『回る回るの部屋』
回る回る:とにかく回ります。
「来たな。意味不明のお題」
「あ、これ考えたの私だよ」
「……なんでいきなりお前の考えが通ってるんだよ。あれか? 部屋の名前を決めましょうって企画があって大賞でも受賞したのか?」
「してないよ……そして例えがわかりにくいよ」
〇〇〇〇〇〇〇〇
「――で、お題が意味不明な件について」
「私、こないだテレビのフィギュアスケートを見てたんだけど、スケート選手ってぐるぐる回るでしょ? あれを見て、お題もぐるぐる回してみたくなったんだよ」
「……はい、終了」
「ちょ、待ってよ!! さ、さすがに話題は発展しないと思ったよ? でも、回ってみたいんだよ! ――というわけで、お題の人に用意してもらいました。ちゃらららん! 回転テーブル!!」
「ふぅ……空元気だな」
「言わなきゃわからないんだから、やめてよ!」
〇〇〇〇〇〇〇〇
「しっかし、回転テーブルか。割と普通のテーブルと椅子に見えるけど……というより、なんでお前の要望だけは第一次選考を通過してるんだよ」
「第一次だけじゃないよ。第四次まで通過したから実現してるんだよ」
「どんだけ選考重ねてるんだよ……応募総数はどれくらいなんだ?」
「ざっと一万かな」
「……デマだな」
「そんなことより、早速座ってみようよ!」
「座ったら最後、横回転と思いきや縦回転でテーブルに頭をぶつけて即死ってのはやめてくれよ」
「デスゲームじゃないんだから……この作品で人は死にません」
「……なんか、数度思い当たる節があるんだが」
「よし、早速座ろう!」
「……はぁ」
「あれ? 座ってみたけど、普通の――」
ぐるぐるぐるぐるぅぅぅううう!!!
「「うわああああああああああああああああああああああ!!!!!!」」
「な、なんだよこれ! いつかのクレーンゲームのクレーンばりに回ってるぞ!」
「お兄ちゃんやめてよ、そのフラグ! それだと摩擦で燃えて」
シュッ。
「「あ…………」」
「い、いまなんか音しなかった!?」
「き、気のせいだろ。…………なあ、ここで質問なんだが、この遠心力の中で椅子から脱出しようとするとどうなると思う?」
「そ、そんなのわからないよ!!」
「正解は、こうだ!」
「お兄ちゃん!?」
ズドオオオオオン!!
ガラガラドシャアアアン!!
「お、お兄ちゃんが吹っ飛んで壁を破壊ながら遠く彼方へと飛んでいっちゃった! お兄ちゃあああああああん!!」
ぐるぐるぐるぐるぅぅぅううう!!!
「わわわわ……!! な、なんでこんな芸人みたいな身体張るお題にしちゃったんだろ! あ、お題考えたの私だった。あああああ!! 助けて、おにいちゃあああああああ―――ああああ!!」