ランディの回想
寝床に着いてお茶を出すとたつさんからおにぎりを頂いた。
一口頬張ると思いでが甦る・・・・・・懐かしい味だ・・・・・・
私は猟犬として生まれたが体格が恵まれず里子に出された。
その親がお母さん事みー婆ちゃんだ。
お母さんは子宝に恵まれず、私を引き取るとそれはそれは可愛がってくれた。
私もそんなお母さんが大好きで、いつでも何処でも後をついて行った。
お母さんは道ノ駅と言う場所でこのおにぎりとか色々な物を楽しそうに渡して居た。
それが物々交換だと解ったのはこちらに来てからだ。
今でも不思議だが、人間は食べられない塊や紙を渡してお母さんと食べも物を交換していた。
一度紙を咥えたらお母さんに怒られたので大事な物だとは解った。
たつさんはそんな不思議な人間の一人だった。
ただ他とは違うのは私に話しかけて来てからお母さんと物々交換するのだ。
しかも必ず一つは私にくれる。くれる前の挨拶なのか、
「お、ランディ!今日は何個買う?」
「わふぅ~」
「和風なのはおにぎりだから解るは(笑」
「何個だ?」
「わふぅ~・・・・・・わん!」
「一個か・・・・・・分けてあげられないな(笑」
このやり取りをすると美味しいのが貰えると私は解ったので
次は悲しそうに鳴く。
「くぅ~ん、くぅ~ん」
「お!二個くぅ~んか(笑」
「これ!うちの子いじめないの!」
「あははは、ごめんごめん、ばっちゃおにぎり2個頂戴、後今日のお勧め」
「あいよ!お勧めは佃煮ときのこ汁だよ」
「おおお!ほれランディ」
おにぎりをくれるたつさん。
美味しくて、嬉しくて勝手に尻尾がぶんぶんしてしまう。
だけどそんな楽しい日も終わりが来る・・・・・・
いつも通りお母さんがお店の準備をしていると
凄く早い勢いでこちらに向かってくる物が・・・・・・
あれはお母さんが危険だと教えてくれた車だ!
危ない!あれは危ない!!そう思うとお母さんの服を咥えて引っ張ると同時に
私は頭が真っ白になっていた・・・・・・
気が付くと家じゃない変な部屋に居た・・・・・・
お母さんとたつさんが居た・・・・・・
「ランディ・・・・・・ランディ・・・・・・」
お母さん、なんで泣いてるの?
「おう!こらっ!元気になるんだろ?なぁ?なぁ?」
たつさん、なんで怒ってるの?
「私としてはなんとも・・・・・・」
おじさんは誰?
「・・・・・ワフッ・・・・」
『ランディ!!!』
私が鳴くとおかあさんとたつさんが嬉しそうにこちらを見た・・・・・・・
ただ私の記憶はここまでだ。
次に目が覚めると私はここに居た・・・・・・また子供として・・・・・・・
そして今日また懐かしいあの人に出会った。
「伊達龍人と申します。」




