御覧頂けただろうか?
着いて早々、唖然とした。
森なんかに放置された物に、蔦が絡みつくのは解る。これはどう見ても━━木その物だろう!?
俺はバイクに跨ったまま、驚きで固まってしまった。
暫く、驚きで固まってると、ポケットからノム爺がひょっこと出てきてそのまま降りて行く。そのおかげで我に返った。慌ててバイクから降り、シフォンに乗っててくれと御願いする。コクリと頷いてくれたのを確認し、ノム爺の後を追った。
ノム爺が、巻きついてる木に触れて語りかける。
「久しいな。ドリアード・・・・・・この様子だと元気そうだの」
語りかけた部分から、カイワレ大根みたいなのが出てきたと、驚いていたら、どんどん大きくなって、少しづつ人型っぽい感じになっていく。俺が想像したからか、やはり某ゲームに近い姿の木の精霊が姿を現した。
「ほほほっ。たつさんはこの様な姿を思い浮かべたのかな。ワシに続き、また可愛らしい姿じゃの」
ノム爺さんが笑いなが手招きしているので近づいて行くと
「・・・・・・久しぶり」
のんびりした声が聞こえてきた。思わず立ち止まり
「え、久し・・・ぶり・・・・・」
疑問しながら答えると
「━━君じゃない・・・・・・誰」
勘違いってやつですね。凄く恥ずかしいです。
赤面しながら近づき、ノム爺さんの隣に並ぶ。
「ほほほっ。こちらはワシの友人のたつさんじゃよ。縁があっての。それでドリアードや、今日は願いがあって友人を連れて来たのじゃが、聞いてくれるか」
「・・・・・・願い」
「そこからは俺が話すよ。ノム爺ありがとう」
紹介はされたが、改めて、挨拶と自己紹介をし、トラックに巻きついてる木と、走行に必要なだけ木を避けてくれないか御願いしてみる。じっと、こちらを見つめているので少々居心地は悪い。最悪「なに見とんじゃいコラッ!」なんて言われたらどうしようかと思ってると、「━━いいよ」とのんびりした返事が。一瞬がくっと崩れそうになったわ。なんだ、どこぞのお笑い芸人か!?
喋り方とは反対に、その後の行動は早かった。ドリアードが指を上げて振ると、音もなく木が動き出した。その光景に驚いていると突然「━━僕もドリーでいいよ」と話し掛けてきた。
「お、おう。ドリーありがとうな」
「━━うん。・・・・・・これ」
木のわっかを差し出してきた。これはと尋ねると、この先何かあれば呼んでと言って、姿を消してしまった。訳も解らずノム爺を見ると、「気に入られましたましたな。木だけに」って、ブルータス・・・・・・おまえもか!?
「たつさんは、不思議な方ですな・・・・・・。どれ、そのわっか貸して頂けますかな」
言われるまま差し出すと、手に取りなぞり始めた。一周したかと思うと光ってバングルみたいな形に。おまけにノム爺から貰った石の欠片まで付いている。
「ほほほっ。この方が持ち運ぶより楽でしょう。ノームは加工も得いじゃて。何かあればまた呼んでくだされ。」
言葉を残してノム爺も戻っていった。さて、漸くトラック始動だな。待ってろよ、鈴鹿。




