幕間 その時女神は
私は、去って行く彼をぽぉーと見つめてた・・・・・・
本当は聞きたい事もあったのに・・・・・・
それに━━あんなに優しくしてもらったの・・・生まれてXXX年・・・・・・初めて
(そんなに可愛いのに━━ほら、これで元通り。他の女神も裸足で逃げ出すよ。キラッ)
さっきの状況が頭に浮かんで・・・また消えて・・・・・・気付けば、見えなくなるまでその場で佇んでいた。
「━━名前・・・なんて言うのかしら・・・・・・」
そっと呟いて、はっと気付いた。
「・・・そう言えば鬼族の娘が『たっちゃん』とか親しげに・・・・・・」
そうなれば・・・・・・
女神、と言う立場も忘れ、がむしゃらに走り出す。向かうはリザルトの部屋。途中すれ違ったり、ぶつかりそうになった妖人達が『ひっ!』『あわわわ!』『はぁはぁ━いい!』とか言ってましたが、華麗なる女神走りで避けて除けて踏ん付けて一直線ですわ。
乱れた息のまま、扉をどぉばぁんっと左右に勢いよく開き部屋に入ると、「な・何事だ!?」と目を開いてこちらを見る。目が合うと、今度は「えっ!?」と首を斜めに。
息を整えながら近づいて行く。
「えっ・あの~━━ティアナ様・・・・・・お帰りになったのでは」
リザルトが座っている、目の前のテーブルへ勢い良く両手を、ばんっと打ちつけた。体をびくっとさせ驚いているが構わずに
「ここに人間が来てたでしょ。名前を教えなさい。それと鬼族の娘が一緒に居たけど何処の誰なのか調べてちょうだい」
早口で捲し上げる。リザルトは「えっ!?え!?」と混乱してる様だけど
「迅速且つ速やかに急いで早く」
更に捲くし上げ、呼吸をぜぇ~ぜぇ~と荒くしていると、ぽかぁ~んとしたまま
「え・えっとですね・・・・・・龍人くん━━の事でしょうか」
名前━━ゲット!!ですわ~。心に刻んで、脳内に保護付き記憶補完完了ですわ━━はぁうぅぅ。
龍人様、龍人様、龍人様と頭でリフレインさせていると
「そ・それでですね・・・鬼族の娘ですが・・・・・・」
『鬼族の娘』と言うフレーズで我に返り、緩んだ顔が素面に。「こほんっ」と咳払いをして問い返す。
「━━私の娘です・・・・・・はい」
「・・・・・・それで━━どう言う関係なの」
「婚姻を約束「あ”あ”ん」」
ひっ、と短く悲鳴を上げてるがそれどころでわないわ。━━『婚姻』だ・と!?生まれてこの方『O・TU・KI・A・I』すら、した事がない私を差し置いて。ええ━━そうです、そうですとも。年齢イコールですが何か?たまにしか戻れない神域で神コンに行けば・・・・・・「年上はちょっと」だと。
はああぁぁ。たかだかXXXで何が年上ですか。これだから創生後生まれは。
同期の女神は女神で、異世界管理だとなかなか出会いがないとか言いながら━━勇者と結婚しましただぁ~・・・裏切り者が・・・・・・闇落ちしてしまえ!
「こうなれば・・・いっそ・・・・・・うふ。うふふふふふ・・・・・・あら。何をそんなに身を縮こまらせて。それもそんな隅まで行って」
何をそんなに震えているのかしら━━そうだわ。
「それで、リザルト。龍人様は何処に向かったの」
「む・蟲・・・・・・蟲人領へです!」
「そう━━解ったわ。ありがとう」
行き先も解ったし・・・蟲人領なら丁度・・・・・・うふふふふ。
そして、私はリザルトの前から、ふと姿を消した。




