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WORLD×world  作者: お猿プロダクション
前日譚
1/14

前話

ははははは全く別のシリーズ初めてやったぜー!(殴

 前話


「有難うございましたー。」

  レジ袋に商品を入れ、頭を下げながら言う。この時は大体15度くらいの角度で頭を下げるのがベストだ。

 ふつと時間が気になって、ウォークイン(あの冷たい飲み物が一面に詰まっているデカイ冷蔵庫みたいなヤツだ)の上っ側に掛けてある時計を見る・・・いやまぁ、レジの画面に時間くらい表示されてはいるけど、俺は特に目が悪いわけじゃないので、わざと遠いところを見る様にしている。

 見ると、時計の針は間も無く午後9時になる事を示していた。

「ふぅーっ。」

 店内にお客さんが居ないことを確認してから、俺はため息をついた。

「流石にバイト5連勤はしんどいわー。」

 店長に、「ごめん、この日安道さんと変わってくれない?」と言われ、その時は(まあいいか)と軽い気持ちで了承したものの、いざやって見ると全然違う。めちゃくちゃダルい。

 しかし!もうすぐ9時という事は俺はようやく帰れるという事である!

 そう心の中でガッツポーズをし、俺は時計の分針が真上を向くのを待った。

「成竜くんー、ちょっといいかなー。」

「あ、はい。」

 事務所にいる副店長から声が掛かる。ちょうどお客さんもいないからか、俺がもうすぐ帰るからか・・・どちらでもいいか。

 店の広さの割に手狭に感じなくもない事務所に入ると、メガネを掛けた副店長がデスクに座っていた。

 あれ?この人コンタクトじゃなかったっけ?

 疑問にやら体を停止させていると、

「ああ、これかい。コンタクトからメガネにしてみたんだ。普通は逆だろうが・・・アレだ、ファッションってモノに乗ってみたんだな。」

「はぁ、そうですか・・・似合ってると思いますよ。」

 適当に相槌する。こういう対応に困ったりよくわからない時は、こうやって相手をヨイショすれば大抵上手くいく。

「やっぱりそうかい?へっへっへっへ。」

「はははは・・・。」

 けらけらと笑う副店長に合わせ、俺も適当に笑う。

「あ、そうそうそういう事じゃなくてねーーハイこれ。」

 と、副店長は白い封筒を俺に差し出した。

 給料明細だ。

「あ、ありがとうございます。」

 ぺこりとお辞儀をして、封筒を受け取った。

 さてさて、今月はいくら稼げてるかなー?冬休み前半は殆どバイトだったから結構入っているはず〜〜♪

 封筒の蓋に手を掛けると、

「まだ勤務中だからダメだよ。退勤のやつ押してからね。」

「む。」

 苦笑いしながら、デスクの上のパソコンを指差す。時刻はまだ、20時58分。まだ退勤まで2分あった。

「むむぅ・・・失礼しましたー。」

 渋々といった感じで、俺は事務所から出た。

 早く終わらないかなーーそう思っていると、


 ぴろりろりろりろーん、ぴろりろりろりろーん。


 お客さんが入ってきた。

「いらっしゃいませー・・・おっ。」

「やほ。・・・もう終わるでしょ?」

 掌をひらひらさせながら入って来たのは美しい長い黒髪をストレートにした(俺が言うのも何だが)美少女・・・姫島(きじま) 緋之美(ひのみ)だった。彼女は俺の幼馴染みだ。

 スタイルは良く、腰はキュッと締まって括れていて、お尻も(見た目)ぷりっとしている。胸は自己主張こそ激しくないが、ふっくらと出ていて、非常に愛らしい。で、顔も綺麗と来た。

 まったく、こんな激しくオーバースペックな女の子が俺の幼馴染みだとは男冥利に尽きると言うものだ。

「まぁな。迎えに来てくれたとか?」

「バカ、そんな訳ないじゃない。買いたい物があって、ついでにアンタの様子見に来ただけよ・・・。」

「そ、そうか・・・。」

 まぁこんな感じだから“脈あり”とは言えなそうだが・・・っていうか緋之美は他に好きな奴がいるらしいし・・・。

「そんな事より、あれ、ココア頂戴。」

 ぺちぺちとレジの卓を叩いて彼女が言う。

「ココアね、了解ーっと。」

 慣れた手つきでレジを打ち、後ろ側にある[ホットコーヒーMサイズ]のカップと白い文字で[ココア]と単純に銘打たれた茶色い小袋を取り出し、卓の上に置いた。

「ん、150円。」

 やや適当に言うと、

「・・・・。」

 緋之美は唇を尖らせ、怪訝そうな顔をする。何か気に食わなかったのか?

「どした?」

「変じゃない。」

「は?」

「だって私はお客さんでしょ?店員のアンタが何か適当にやってると癪。」

 下らなっ!

「だってお前先輩以外の顔見知りに敬語使うって凄え面倒いぞ。」

 と俺は弁明するが

「理由になって無いじゃない。店員はお客さんに絶対服従よ。」

「絶対服従⁉︎」

 怖っ!お客さん怖っ!店員イヤ‼︎

「まぁそんな事どうでもいいから早く来なさいよ。」

 そう言うやスタスタとコーヒーメーカーのところに行ってしまった。

「え、あ、ああ。」

 相変わらずマイペースな奴だ。一方的に話を切り上げよってからにー。

「ま、いいや。」

 時計に目をやれば、分針は既にやや右に傾いていた。



 ▼△▼△▼


「ふーぅっ。」

 少し溜めて息を吐くと、白い息が風に流され俺たちの後ろに広がった。

「寒いな。」

 と傍らに居る緋之美に声を掛けるが、

「そりゃそうでしょ・・・12月なんだし。」

 適当に遇らわれた。

 腹いせに緋之美の顔をジッと見てやる。

 暖かいココアを飲んだせいか、マフラーに半分ほど覆われた頬は僅かに紅潮していた。横から見ても緋之美の顔は端整な顔立ちな事がよく分かる。

 そんな俺の視線に気付いたか、緋之美はバッと身を翻して、

「な、何見てんのよ、バカ!」

 いや何もそこまで怒らなくてもいいんじゃ無いですかね・・・。

「いや何も・・・」

「もしかして、私の顔になんかついてた⁈」

 おっこれは面白いパターン。

「そ、そうなんだー頬っぺたにハエがー(棒)」

「えっ、え嘘!やだぁ!虫やだ〜!ちょっと取りなさいよぉ〜‼︎」

 彼女は虫が大の苦手だ。それを知ってて俺はおちょくるんだから、俺も悪よのぉ〜。

 若干涙目になりながらわたわたと慌てふためく彼女を見て、俺は腹を抱えて笑った。





 ・・・で、






 殴られた。








「別に殴る事ないんじゃないですかね・・・。」

「うっさいバカ死ね。」



 ▼△▼△▼


 翌日 金曜日


 寝ぼけ眼で階段を降り、我が家の居間へ足を運ぶ。ーーの前に、父さんとすれ違った。

「・・・はよ。」

「おー、おはよう。」

「これから仕事?ちょっと早くね?」

 いつもより30分くらい早い。

「朝から会議があるんだよ。じゃあ行ってきますっと。」

 少し早足気味に玄関へ向かった。

「いってらっしゃいー。」

「おう。」

 ガチャンと玄関のドアを開け、出て行くスーツ姿の父さんの背中を見送った。

 ドアが閉まって直ぐに、タン タン タンと階段を下りる音が聞こえた。

「・・・おはよ。」

 振り向くと、そこには2歳下の妹が。

「おはよう。」

「お父さんもう出てったの?」

 首を僅かに傾げ、玄関の靴を見ながら言う。

「今日会議だと。」

「そうなんだ。」

「ってか寒いから早く部屋行こうぜ?」

 いい加減玄関の寒気が激しいので、居間に早く行こうと促す。

「ん。」


 ▼


 居間に入ると、暖かい空気が体を撫でた。

「おはよう・・・あら2人一緒なんて珍しいわね。」

 居間に入ってすぐ目に入る机には、母さんが食パンを食んでいた。

「うん?・・・うん。」

 曖昧な返事をし、椅子に座ってパンを頂く。

「パン、チンしなくていい?」

 母さんがそう言う。“チン”とは電子レンジを使う事である。

「このままでいいよ。」

 めんどくさいしーーと言うと、俺はスープを喉に流し込んだ。腹の中が暖かくなって行くのを感じる。

「ところで昨日から気になってたのだけど、その頬のアザはなに?」

「ぁ。」

 昨日緋之美を茶化して殴られたところだ。

「いや、これは・・・。」

 なんて言えばいいのか困る。

 まさか緋之美を茶化して殴られたとは言えないし・・・。

「あらー、緋之美ちゃんと何かあったのー?」

「えっ。」

 いやいやいや、まさかそんな訳ある訳ないじゃないですかー。

「えー、お兄まさか、緋之姉ぇに何かしたの?」

 いやいやまさかまさかまさか。むしろその逆でですね・・・・。

「いや、何もしていないで御座りまする・・・。」

 なんで武士みたいな喋り口になってるんだ俺。

「ホントに〜〜?」

 ニヤニヤしながら問い詰める母さんと、本気で若干引きながら怪訝な視線を向ける妹・・・流石にこの状況が耐え切れず、緩くなった牛乳をガブガブと飲み干して「ごちそーさま!」と言って足早に皿を片し、洗面所に駆けた。

 お湯を出しジャバジャバと顔を洗って、フッと一息つく。

 鏡を見ると、顔についたお湯が顎に流れ、滴り落ちるのが見えた。タオルで顔を拭くとさっぱりとした。

 歯を磨いて、唐突に声を掛けられた。

「ホーントに何もしてないの?」

「〜っ‼︎」

 驚愕の眼で振り返ると、腕を組んで壁に肩を預けた妹氏がいた。怪訝そうな目はそのままだ。

 ビックリした、泡吹くかと思ったぞ。

「未知との遭遇を果たした、みたいな目やめてくんない?」

 俺そんな目してたか?一応、歯ブラシと泡で口が塞がっているので、コクコクと頷いておく。

「で、ホントに何もしてないんだ?」

 ぺっ、と泡を吐き出しうがいをして口元をタオルで拭く。よし、これで喋れるぜ。


「え、ええホントニナンモシテマセン。」

 カタコトになった。


「嘘下手すぎ・・・。」

 な、なんだとー。

「お兄ね、自覚してないんだろうけど緋之姉ぇの事になると顔に出てるんだよ?」

「ま、まじか・・・。」

 知らなかった。

「まー何があったか知らないけど、悪い事したなら謝っとけばー?」

「そのつもりでございます・・・。」

「なんで敬語なの・・・。」

 はぁ、とため息を吐いた妹は、俺に場所を変わるように言った。「私も歯磨きするから。」

「へいへーい。」

 洗面所の隣にある部屋に移って、パジャマが裏返しにならない様に脱ぐ。こういう脱ぎ方をしないと母さんに怒られるのだ。

 特に急いでいるわけでは無いが、素早く制服に着替える。

 ネクタイを締めてブレザーを着ると、


 ピンポーン・・・


 インターホンが鳴った。

「は〜い。」

 ぱたぱたと母さんがドアホンのボタンを押した。

「あら?緋之美ちゃん。」

 おーっとアイツ早く無いか⁉︎

 いつもはもう少し遅いはず・・・。いや、今日終業式だから早登校早帰りだったわ‼︎

 そうと分ったら急がなくては。俺はケータイを胸ポケットにしまい、鞄を背負った。

「じゃ、行ってきます!」

「はーい行ってらっしゃ〜い。」

 バタン!と玄関のドアを開けた先に、仏頂面の緋之美が立っていた。

「遅い。」

 開口一発、何処か恨みがましい様な声のトーンで言われる。

「いや、悪い悪い。今日早めなの忘れてたんだよ・・・。」

「ったく、私がいないと何もできやしないんだから・・・。」

「悪かったよ。」


 ▼


 放課後


 学校までの道すがら常に緋之美からの罵詈雑言を浴びせられ、そしてそれは放課後の帰路に於いても変わらない様だった。

 トボトボと歩く俺の背中に延々、この世に存在する有りと有らゆる暴言を浴びせかけられている気がした。

「バカアホボケマヌケクソハゲウ○コチン○マ○コショ○ベンアンポンタン・・・etc」

「ああ、うん・・・・。」

 何かもう、年に一回はこういう事あるから慣れてきてしまった。普通ならメンタル崩壊しててもいい具合になってるだろうが。

 いやて言うか女の子がウ○コだのチン○だのマ○コだの挙句ショ○ベンだの言ってはいけません。

「大体アンタはねぇ、昔っからどこか抜けてるって言うか——」

 ここ最近の緋之美の話の6割5分が右から左に流れている気がする。しかしここ最近、緋之美の当たりも強い気がする。

「・・・・け。」

 昔はもっと可愛げがあって、こう、ふわふわした感じだったのになー。

「ち・・・・き・・・の?」

 目付きも昔と変わったしな・・・何か俺だけ置いてかれたみたいな・・・

「ねぇちょっと!聞いてんの‼︎」

 ベシッ!

 高い声が耳元で鳴り、軽い衝撃に後頭部が揺れた。痛いな結構!

「なんだよ!」

「なんだよ、じゃないでしょ!話聞いてんの⁉︎」

 ガツン!

 再び怒りの鉄槌。

 しかも今度は脳天直撃!逃げ場のない衝撃に頭頂部が激しく鈍痛に襲われる。

「痛ッた・・・。」

 緋之美がやや顔を顰めながら小さな手をひらひらと振る。どうやら拳骨を真上から振り下ろすかたちで殴ったらしい。

 そりゃあそんな殴り方したら痛いに決まってる。それに緋之美は然程体型に恵まれているわけでも無い華奢な女の子だ、尚のこと痛いだろう・・・って痛いのはこっちだわ馬鹿野郎!

 なんで被害者()加害者(緋之美)の心配してんだよ!

 ・・・まあこれも、惚れた方が負け、ってヤツなのかな・・・。

「ほら大丈夫か?ちょっと見せてみろ。」

 パッと彼女の手を取る。

 うわ、ちょっと赤く腫れてるじゃん。痛そう。いや俺の方が痛いけど。

「えっ、や、ちょっと・・・っ」

 緋之美が仄かに頬を朱に染めた。

 無理もない。殴った相手に逆に心配されるのだから、恥ずかしいってか気の強い緋之美にとっては恥辱にも等しいだろう。(多分)

 へっへっへ、これは俺の復習だー!

「は、離しなさいよ、もう大丈夫だから・・・。」

 緋之美は素早く俺の手中にあった手を引いた。

 そんなに嫌かい。

 いやでもほっとく訳にはいかないしな・・・。

「家でちゃんとシップ貼っとけよ。」

「わ、分かってるわよ・・・その、私も打って悪かったわね・・・。」

 謝って来たぞいきなり。こう言う根は素直な所は変わってないんだな・・・いやまぁ、殴られたんだから謝って貰うのは当然なんだけどね。

「いや、良いんだけどさ——俺もボッとしてたし。」

「まぁアンタが呆けっとしてるのはいつもの事よね。」

「何気に辛辣だなぁ・・・。」

 立ち直りも早いなぁ。

 と、ここで俺はある事を思い出した。

「・・・緋之美、ちょっと家に寄ってくれないか?」

「?別に良いけど、何?」

 ちょっとある物を渡そうと思ったんだが今朝は急いでいたから忘れちまってたんだ、と言う。


 帰ってきた言葉が、「ドジ。」だった。



 ▼


 自宅 自室


「そう言えばアンタの部屋に入るのも久し振りね。」

 確かに、ちょくちょく家に遊びに来はするが、こうして自室に招いたのは中学生の時以来かも知れない。

「そうだな。」

「しっかし何にも変わって無いわね・・・。」

 くるりと部屋を見渡して、眺める様に見渡して言う。実際殆ど変わってないからぐうの音も出ねぇ。

「そう言うお前はどうなんだよ。」

「んー?・・・まぁまぁかしらね。」

 まぁまぁってなんだよ・・・抽象的ってレベルじゃねーぞ。

「これ・・・。」

 机の上にある写真立てを見てちょっとニヤついてる。えーいやめんか、その写真立てには在りし日の俺とお前のツーショットが写っているのだ恥ずかしいから止めてくれ。

「な、何だよ・・・。」

「ううん、何でも。」

 少し嬉しそうに振り向く。・・・どうにもその姿が少し大人びて色っぽくすら見えたのは、多分気のせいだろう。

 そんな考えを払拭する様に、俺は本題を口にした。

「それでな、渡したい物ってこれなんだ。」

 机の上に置いといた物を緋之美に手渡す。

「何これ・・・ペンダント?」

「そ。」

 彼女に手渡したのは、なんか綺麗な透明の石がついたペンダントだ。

「いつ買ったの?」

 問い質す彼女の目はしかし、喜色に染まっていた。

「いやそれが、何かいつの間にか机の上にあったんだよ。」

「そうなの?」

 頭上に?マークでも浮かべそうな顔で首を傾げた。あぁもう可愛いな!

 いやそうじゃなくて。

「一昨日くらいに、何故かあったんだよ。母さんや父さんに聞いても《知らない》ってさ。でも2つあったし折角だから緋之美に1つやろうかな、と思ったんだ。」

 そう言って、俺はもう片方の手に持っていたペンダントを見せた。どちらも殆ど透明で、ガラスの様な見た目だが・・・

「光に当てると面白いんだ。」

 カーテンを開け、そこから差し込む陽光にペンダントの石をかざしてやる。

 すると、虹が現れた。

「プリズムみたいだろ。」

「へぇ・・・綺麗ね。」

 スイスイと石の角度を変えると、部屋中に虹色の光の束が奔走する。

 そんな風に遊んでいると、緋之美は自分の首にペンダントを掛けた。

「どう?似合う?」

 ぶっちゃけ俺はファッションセンスとかその辺全然分からないのだが、緋之美が付けている具合にはにあっている様に見えた。

「似合ってるんじゃ無いかな。」

「そう?へへ。」

 彼女の顔がややはにかんだ。あー、目の保養。


 それはさておき。

「で、俺が渡したいってのはこれだけだ。後は、どうする?遊んでくか?」

「んー、確かにもう冬休みなんだし、パーっと遊ぶのも良いわね。」

 そう言うと緋之美は携帯と太陽光充電器を鞄に突っ込んだーーおいその充電器俺の!

「こら、返せ!」

「へっへー、取れるもんなら取ってみなさーい、」

 子供か!

 そのまま緋之美は俺の部屋から足を踏み出した。

 何も無い、虚空に。


「え———ッ⁉︎」

「ひのみッ‼︎」


 反射的に駆け出し、彼女の身体を抱きしめ———俺も真っ暗闇に投げ出されていた。

 一瞬の浮遊感————


「「うわああぁぁぁぁあぁぁぁーーーーーーッッ‼︎⁉︎」」


こっちはメインにはしないので、月一も投稿できないかも知れません。

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