爆弾は思わぬ所から
我に返り、隣の女神━━ティアナを落ち着かせることに少々手間取った。始終、責任やら婚姻と言ったワードを口走り、更に襲われそうに。混乱から立ち直った鈴鹿とエフワさんがなんとか留めなければ・・・俺はお婿に行けない身体になっていたに違いない・・・・・・ちょっと怖かった。
そんなやりとりも鎮静した頃、飲み物を持って来たセレナが何かを察したのか「えっと~━━状況が解らないんだけど」と言いながら皆の前に配膳し席に。すぐに手をつけ「ふ~ふ~━━んみゅみゅ」と御満悦であるシフォンを見て、悩みがないっていいなと思いつつ俺も一口━━美味い。
飲み物の事をセレナに尋ねると、自ら花の蜜をいろいろ集め、薬草と一緒に混合した物であると。さしづめ混合茶かと呟くと「もしかして気に入った」と聞かれ頷く。
「セレナ━━これ、あるだけ頂きたいわ・・・・・・た・龍人様━━ま・ま・毎日━━わわわ・私が淹れますわ」
小声で「きゃっ、言っちゃいましたわ」とか言いながら両手で顔を隠し体を左右にくねくねするティアナ。それを見聞きし、ぽかんとなるセレナに首と手を振って「ないない」とジェスチャーで伝え、そのまま助けてくれと周りを見るが・・・ピノは全然反応しないし、シフォンは例外・・・・・・セレナに関しては目を逸らされた━━残るは鈴鹿親子。
縋る様な目で見つめると、エフワさんは苦笑い・・・・・・鈴鹿さん━━あなたが希望だ。
察してくれたのか、微笑み頷くとティアナの正面に向く。
「ティアナ様。そちらの男性は私の良人です。いくら女神であろうとそれはよろしくないかと」
鈴鹿の言葉を聞くなり、くねくねからすっと素面に戻り、若干不機嫌な様子になりながら
「あら、リザルトに聞きましたけど━━まだ約束の段階ですわよね。ふっ・・・それを良人だなんて・・・・・・。私なんて頭をなでられ・・・そ・それに・・・・・・き・きききしゅまで━━━━こほん。私の方が相応しいと思わない」
「こちらでは約束ですが、私とたっ━━龍人さんは前世で結婚しており、病死した際、こちらに転生しております。女神様の言葉をお借りすると、私の方が相応しいとなりますが。なにせ前世からとなりますし」
「・・・・・・・・・・・・え」
こちらを向くティアナに黙って頷くと涙目に。悪い事をした訳では無いが罪悪感が・・・・・・。
鈴鹿も困り顔になり「どうしよう」とこちらを見る。すると、今まで反応らしい反応をしなかったピノが一言。
「それなら~お二人共すればいいじゃないですか~」
えっ。と驚くと続けて
「ん~妖人━━特に蟲人は~多妻、多夫多いですよ~」
「そうなの」と見渡すと、セレナが頷き何故かシフォンまで「みゅ、獣人も」・・・今は聞きたくなかった・・・・・・。おまけにエフワさんから「家は違いますが、そうですね」と・・・未来の義母さん・・・・・・いいんですかい。トドメは涙目で見上げるティアナから・・・・・・
「そうですわ━━神界だって・・・た・龍人様・・・・・・」
鈴鹿を見ると「あきらめて」と言わんばかりに苦笑いを返された。他も同じ様な反応で逃げ場は無い様だ。どうしてこうなった。
涙目のティアナに向き直し、しどろもどろになりながら今の気持ちを正直に話すと「ダメじゃなければいいのですわ」と泣いた烏がなんとやら。ある意味、妖人のボス的な女神と・・・・・・こうなった訳だからシーマの手助けにはなったのかと、無理やり納得する方向で。それと━━さらっと爆弾落としてくれたピノには、お礼と言う名の、わしゃわしゃなでなで攻撃を。
「はふ~ん」と声を上げ、されるがままになってるのを見た鈴鹿が一言。ぼそっと「また増えるかもよ」。
俺は慌てて離れたのは言うまでもないだろう。




