惚れた弱み。誤魔化しきれません。
凄く舌が痛い。某カタツムリみたいに悠長に「噛みました」なんて言えないわ。涙目でひーひー言ってると鈴鹿がにやけた顔で「大丈夫?」と。何故ににやけてるんだ。
痛みのおかげである程度冷静になると、俺この場でとんでもない事言おうとしてたんだな。とか思い、ちょっと悶えてしまった。すると鈴鹿が「それで何を言おうとしてたの」と聞いて来たので誤魔化そうとあ~とかう~と言ってるとにやにやしてやがります。これは反応を・・・・・・何言おうとしてるのか半分解っててあえて聞いてきてる。くっころさんの気持ち解るわ~。さて、どう誤魔化すか。そうだ。
「あ~あのだな、妖人と獣人をまとめてるなら、その~あれだ。仲良くとはいかないかと」
我ながら上手い。そう思ったのだが、鈴鹿はじっとこっちを見つめると、またしてもにやけ面。「本当にそれが言いたかったのかな」とか思ってるんだろうな。でも負けない。男の娘・・・・・・じゃなかった、漢だもん。
暫くにやけ面だったが、ふと素の顔に戻し
「私個人で言えば良き隣人、それ以上にはなりたいわ。妖人では杜で十全に動けないし。」
ん、森じゃなく杜?なんでだ。疑問に思い聞いてみると「私よりセティアさん、シフォンさんの方が詳しいじゃないかしら」と。二人に顔を向けると首を傾げられた。何でだ。
するとセティアが「知ってて杜居たんじゃないのか」と。知っててと言われても急に森の中だったからなと言うと、「ハァー」と溜息をついて簡単に教えるから良く聞けとの事。
何で杜かと言うと、四種族が獣神を祀って森を守護して貰ってるから、それで獣人は森の中でも迷わず互いに行き来が安易に出来ると。逆に人間や妖人が入ると迷ってしまう為、おいそれと手出しが出来ない。例外としては獣人に案内、若しくはシーマ、獣人の女神の加護ある場合は大丈夫だと。その為、獣人は感謝と敬意を込めて杜と呼ぶ。そこまで聞いて口を挟む。
「トンチンカンが案内して嫌がらせしてたのか」
「それは無理よ。奴等種族を妖人に変えたからティアナ様の加護になってるはず」
嫌がらせと聞いて鈴鹿が反応する。具体的に何されたのかと。
「あいつら川を塞き止めたんだよ。あたい等は献上品で酒をって言っただろ。おかげで水汲みに遠い場所まで行かされたよ。」
あ、鈴鹿の背中に鬼が。流石鈴鹿御前。鬼が鬼を纏うとかジョー星一家もびっくりだな。それでも落ち着いて「改めて謝罪と・・・宜しければ友好を・・・・・・」と。
セティアは「あんたは信用する。たつとも何か縁があるんだろ」と言うと、鈴鹿がこっち向いた。あっ、やぶぁいぱてぃーん。誤魔化したと思ったのに。こうなりゃ自棄だ。
「い・色々やる事あるんだけど・・・その・・・・・・あれだ、一緒に協力してくれ」
それだけ言うと、鈴鹿が素早い反応で「協力は勿論だけど、それは一緒に居たいって事」と聞いて来たので漢らしく小さな声で「ハイ」と。聞いた瞬間またにやけ面だ。おまけにセティアまでにやにやしてやがる。コンチクショー。こちらが悶えてるとまたしても鈴鹿さん。
「今はそれでいいとして、一緒に居るならここ離れないとだから、お父様の所にまた報告に戻らないと。たっちゃんも一緒に来てくれるんだよね」
え?そうだった。鈴鹿は今妖人で親も居るのか。ランディ達の事もあるから相談してそれからだな。
それと、いい加減にやにややめれぇ~!!




