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「おはようございます」

 先に起きたのは少女だった。

 寝起きが良いのかそれとも単純に起きていたのかはわからないが目をはっきりと開けて僕に朝の挨拶を交わす。

 少女は学生服を好む。それもブレザーを。

 今はそれにカーディガンとニーソックスを穿いて寒さ対策を取っている。

 実年齢と身体年齢は違うにせよ少女は高校生ぐらいの年として自分の立ち位置を定めたいのかもしれない。

「おはよう」

「ここはどこ?」

「大学病院よ」

 ふと後ろを見ると病院の方からゆっくりと紅が来ていた。勘が良いのか待っていたのかそれとも桜が呼んだのか。

「おはようございます」

 僕は挨拶を紅にする。紅はそれを笑みで受け取り、手で僕らを病院へ招き入れようとする。桜は起きそうだが、紅と少女は構わず歩いて行ってしまうので今は置いて行くことになった。

 ところでだ。

「その格好は?」

 紅の服装は看護師が着る様な白い清潔感のある制服を着ている。柔和な笑みを浮かべているもんだから似合って見える。

「制服の意味なんて他との区別なんだからどうでもいいでしょう?」

 ナース服についての疑問は紅にとって愚問らしい。ばっさり切られたので服について聞くことは出来なくなった。

 病院の中は暖かみのある配色の壁と、優しい音楽が微かに流れておりどことなく和を感じさせ、落ち着ける雰囲気を醸している。エントランス中央にはピアノが置いてあるが、時間帯によるものなのか鍵盤には幕が敷かれているため容易に弾くことは出来そうにもない。また、朝早くなのにも関わらず医療スタッフと患者が散見された。良い言い方ではないが繁盛しているように見える。

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