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あら、イケメン・・・・・・

 玄武鋼を殴った時より、幾分早い統一から行動を起こすラパンさん。さっきは叫び、おまけにワーゲさんの愚痴を吐きながら動作に移ったが、今回は歩くように近づき手の平をトンと言った優しい感じで水晶に触れる――瞬間、ピキピキピキと音を立て蜘蛛の巣状にひびが広がっていく。

「ふ~」息を吐くラパンさんを(ねぎら)い、メリケンを嵌めず何故殴らないのか聞いてみるとあっさり。


「玄武鋼を折る勢いでやると砕け散って危ないですし・・・・・・それに商品にするにも加工しづらくなるので優しく扱うんですよ」


 あれで優しいのか・・・・・・鬼の顔が背中に浮かぶ格闘家もビックリだな。

 ひびは入ったものの、依然として水晶はそのまま。この後はどうするんだ。

 顔にでていたのか、こちらに向かってにっこり微笑むとピョンとジャンプするラパンさん・・・・・・兎だけに。軽々天辺まで跳び指で突く――ピシッガラガラガラ。すべてと言っていい位に均等の大きさになり、積み木のように崩れていく。一つの固まりが、大体女性の腕の長さ、太さ位だろうか。もはや神業。

 数秒程でその光景が過ぎ、思わず拍手したくなるが目的は別。崩れた水晶の固まりを除けないとな。

 崩れた水晶の固まりを無造作に掴み持ち上げる――おっ、ちょっとした重さだな。これは重労働になりそうだ。そう思った時・・・・・・鼻歌でも聞こえそうな様子で次から次へと水晶を除けるラパンさん。

 ひょい、ぽん、ドスッ・・・・・・最後ドスッって地面に刺さってるがな。てか――優しく扱うは何処へ。

 これまた顔にでてるのかにっこり微笑み


「こんなにあっても持ち帰れないからね。残りはその辺に刺してまた生えるのを待つんです。これがここのマナーですよ」


 知ってたかい? 水晶って生えるんだって。植物図鑑に増やすよう・・・・・・んな訳あるか。流石異世界。

 ラパンさんのようにはできないので、持てるだけ持ってえっちらほっちら運んで刺すを繰り返す。

 あらかた片付くと水晶の後にぽっかり穴が見えた。そこに向かい声を掛ける。


「おおっ! すまんずすまんず。ありがとない」


 申し訳なさそうな声で感謝の声が返ってくる。暫く様子をみてると


「よっこら――ふんす」


 掛け声と共に背の低い男――と言うより子供が出てくる。こちらに顔を向け笑顔を一つ・・・・・・凄く驚いた。あの独特の喋り方とは裏腹に・・・・・・美形――所謂(いわゆる)イケメン。

 男の俺でさえ、そう思うのだから異性から見たら・・・・・・。

 エメラルドグリーンがそのまま当て嵌まる髪の色。程よい長さが更に顔を引き立たせる。

 こちらを見つめる目も同色で思わず引き込まれそうだ。綺麗なんて言葉が陳腐に思える。

 黙って居れば同姓でさえうっとりしてしまうんじゃないだろうか・・・・・・そう黙って居れば・・・・・・。

 俺が男と解っていたのは声を聞いてたからで、聞いてなければ迷っただろう。しかし現実は・・・・・・


「いや~助かったず。本当にありがとない。ワシこのまま・・・・・・ああぁぁ~!」


 突然イケメン子供、略してイケコが叫んだ。びくりと身体を強張らせる。

 トテトテと音が出そうな歩きでこちらに近付き服の端を掴む。


「助けてもらって図々しい願いなんだけんども――ワシの嫁っこたづ探してくんなが」


 少し潤んだエメラルドの上目にドキッとしながら事情を聞く事に。

 ふんふん、何々、この穴の下に住処があり寝て起きたらデリケートな部分に水晶が。自力で抜けようとしたが力が入らず困った。それで嫁達が助けを求めに巳の村へ行ったが帰って来ない・・・・・・待て――嫁()・・・・・・嫁でもびっくりなのに達ときたか――流石イケコ。今流行りの「見た目は子供・・・・・・」ってやつか・・・・・・え? 違うって。

 このままほっとくのもあれだし、確か巳の村は隣だし。

 ちらりラパンさんを見ると


「採取は途中ですが助けてあげましょう。なぁに――乗りかかった船です。べ・別にわわわ・ワーゲなんて怖くないですよ! え・ええ! ゼンゼン」

 

 凄く格好のいい台詞なのに膝が震えてる・・・・・・あんな凄いのに――ワーゲさんはもっとって事か。

 成り行きだが人助けといくか。もちろん、ラパンさんのフォローもな。

 



 

 

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