番外 双子たちの苦悩…？２
上手く投稿できていなかったようです…
物心つく前からあいつとは一緒だった
っていうか生まれるまえから
母親の腹にいる時からの腐れ縁
その頃から互いに殴って蹴りあってた
でも、なんでか生まれる時は足を繋いでいたらしい
いいや、僕が掴んでいた
産婆が驚いたらしい
なんで驚くんだよ
僕より先に出ようとするマギを止めようとしただけだ
僕より先に母さんの顔を世界を見ようとするからさ
決して離れたくないとかじゃない
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僕たちが３歳の頃に僕は馬鹿をやってしまった
目が見えて、周りが何を言っているのか理解し始める前から僕たちには視えていた
周りの大人たちには視えない“何”か
マギは“視える”よりも“聴こえる”のほうが多いらしいけど
それに僕は飲まれた
「周りの“ソレ”を集めてみた」
だけだけど
“ソレ”はキラキラしていて綺麗なんだ
きっと集めればもっと綺麗になってみんなが喜ぶと思っていたけど
違った
おかげで大変だった
その頃ちょうど良く飢饉だったから作物が一気に成長して助かったみたいだけど
なんでかな？しばらくしたら飢饉の原因も僕になっていた
違うのに…
それのせいで母さんは周りから責められていた
別に母さんのせいじゃない
悪いのは僕だ
でも、母さんは笑うだけだった
母さんの笑顔を見たいけど、見たくなかった
父さんが仕事中になくなったらしい
らしい、というのは遺体がないから
父さんの仕事は神官で、でも他所を回る“集諧”という仕事をしていた
各所の神殿を巡って情報を集めたり、魔力の強い子を探して神殿に紹介していた
その旅の途中で船から海に投げ出されたみたい
泳げないのに何やってるのよ…って母さんも祖父ちゃんも大祖父ちゃんも言っていたっけ
マギは知らないみたいだけど、僕にだけ教えてくれた事がある
集諧の仕事は男にしか出来ないんだって
だから大人になったら僕がそれを継ぐはずだった
もう少し大きくなったら一緒に旅にでるはずだった
でも、もうそれも出来ない
色々溜まっていたんだろうな
母さんが亡くなった
１０歳の頃に
マギは泣く事もなかったけど、僕は涙が枯れるんじゃないかってくらいに泣いた
マギが泣かないから
いや、違う
マギは泣けないんだ、素直じゃないから
大祖父ちゃんに引き取られた
その頃には祖父ちゃんも亡くなっていたから、大祖父ちゃんがマギを除けば唯一の親族だった
大祖父ちゃんは神殿でも結構な地位にいたらしい
でも、私たちを引き取るためにその地位を譲ったらしい
それを周りの大人に責められた
何故か大祖父ちゃんの地位についた人にまで
言われっぱなしなんて面白くない
大祖父ちゃんには悪いけれど、何も悪くない母さんや父さんの悪口なんて聞きたくない
それに、いい時だけ僕たちを利用しようとする人に力なんて貸したくない
でも、僕ってさ、いい子だからお願い聴いてやるよ
収穫を早めたいって？ああ、いいよ早く大きくしてあげる
作物が美味しくない？
土地がやせた？
知らないよ、そんなこと当たり前だろ？無理矢理成長させたんだから
価格が暴落した？
知らないよ？お金が欲しかったのはあんただけじゃなかったってことだね
なのになんで怒られなくちゃならない？
大祖父ちゃんは頭を下げてるんだよ？
大人なんて大嫌いだ
他人なんて信用できない
信用できるのは大祖父ちゃんとマギだけ
だけど何故かスピカの話は聞いただけで信じられた
あんなキラキラした目をしてさ
どうしてあんなに真っすぐに人を信じられるのか
わからなかったけど、いいな、って思った
マギは信じちゃだめだ
今まで何回騙された？覚えてる？
ああ、馬鹿だから覚えてないのか…
って言うけど、覚えていない訳じゃない
それなりに報復してきたからどこかに置いてるだけ
本当にスピカが証拠を持ってくることが出来たら
マギも信じるかな
此処から出られるなら本当はどうでもいいと思っていると思う
僕がそう思ってるから
でも、マギは素直じゃないからな…
あ、でも大祖父ちゃんを一人にしておくのは心配
もう若くないから
彼女はきっと来る
キラキラした笑顔で怒りながら一緒に旅をしましょう！
って言ってくれる
