表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
刀様の言う通り!?  作者: 神山 備
Taverna la Bianca
7/96

あたしは、厨二じゃないっ!

「じゃぁ、ノーマは今晩寝る場所もないんだな。じゃぁ、ウチ来るか」

あらかた食事が終わった頃、オービルがあたしにそう言ったら、

「オービル、おまいさんそれはちょっとアレなんじゃないかい。いくら学校出たてぐらいだからって言っても、この子は女の子なんだろ。おまいさん一人暮らしなんだからさ」

皿を片付けにきた、お店の女将さんらしき女の人がすかさずそう言って窘めた。へぇ、オービルって独身なんだぁと思っていると、女将さんは、

「おまいさんだって、デクスぐらい早くに結婚してれば、この子ぐらいの子がいてもおかしくないんだよ。先に子供なんか引き取ったら、ますます嫁の来手がなくなるじゃないか」

と続けたんで、その言葉に、オービルが咽せた。けど、あたしぐらいの子供がいてもおかしくないって、オービルってば、一体幾つなの? と思ってたら、

「おまいさんももうすぐ31なんだ、人の世話を焼く前に、自分の世話を焼きなよ」

「さ、31~!! げほん、げほん……」

間髪入れずそう言った女将さんの言葉に、今度はあたしがデザートを呑み込みそこねた。31になるってことは、今はまだ30ってことだよね。おっさんくさっ! 37~8ぐらいだと思ってたのに。第一、37~8だって、十分早いけど、31で19の子供って、幾つで結婚しなきゃなんないのよ!! 

「それがどうかしたか? ノーマは12~3だろ? なら、計算が合う……」

「誰が、12~3だって!!」

呆れた、あたしが中坊と間違われてた訳!  

「ちがうのか、学校出てすぐならそんなもんだろ」

あたしは飛び級でもしたのかというオービルを睨み上げて、

「逆よ、あたしは19! 来年二十歳の歴とした大人!!」

と言い放った。飛び級って、あたしは一桁かってぇの。だけど、その言葉に、オービルはもちろん、女将さんまでフリーズする。ああ、そう言ゃ最初、オービルのあたしの扱いって、完璧ガキンチョ相手だったもんね。あれって、オービルの勘違いなんじゃなくて、この町の人の共通認識だった訳? うー、だとしたら、マジ凹む。

 あたしは、ぽかんと口を開けたままの二人を見て、完全に脱力した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ