『暇潰しの部屋』
暇潰し:時には暇潰しも面倒で、更に暇になる永遠のスパイラルってありますよね。え、私だけ?
「あー、暇だ」
「暇だねぇ~~」
「もうこの世のものとは思えない程に暇だ」
「暇だねぇ~~」
「何もしたくないけど、暇なのは嫌なんだよなぁ」
「そうだねぇ~~」
〇〇〇〇〇〇〇〇
「暇だ……しりとりでもするか」
「いいよぉ」
「じゃあ俺からだな。しりとりの『り』で、リーゼント」
「トンボ」
「ボート」
「トンカツ……食べたい」
「イルカ」
「……あれ? なんか変じゃない?」
「そうか?」
「……気のせいだね」
「あー、暇だな」
〇〇〇〇〇〇〇〇
「お兄ちゃん、今なに考えてるの?」
「今か? 今はリアス式海岸ってギザギザしてるなーって」
「ギザギザだねぇ」
「お前は? いつもみたいに俺のこと妄想してるのか?」
「ふっふっふ。私だってワンパターンじゃないんだよ。今はそうだね、ちょうどお兄ちゃんと新婚旅行行くならどこがいいかなーって考えてたよ」
「ワンパターンだろ」
〇〇〇〇〇〇〇〇
「ヒトミ、何か暇潰しになることないのか?」
「暇潰し…………あ、そうだ!」
「どうしたんだ? 急に起き上がって」
「お兄ちゃん! 溶けてる場合じゃないよ! これは千載一遇のチャンスだよ!」
「チャンス?」
「暇潰しに最適なのは……『小説家になろう』だよ!!」
「メタ発言だ」
「暇なら小説を読めばいいんだよ。面白い作品から兄妹がひたすらトークするだけの一話完結のものまで無限にあるよ!」
「…………」
「――というわけで、暇なときは『小説家になろう』を活用しよう! 私のおすすめは『俺と妹のワンルーム』かな? とにかく主人公がイケメンで、ヒロインが超絶可愛いんだから!」
「主人公がイケメンで、ヒロインが超絶可愛い作品は溢れかえってるぞ」
「うぐっ、とにかく小説を読もう!! 私との約束だよ?」
「ダイレクトマーケティングか……はぁ、暇だ。何か読むか」