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第十四話:にらみ合い

~半年後~


「結構強くなったぜ」


「更に強くなるなんて、さすが兄上……」


 めでたく天皇となったショウギスキー一家、弟の飛角はすっかり天皇らしくなった。


「まさか、宇宙人と戦えと言われるとは思わなかったぜ」


 ショウギスキーは相変わらずである。半年前、総理官邸に招待されたショウギスキーは、当時の副総理大臣である木田圭佑から衝撃の事実を告げられた。


「ヴェッ、宇宙人と?」


 ショウギスキーも流石に驚きを隠せない。半年後、宇宙人と将棋をしろ。もう二回負けている。次負けたら地球は侵略される、と言われたのだから。


「俺なんかより、富士見さんとか、加藤さんとか適任がいるはずだぜ」


 謙虚なのか怯えているのか分からないが、ショウギスキーは降りようとした。だが、その二人が将棋初心宇宙人と戦い負けたことを告げられると、ショウギスキーの目つきが変わった。


「……大先輩の屈辱、俺が晴らすぜ」


 ショウギスキーは情に厚い。


~以上、回想終わり~




「そろそろ来るはずですねぇ!」


「そろそろ来るぜ」


 前回、前々回と宇宙人は、午後三時前後に日本に飛来していた。現在時刻は二時五十分、そろそろだ。


 ピンポーン


「……来たぜ」


「ども、出前ですぅー!」


「……出前がな」


 ショウギスキーはユーモアセンスも抜群だ。


「将棋の前はいいご飯だぜ」


 ショウギスキーは親子丼(三九八円)を頂いた。食べ終えて三十分、再度インターホンが鳴る。


 ピンポーン


「今度こそ来たぜ」


 飛角がロビーに向かうと、とても宇宙人とは思えない風貌の三人組がスララララ~っと立っていた。


「おやおや、可愛いボーイがお出迎えしてくれるんだね」


 良い年齢のアメリカの議員風紳士が言う。


 …………


 隣の青年は無言だ。以前視察で現れた子供だろうか。すっかり思春期である。


 飛角は二人を案内し、ショウギスキーが待つ広間にたどり着く。


「どうも、ご無沙汰しております。……おや、以前お会いした二人ではないんですね」


「あ、どうもどうもこんにちは! 彼らはちょっと野暮用がありましてね! さ、どーぞどーぞ」


 政府の役人らはへっぴり腰だ。


「それは残念だなぁ。では、今日我々の相手をするのは、一体誰なんでしょうねぇ……」


 宇宙人は部屋をぐるりと見渡し、とても将棋を差すとは思えぬ風貌の人間しか、この場にいないことを確認し、訝しげにそう言った。


「……俺だぜ」


 が、一番将棋とは遠い位置にいそうな出で立ちの人間が立ち上がり、高らかに宣言した。

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