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刀様の言う通り!?  作者: 神山 備
Taverna la Bianca
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あっ、それは……

 4日間の馬車の旅。王族御用達の高級馬車で快適

……かと思いきや、これが結構揺れる。それでも辻馬車とか、本物の馬に比べたらずっとマシらしい。辻馬車なんて、自分で用意しなきゃクッションなんて存在しないし、馬なんて慣れてなきゃ半日でお尻が腫れ上がるとか。

「この馬車で音を上げてたら、どこにも旅できないぞ」

と笑うオービル。でも、その軽口とは裏腹にオービルにもこの馬車での旅は堪えているみたい。顔色があまり良くない。きっと怪我してから遠出することがなかったからだろう。オービルもぼそっと、

「鍛え直さなければいけないな」

と言ってたし。


 そして、4日目の昼過ぎ、馬車は王都ケイレスのレクサント邸にたどり着いた。

 あたしはオービルママへの挨拶もそこそこに、持ってきた白米と小麦粉でおむすびとパンの準備をした。何でかと言うと、

「陛下から、レクサントのお屋敷に着いたらまず異世界料理を作れとの仰せです」

と、ステファンさんが言っていたから。翌日お城に出向くんだから、明日の朝早く作ればいいんじゃないの? 炊き立て焼きたてじゃなくなるじゃんとこころの中ではツッコミを入れつつ、そのことをオービルママに伝えると、

「まぁ、ジェイちゃまらしいわね。ノーマちゃん、着いたばかりだし勝手も分からないだろうけど、作って上げてくれる?」

とため息まじりで言われた。それにしても王様をまさかのちゃま呼び? 確かに、娘婿には違いないけどさ、相手一国の王様だよ。

 あたしとしては、料理を作るのは全然良いの。だって、料理は仕事にしようと思うくらい好きだし、それでなくても4日間ずっとほぼ同じ姿勢でいたんだもん、もう身体中バキバキ。それに、じっとしてるとまだ馬車に乗ってるみたいに身体揺れるのよね。気持ち悪いったらありゃしない。


 そして、オービルママにも少し手伝ってもらって、

おむすびとパンができた。パンは中身にまで手が回らなくて、シンプルな白パン。その代わりって言っちゃなんだけど、おむすびは持ってきた板海苔をあぶって巻いてある。ちなみに具は鮭マヨだ。

 あたしがそれを持ってダイニングに行くと、そこにはオービルはいなくて、代わりにオービルよりちょっと若いくらいの男の人がいた。

「あ、これがノーマちゃんだっけ、君の世界の食事?」

と、その人に聞かれて、

「うん、ええ、一応」

とあたしは答えた。確かにこれ、日本の食べ物には違いないんだけど、そう言う風に聞かれると、ホントはこんなもんじゃないんだよって言いたくなる。ああ、早く味噌と醤油できないかな。だけど、あたしがそんなことを考えていると、

「じゃぁ、いただきます」

と言ってその人が持ってきたおむすびをむしゃむしゃと食べ始めたのだ。

「あああああーっ!!」

な、なんでいきなり食っちゃうの! コレ、王様に献上するやつだよ!! 思わず叫び声をあげちゃったあたしに、 

「えっ、どうかしたの? コレ、カクタスに手づかみで食べて良いって聞いたけど。でも、コレホントに美味しいね。クスコフの皮むいて作るんだって?」

と、のんきにそう返すその人。……でも、一体この人誰?


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