天然
「そう言えばお父様、お母様は」
「ああ、エフワは今蟲人領に行っているよ」
リザルトさんの愚痴やらなにやら聞いていると、鈴鹿がお袋さんの事を聞いた。居ないから、もしかしてと考えたが御存命の様だ。どうやら他のとこに居るらしい。これはお袋さんにも挨拶をしないと。
戻りの事を聞くと、暫くは帰って来ないとの事だ。う~ん。
すると、リザルトさんから会いに行ってはどうかと提案が。場所も然程遠くないとのことだ。鈴鹿も折角だしと俺を見る。頷いて同意すると笑顔で「お父様、会いに行ってきます」と腕を引っ張ってせっつく。その姿を見て「落ち着いて行ってきなさい」と苦笑いを浮かべるリザルトさん。
俺は引張られるままドアまで行くと「またゆっくり来ますね」と挨拶をして部屋を後にした。その際
「もう尻に敷かれてるね・・・・・・」と聞こえた様な━━あっちに居た頃からです。
トラックに戻ると・・・・・・ん、シフォンと誰か居る。誰だ。
そのまま近づいて行くと、シフォンが気付き「んみゅ、おかえり」と。誰かもその言葉でこちらに振り向く。綺麗な子だな。身長が高ければ美人と言う言葉がぴったりだな。
そう思いながらシフォンに「この綺麗な子は知り合いか」と尋ねると何故かその子が「えっ、綺麗!?」と、もじもじし始めた。あ、可愛いな。
シフォンが「さっき知り合った」と答えると同時に腕をトントン指先で叩かれる。そちらを見ると鈴鹿が耳打ちで「あの方━━妖人の女神様だよ」と。
あの子が、リザルトさんが愚痴で言っていた女神なのか。イメージと違うので二重に驚いた。
丁度いい、聞いてみるか。
「えっと、女神様でいいのかな」
尋ねた事でもじもじからハッとかえり、少々動揺気味に返答が
「え・ええ、そうよ。わたひゃ・・・・・・私が女神ティアナよ」
噛んだのを誤魔化そうとキリッとしてみせるが、顔が赤い。おまけに正面を向いたから解ったが口の端っこになんか付いてるぞ。
ポケットから手拭を出して近付き、少し屈んで拭いてやると「ん!?な!?」とかまた動揺し始めた。
その際
「綺麗だし、可愛いだからちゃんとしておけよ。それとな、妖人とか拘らないで仲良く出来ないか。リザルトさんも困ってたぞ」
シフォンに話すみたいになったが、言い聞かせてみると無言でコクンと。素直じゃないかとつい頭を撫でてしまった・・・・・・凄く顔が赤くなってます。流石に子供扱いみたいになったかと謝るとまた無言でコクンと頷いた。解ってもらえた様なので「またな」とトラックへ向かう。すると鈴鹿が一言
「たっちゃん・・・・・・女神様相手に凄いね」
あ、そうだった。途中からすっかり忘れてた。まあ、結果オーライと言う事で。




