夢の後
「勝負だ! おまえを抜いて必ず取り返す!!」
「ふみゅ━━このチータラ一本食べ終えるまで片付ける」
懐からチータラを取り出し咥え始めるシフォン・・・・・・舐めやがって。吠え面かかせてやんよ。
「んみゅ・・・・・・いつ跨いでも遠子は最高━━みゅふん」
「ありがとうございます。マイマスターシフォン」
手塩にかけて整備し、愛情を注いだはずの愛車・・・・・・遠子が━━なんでだ、くそ!
目を覚ませ、戻って来いと呼び掛けるが梨の礫 。返って━━帰って来ない。
力なく項垂れ、踵を返し歩を進める。
「最初に裏切ったのはたつさんよ・・・・・・隅から隅まで━━私を━━私を・・・・・・それなのに・・・・・・」
淡々とした口調で恨み言を吐かれ、誤解を解こうと、振り返ようとするが━━何かが邪魔して振り返れない。おまけになんで揺れるんだ! 止まれ! いや! 動け!
止まるのは揺れで動くのは俺でいいんだあぁぁぁ~~・・・・・・
「あああぁぁぁ~~」
叫びながら上半身を起こし、きょろきょろ見渡すが、暗くてよく解らない・・・・・・あれ、さっきまでの光景と違う!?
「夢か!? それにしても変な夢だった・・・・・・遠子の事考えてたからか」
呟き、思い返す━━夢の中のシフォンに腹が立ってきた。妙な台詞を吐いて、どや顔で遠子に跨りおってからに。
バイクに適応されるか解らないが・・・・・・若干、寝取られされる主人公の気持ちが・・・・・・いかんいかん。
りゅうに頼んで照らしてもらい、枕元に置いてある拳大の鉱石に手を触れた。途端、石を中心にドームの様に点灯した。前日は驚いたが、二回目だとこう言う物だと。不思議には思うけど。
明かりを着けて振り返ると・・・・・・ベッドの脇に蹲ってる物体が━━髪の色で解るけどな。
何をしているのか尋ねると、ゆっくりと此方に向き、悪戯が見つかった子供のような顔で説明し始めた。
「その━━起こそうと揺すっていましたら・・・・・・叫び声を上げながら起きたので・・・・・・驚いて・・・・・・」
そして、縮こまっていたと。そこまでは理解した━━が、何故こんな暗い時間に起こそうと・・・・・・まさか!? 噂で聞いたYO・BA・Iか。
身体を自分で抱くようにして少し後退りすると「ち・ちちち違いますわ」と慌てて否定してきた。
疑いの眼差しでティアナを見る・・・・・・無言の空気が流れる。
暫くして、ふと話し始めた。
「この先、二人きりで話す機会があるか解らないので━━少々強引に・・・・・・」
えっ、顔をぽかんとさせると「少し真面目な話しですわ」と前置きし話し始めた。




