色々ありすぎて
ラパンさんを取り巻いてた嵐――ワーゲさん、シェルビさんはゲンちゃんの手管により現在丘に御使い中。 おかげで一息と思いきや真面目な雰囲気でゲンちゃん、ラパンさんのさしでの会話が目の前で行われている。
嫁ズも意図を察してかゲンちゃんから離れ俺達の側へ。
手管と言えば嫁ズ達もなかなかで、気を使わせないようにとの配慮だろう、鈴鹿やシフォンを上手く接待している。
鈴鹿はシロさんと楽しげに会話し、シフォンはクロに進められた料理を食べさせられたり、可愛がられたり、傍から見ると仲の良い姉妹・・・・・・久々に来た従姉妹のスキンシップの方がしっくりくるかな。
ああ見えてもクロも母親経験してるとか。亀人生んだと聞いた時には驚いたけど少し納得も――ワーゲさんの強暴さは血を引き継いでると。更に確信したのは思わず年齢の事を考えた時の殺気のこもった笑顔・・・・・あれはワーゲさんが躾ける時の顔とそっくりだ。元魔族と言えども年齢は禁止のようだ。
こんな状況でもぶれないのがティアナ。股座に座ったまま退かない。
場にそぐわない格好を申し訳なく思うが、諦めてこのまま二人のやり取りを見守る。
最初は愚痴から始まっていたが今では弱きな発言が。合わせるようにトーンも下がっていき、所々ぼそぼそと何やら話している。
話し終えたのか少し間が空き
「ラパン、おまえはワシを救ってくれた卯人の祖先のように優しき心を持っておる。だが奴は時に厳しくもあった。何せワシに説教を喰らわせたのだからな。その血を引くおまえなら受けるも断るも自分で判断できるはずだ。聞く事はできるが――決めるのはおまえだ・・・・・・すまんな、ワシは話し下手でこんな事しか言えん」
ラパンさんが目を丸くして驚いている・・・・・・同じく俺も。
ゲンちゃんが普通に喋った――あのひょうきんな話し方ではなく。
そんな驚きも束の間
「まあ、ワシもたつさんもこの通りだべし、ラパンさんも仲間に――な」
さり気無く俺を巻き込み、こちらを向いて喋る時にはいつものゲンちゃんに戻っていた。
ラパンさんもラパンさんで驚きから復帰すると、すっきりしたのか笑い始めた。
想像かも知れないが、ゲンちゃんはゲンちゃんで溶け込む為にわざとあんな話し方にしたんじゃないかな。聞いた話しでも威厳たっぷりそうだったし。
あの手管もその過程で覚えたのか。魔族って事から背けさせるように。
二人を離れさせた時もそれらしい事を言ったが決して婚姻させるさせないとも、先に持って来た方がなんて事も言ってないので本当に御使いだ。帰ってきたらどうなる事やら。
男同士の話しを終えて宴の輪に戻ってくる二人。
ラパンさんは隣に座ると照れて謝罪をしてくるので無言でカップを持たせた。
首を傾げ不思議そうにこちらを見つめるが、こちらも顔の辺りまでカップを持ち上げると察してくれたのかコンッとカップとカップを打ち鳴らす。
一方のゲンちゃんはシフォンの元に行くと二、三言葉を交え頭をなでると俺の元に
「いやぁ~、流石たつさんだず。白寅を共にしてるどわ」
一瞬何を言われたか解らなかったがシフォンの事だと思いだし「そうなの」なんて軽く返してしまった。
「ワシも久々に四獣の同士に会いますたわ。あははは」
思わず飲み物を吹いて咽た。
ごほごほ咽ていると心配して側に来た鈴鹿が背中を擦り、吹いて被った飲み物を気にせず甲斐甲斐しく世話をしてくれるティアナ。
なんとか落ち着き謝罪するも「大丈夫」と返してくれる。鈴鹿はもちろんだが、こう言うとこはティアナも可愛かったり――って違う! シフォンの事だよ。
おさらいとばかりにもう一度ゲンちゃんに聞き直すと知らなかったのみたいな顔で驚かれたが知らなかったよ。
手招きでシフォンを呼ぶも料理に夢中で気付かない。気付いたクロが抱えて連れてきてくれた。お手数お掛けします。
改めてシフォンに四獣の事を尋ねると、口に含んだ料理をもきゅもきゅと咀嚼し飲み込む。
「んみゅ? たつに最初に言った。白寅だって」
最初に聞いたがそう言う種族だと思うだろ? 普通は・・・・・・。
ちなみにシフォンの事を聞いた二人――鈴鹿とティアナの反応は至って普通で
「そうなんだ。凄いねシフォンちゃん」
「道理で白いのの匂いが・・・・・・」
特に驚く様子もない・・・・・・俺だけかい!
少し不貞腐れた感じでシフォンを見るとゲンちゃんが
「白寅に関すては少し特殊だがら・・・・・・ほいでシーマ様は」
え? なんでそこにシーマが?
ゲンちゃんの言葉に疑問を浮かべると以外なとこ――クロからのありがたい言葉が
「ダーリン。多分たつは解ってないからちゃんと教えてあげたら。てかあ~しが教えてあげようか」
見掛けによらず優しいクロに感謝し、四獣の事を教えてもらう事に。




