こっそりは無理
目的の人物はからは、アドバイスをもらえなかったが、思わぬ方から頂けた。流石はエフワさん。鈴鹿の母上なだけある。ここは称えてさすははと呼ばせて頂こう。
それでも解決といかないのは、鬼族が互いに加工――そう、自分で作成する訳だ。
加工専属の鬼人がいない、むしろ、自分のペア以外には作らない。例え家族であろうと。
元の世界なら自分で作れるお店はあるが、無い物ねだりな訳で。
『ん~』唸りながら腕を組み・・・・・・左腕のバングルが目に入る――――そうだ!? ノム爺!
バングルに向かって呼び掛けると小さいノム爺がひょっこり現れる。
「ふぉふぉふぉ。どうしたんじゃ」
かくかく、しかじか・・・・・・丸書いてちょん。現在悩んでる状況だと説明する。結果、加工はできるとの事。
調子に乗って、指輪もできるか聞いてみたが、現物を見てみないと解らない。そうだよな・・・・・・。
生憎、俺の指輪は死別して以来、位牌と一緒に置いてあるので今は着けていない。
(まあ、加工できるだけありがたい。指輪に拘る事もないか)
納得しかけた時、ノム爺から物作りの獣人の話しが。
その獣人とは卯人。加工から作成までなんでもござれだとか。
獣人達が使う道具なんかも、ほぼほぼ卯人が関わってるそうだ。確かに・・・・・・未人が服作りで道具を使用していたな。
それともう一つ、巳の種が祀っている聖獣――玄武。唯一番を持ている聖獣で、ここで採れる玄武鋼を加工し、送るのが獣人達の婚約にあたる・・・・・・おおぉぉ、御利益がありそう。
しかも、幸いな事に両者、隣同士だとか。降って湧いたような話しだ。今の俺には最高である。
指輪でなくても、これなら納得させられるプレゼントになるだろう。
ノム爺にお礼を言い、りゅうを呼び出す。声のトーンから何か感じたのか「機嫌がいいですね」そう言いながら出てきたりゅうに礼の物をお願いする。
せっかくなのでドリーも呼び出し二人に。それをじっと見るセレナ。
「いるか」聞けばこくこくと凄い勢いで頷くのでお裾分け。むろん、エフワさんにも。
ばっちゃのおにぎりと汁は大人気だな。微笑ましい光景を見ながら卯人の村へのルートをメガナビで検索。
「杜の中心ですね。少し遠いかと」
遠いか・・・・・・。本当ならこっそり準備したかったが・・・・・・仕方ない――鈴鹿達に事情を説明して行くか残るか決めてもらおう。
締まらない俺らしいか。




