できる子
二度目の夕食を御馳走になり、セレナにお礼を言うと「作った人にも言ってあげて」と蟻人を連れて来た。
名前をスパイクと言い、料理や調味料を作るのが趣味だと。
触覚と黒い鎧みたいな身体以外は、ほぼ人に近くセレナと似た感じだ。
こちらもお返しにと、ばっちゃのおにぎりと汁を、りゅうに頼んで出してもらい、スパイクに渡すと「新・感・覚」と喜んでもらえた。何よりだ。
転生した蟲人の御先祖様が、ある程度似た食材、調味料は伝えてたが、流石に酒や味噌、醤油の完全再現まではいかないようだ。
このおかげで「スパイア」「たつ」と呼べる位に仲良くなれたのは嬉しかった。やっぱばっちゃの飯はチートだわ。もちろん出してくれたりゅうも凄いので、褒めてお礼を言う。
やり取りを見てたティアナが「たつ様・・・・・・その子は」と聞くので「自慢の息子だ」と
「初めまして。あなたの義母になる女神のティアナです」
流れるような動作で綺麗におじぎをし、さらりと義母発言。驚かないりゅうに尋ねると
「大体はこの中で聞いてましたので。それと━━ティアナ様。申し訳ないのですがお母さんはシーマ様だけなので出来れば・・・・・・その━━姉と呼んでいいですか」
最初、シーマがお母さんと聞いて不機嫌になったが『姉』と言う単語を聞くと、急ににこやかになり「ええ、姉で・・・・・・良い響きだわ」とトリップしていった。姉ばっかり増えて呼び辛くないか。
そこは賢い子りゅうである。
ティアナを大姉とし、遠子は姉、シフォンを小姉とした。
どんな基準で決めたのか聞いたが「えっと・・・・・・怒られそうなので内緒にして下さい」と言い、こっそり教えてくれた。なるほど・・・・・・女性に聞いちゃいけないタブーだな。
聞かれたらどうするんだと返すと
「女神様だから一番上で、姉さんと小姉は会った順で」
りゅう━━恐ろしい子・・・・・・口は上手い、気も使える、優しい━━おまけにシーマにチート貰ってるし。
いっそ、りゅうがこの世界を周れば━━何もかも上手くいきそう。
にこにこと笑顔を浮かべながら「父さんが居てくれたからですよ」と。フォローは嬉しいけど、考え読まんといて~。
そう言えば遠子は、と聞くと。鈴鹿は別として、俺に嫁さん候補が出来たと聞いていじけてるらしい。上手く機嫌取らないとな。
どうやって機嫌を取るか考えながらセレナに先に休むと伝え、貸し与えられた部屋に。
ベッドに横になり考えてると、睡魔に襲われ、そのまま・・・・・・
小さな声で「お疲れ様です。父さん」とりゅうの声が聞こえて意識を手放した。




