シーマ様のい「それを言うなって言ってるの!?」」
何やらゲンちゃんの口を塞いで騒いでいるが・・・・・・何やってんだ?
傍から見るとじゃれているように見えたのか、嫁ズが頬を膨らませている。
「旦那様・・・・・・後でお話しが・・・・・・」
「ダーリン・・・・・・噛んじゃうよ・・・・・・」
これは下手に間に入ってはいけないと俺の幽霊が囁く・・・・・・。
懸命に身の潔白を晴らそうとあれこれ言うが二人はツーン状態・・・・・・ちょっと気持ち解るわ・・・・・・。
最後の方はりゅうを見て
「め・めんごい子だな。ん? 触れないず?」
誤魔化したな。多分皆もそう思ったんじゃないか。
これが功を奏したのか、同じ行動に二人も「「「ぷっ」」」と吹きだし笑い始めた。
笑われたゲンちゃんはん? とクエッションを浮かべたような顔をするも笑顔を浮かべた嫁ズに安心したようだ。
ティアナはティアナでこちらをチラチラと様子見するが、少々不安顔でゲンちゃんの側から離れない。
それはさて置き、皆を呼んだ理由を伝える為に改めてりゅうを紹介。思い思いに座り話しに耳を傾けてくれる。
一通り話し終えると何処かの件に感動したのか目を潤わせて
「ぞ・ぞうがぁ~、ごんなに思われてだずざんは・・・・・・ざずがはジーマ様だぁ」
ゲンちゃんの言葉使いがますます変・・・・・・特徴的に。
またしてもなでようと触れるも通り抜けるので「不憫だのぉ」と更に涙ぐむ。それを見た嫁ズはひしっと抱き着き、また劇が始まりそうなので先手を打って
「で、ゲンちゃん、依り代になりそうなヒントは解りそう」
さらりと聞いてみる。すると真面目な顔付になり
「りゅうちゃん自体がらシーマ様を感ずる。何が受け渡すなりすたがい」
ゲンちゃんの問いに少し悩み「あっ!?」何か思い出したのか様子。
「僕に力をくれた時に、保険としてスペアーキーを渡しました。それが何か関係ありますか」
りゅうの返答に笑顔で頷き手招きを。
単体では移動できないので携帯を持って側に。
手の平で優しく包むように両手を携帯――りゅうに・・・・・・お、ゲンちゃん、嫁ズ、りゅうが輝きだした。
その光景を眺める事数秒、光が止みいつもの状態に。
「これでワシ達の力を送ったず、何が変わっだどこは」
ゲンちゃんの問いに「少し待って下さい」と返し一旦中に戻って行った。
暫くすると表に出てきて
「父さん! メガナビ見て下さい」
無言で頷き携帯を操作するとメガナビの項目にアップデートの文字が。思わず
「アップデートって!? 女神様だろが」
我慢できずツッコンでしまった。まあ。携帯だから正しいのかも知れないが、そこはもっと――こう女神様らしい何かをね。
ツッコミを入れつつもポチッてしまえば今度は画面にキューピッド? 天使? が写り、弓を引き矢を放つ度こちらを向いて「少しお待ち下さい」などと・・・・・・ゲームのインストールか!?
鈴鹿は笑いそうになったが他の皆は真面目な顔で見守っている。ティアナは何故か少し離れて興味なさげに。
「テレレ~ン♪ 新しい項目を表示します」
ティアナを見てる間に終わったようで携帯を見るとシーマと新しく表示が。
喉を鳴らしそっと項目にタッチすると画面から白で統一された服装の小さい女性の姿が現れた。
「姿を見せるのは初めてですねたつさん。シーマです。この度は色々とすいません・・・・・・それとありがとうございます」
声色は最初に聞いた通り透き通るような優しい感じのトーンだが、あまりに小さく初見なので少し疑ってしまう。
表情に浮かんでいたのかりゅうの方から
「父さん、間違いなくおか・・・・・・女神様――シーマ様ですよ」
その言葉に追従するようゲンちゃん達からも小さいが女神様だと。
ここまで言われれば信じる他ない。改めて挨拶を交わそうとするとゴォオオと言う音と共に土煙が迫ってきた。一体なんぞ?




