風の精
「皆さん━━準備はよろしいですか」
「「「はい」」」
そりゃ、あんだけ時間掛かれば準備もOKだろうさ。なんだかんだ待ちましたよ。ええ━━茶をたぷたぷに飲む位。ピノをなでながら飲んでたら・・・・・・つい。
前は雑になでたが、今回は膝に乗った状態で手が・・・・・・。途中ふにゃふにゃになってるピノを見て、悔しそうにしてるティアナの目が。
なでなでとお茶のコンボはスパイアが来るまで続いた。
館にはエフワさんとシフォンが残る。エフワさんは館を空にはと大人な。一方、シフォンは興味がない。ばっさりですな。
りゅうにメガナビで調べてもらったが、距離も近いしさくさく行けそうだ。
居残り組みに挨拶をし、スパイア先導で裏手に周り、杜の入り口へ。
ピノが抱えられてるのがうらやましいのか、時折ちらちらと視線をよこすティアナ。流石に無理だからね。
着くなり、風の精を呼ぶと、大きく息を吸い
「シルフ先生お願いします」
至って普通に呼び掛けた。前の動作いらなくないか━━てか、霊種って息してるのか。
呼び掛けに応えてくれたのか、ひゅうっと一陣の風が吹きシルフが現れた。
「どうもっす。スパイアさん用事すか」
・・・・・・なんかイメージと違う喋り方なんだが。
スパイアとピノが、いつもと違うみたいな事を言ってるので、俺のイメージなんだろう。喋り方はデフォらしい。がっかりだ。
二、三挨拶を交わし、こちらを向くシルフ。
「この前お疲れ様っす。服できたすか? 女神様のわがままにも困るっすよね」
ピノに挨拶する律儀な精霊・・・・・・でもな━━そこにわがまま本人居るからな。丁度、スパイアの影に隠れて見えてないと思うが・・・・・・ほら、顔にも影が・・・・・・その笑み怖いんですが。
「わがままでごめんなさいね」と言いながらスパイアの脇に出てシルフを見つめる。「げっ!?」と声を上げわたわたしだし始めた。ぽんと手を叩き、何かを言おうとした瞬間、がっしりと聞こえそうな勢いで掴まれ
「わがままついでに━━未人を呼んで来てくれるかしら・・・・・・それはもう急いで」
こちらからは顔が見えないが、シルフの怯えでなんとなく察する。強くあれ。
スパイアはスパイアで役目がみたいな目で俺を見てくるが、黙って首を横に振り応えた。
そんなやりとりをしてると「急いで行って来るっす。それは風のように」と声を残し杜の中に。いや、風って風の精だろ。流石にこれはツッコムよ。
どれ位で来るのか尋ねようとすると、シルフが戻って来た。はやっ!?
「伝えて来たっす」
あれ、呼んで来てくれるんじゃ・・・・・・。疑問に思っていると「急いでって言われたんで伝えるだけ伝えたっす。じゃあ」と言いながら逃げるように消えてった。ティアナが脅したからか。じと目で見ると、何事もなかったように「待ちましょ」と言いスルーされた。こいつだんだん強くなってきてるな。
とりあえず待つしかないか。なんかこんなんばっかりだなと溜息を吐いた。




