プロローグ
うざい
俺が周りの人のことをそう思うようになったのは、何時頃だったか。
おそらく中学時代の辺りだっただろう。
人と関わり合いを持たない方がいいんじゃないかって思い始めたのが、中学校に入り始めた頃でその頃はまだ、嫌いとかいう感情はなかった
だが卒業する頃にはもううざいと思っていた。
例外もいたが。
だってそうじゃないか。気を遣わなければいけないし、無駄に喋りかけてくるし、さらには他人のプライベートにも、ずかずかと入りこんでくる。
かといって、最初から友好的な態度をとらなければいじめの標的になったり、あからさまな無視、それに周りの人にも迷惑をかけてしまう可能性もある。
例えば家族とか。
俺の家族は祖父と祖母だ。
実の母と父は、俺が物心つく前に祖父母達に預けたらしい。
だけど俺は両親を恨んでいない、父は大規模な経営を行っていて、その会社の社長だった。
そして母は、その父の秘書だったのだからさぞ大変だっただろう。そこで俺を産んでも共働きでほとんど俺の相手もできないし、むしろ妥当な判断だと俺は思う。
尤も祖父母達には、お前を捨てた駄目親などと何回も言われたが。もちろん祖父母達をうざいと思ったことなど一度もない。全力で感謝してる。
しかし、俺は逆に喋られないくらいに嫌われればいいと思い、中学3年あたりから嫌味や皮肉などを言いまくってやった。
おかげで誰も話しかけてこなくなった。
それはもう、徹底的に。
だからまあ、高校に行っても噂とか広まってくれるとたすかるんだよなぁ。
まあ、それは置いといて。
家族と言えば、俺には妹がいるらしい。それも双子の。
何でも父と母は、俺とその妹を産んだ後に、妹を母の両親、俺を父の両親、に分けて預けたそうだ。
なぜ分けたか俺には分からないが何か理由があったのだろう。
話しを戻すが、俺は基本人が嫌いなんだ。
嫌いじゃない人もいたりするが、大体の人間が嫌い、信用できん。
友人Aにも人間不信と言われたが、その通りだ。ちなみにAは、数少ない嫌いじゃない人だ。
さて、こんな嫌な話しをするのはもうやめよう。
それよりも、この世界には人間一人一人に、特殊能力というのがあるらしい。
俺はまだ確認できてないが、大体の人が13〜18歳の間に、確認できるらしい、中学生から高校生の間くらいか。
ちなみに俺はまだ大丈夫だが、能力が確認できてない奴は、よくいじめられるらしい。
まあ当たり前だよな、子供の時期にそんな力を持ってるって知ったら弱い奴に使いたくなるよな。
なにせ能力を持ってないんだし、抵抗したくてもできないしな。
一般では、その特殊能力の事を能力という。
そしてこのスキルにも個人差があって、あったら少し便利というものから、国と戦っても勝てるんじゃね?とか疑うような能力もある。
普通、スキルというものにはランクが付いている。
相手に危害を加えられない能力をCランク、相手に危害を加えられる能力をBランク、相手を殺すことができる能力をAランク、一人で国と互角以上に戦える戦力を持った能力をSランク、他にも防御系統のスキルを持った人達はDランクにわけられている。
Bランク以上の人達は、普段能力を使うことを禁じられてる。
尤もAランクやSランクは、国に監視されるのだが。
Sランクの能力を持った人は、戦争の道具にされるという話しも聞いたことがある。
能力が禁止されているといっても、使用していい状況もある。
例えば、学校のイベント。俺の高校、星宮桜高校では、学校のイベントとして自分の能力を駆使して戦うトーナメント式の大会がある。
戦うといっても、殺したりはしない。Aランク以上の人は参加できないし、そもそもAランク以上の人自体が少ない。
学校の数十人程度がAランクと聞いたことある。
まあ、定かではないので分からないが、少なくともそうほいほいいるわけではないのはわかる。
他にも正当防衛などでつかってもいいことになっている。
もちろんいじめで使っている奴は、内緒で使っているので見つかればそれ相応の罰が下るだろう。
そしてその能力により、殺し合いが行われる事になった。