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始まりの怪
北海道某T市内の大学図書館にとある怪談話がある。
怪談のタイトルは“呪いのドス紫色のしおり”だ。
この話を聞いたときは笑ったもので、小学生時代に似たようなタイトルの怪談があったな、こんな怪談を信じている奴がすごいとか、うちの大学にも学校の七不思議みたいな話があるんだねと友達と話した。
レポートの資料を集めるため、大学図書館で本を借りた日。
目ぼしい情報を探すため、まずはパラパラと手に取った本のページをめくる。
すると、それはあった。
禍々しい濃い紫色をし、肌触りは肉塊のよう。
「呪いのドス紫色のしおり――」