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別れと魔獣と双子・・・仲間

神殿の離れにある高い塔の書物庫

トゥームという土地が湿度が高いうえに、海風が強くカビが生えやすい環境のようだ。

石造りの塔になっているのも湿気を貯める要因になっている。

が木造の塔だったのが火災と木喰い蟻の被害にあい仕方なく石造りに作り替えたようだ。

「石だとどうしても寒いのよね。でも暖炉なんて設置できないし、窓も少ししかないから置いたら置いたで大変なんだろうけどさ。後、この階段腰に来るのよね~」

先頭を進むリンの口は閉じることはなく、部屋から塔に着くまでも着いてからもずっとしゃべり続けている。

おかげでまぁ知識は入った。

これから先必要かどうかはわからない知識だが。


「ヤバイ、全く話が出来ない。どうするスピカ?」

「ええ、そうですね」

タイミングを見計らい何度もリンに違う話を持って行こうとしたのだか、全て不発に終わった。

コレだ!と思ったタイミングで口を開くのだが、何故か話が違う方に塔の造りや神殿の話になってしまう。

二人は顔を見合わせるとどちらとなく深いため息を吐いた。


「さて、着いたわよ」

リンが立ち止まり指示したのは小さな扉。

スピカが立ってやっと通れる高さしかなく、スピカよりも背の高いリンやカイトはしゃがまないと通れないだろう大きさの扉。

「防犯の為にこの大きさなのよ。一回で大量に本を運べないでしょう?流石に人海戦術を使われたらどうも仕様がないけれど…。まぁそれでも色々細工がしてあるから運び出すのは困難でしょうね」

スピカとカイトに先に入るよう目で合図する。

くぐった先で下げていた目線をあげた。

「はぁ……」

本独特の紙とインクそして、カビの匂い。

見ただけでズッシリと重そうな背表紙が隙間なく並ぶ本棚、が壁一面立っている。

目の前には豪奢な装丁が施された数冊の本が鎖につながれ置かれていて、まるで

「…本の棺桶…」

呟いたのはカイト。

本の虫の夢を揶揄した実現不可能と考えられている言葉がこぼれてしまった。


「まぁ、そうね…。言われてみれば。ここの本の多くはケンとそ両親が旅して手に入れた物が多いから、最近増えたんだけど。壁一面の本を見ればそう見えるわね」

呆けているカイトの背を叩くと奥へ進んでいくリン。

「各神殿に伝わっている“占い”を書き記したものがあるけれど、古語は読めたりする?」

キョロキョロと本を忙しく眺める二人は、リンの質問に慌てて首を振った。

「だよね。読めるんだったらいいかなぁってくらいだから。一応現代に訳したものもあるんだけれど、翻訳した人によって若干感じ方が違うのよね。で、この棚全部がそれ」

一番奥にある本棚をリンは指した。


「……」

「……えっ?これ?全部ですか?」


一体何日かかるのだろうか?

というか一番上の本はどうやって取るのだろうか?

呆気に取られる二人の眼前にそびえる棚には恐らく数百冊はくだらない本があった。

一番上はスピカが手を伸ばしても、届きそうにないくらい高い位置にある。

「中身は大体似ているのよ。でもさっき言ったように翻訳者が違うと解釈違うからそろえているみたいね。

因みにここの蔵書数はコンシャース国の神殿に次いで多いらしいわ。取り敢えず簡単なものを渡しておくから、今日は部屋に帰って夜にでもそれを読んで自分が知りたいことをまとめておいて。そしたら私が詳しい本を探すから。明後日までだったらコレ読み終わるかしら?」

はい、と渡された本は明後日までに読み終われるギリギリと思われる厚さだった。



神殿で用意してもらった部屋に戻ったスピカはさっそく本を手に取った。

表裏共に表題以外の装飾は一切ないあっさりした茶色の本。

パラパラと中身を確認するとクソンで読ませてもらった神話の本と同じ内容だった。

ただ、こちらの方がより詳しく書かれているようでいつの間にか読みはまっていた。







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